長野県知事と久しぶりに出会った ~長野県のこどもの生きるチカラを育む先頭に立て~

のこのこ長野市まで出てきました。
県庁に用事で。

これがまた遠いんだよね。
泰阜村から長野県庁まで約200㎞。
高速道路を使っても、車で3時間かかります。
長野県って、広いんです。
そういう都道府県ありますよね。
北海道とか岩手県とか福島県とか、高知県とか。
面積が広い県もあれば、そこまで広くないんだけれど県庁所在地がやたらと偏った場所にあるとか。
長野県は、その両方です。
南端にある泰阜村から、ほぼ北端にある長野市に行くのは、ほんとに遠い。
だから、年に一度行くかどうかなのです。
あれだけ東京、名古屋に行っているのにね(大学講義のため毎週)。

さてさて、今回は県庁からお呼びがかかりました。
素敵な賞をいただけるとのこと。
「信州協働大賞」というものです。
この賞は、優れた共同事業を実施している組織を、長野県知事が表彰するというものです。

※賞の詳しくはこちらへ → 協働大賞

おこがましいけれど、大賞を受賞しました。
「協働」というのは、長野県とNPOの協働なのか?
自治体との協働という狭い範囲で、大賞なんて、という想いもありました。
しかし、そんな狭いモノではなく、地域住民や学校など、多様なセクターとの協働という広いモノだ、ということで納得です。

長野県の阿部守一知事から、じきじきに表彰状を手渡されました。
「いや~辻さん、久しぶり!」と笑顔。
知事との出会いはもう15~16年くらい前に遡ります。
旧自治省の過疎対策室(室長)から長野県に、副知事として出向してきた時が初めての出会いでしょうか。
全く無名の団体で、しかも長野県庁まで遠い泰阜村から来るワカモノの(当時、私も若かった(笑))言葉に、よく耳を傾けてくれました。
その後、私は長野県の生涯学習審議委員会副会長や森林審議委員、スポーツ振興審委員などを歴任することになり、公的に関係が深まっていきました。
知事は趣向期間を終え、自治省に戻りますが、その後、横浜市の副市長を経て、2012年に県知事に当選しました。
今はなかなかお会いする機会もないのですが、それでもたまには活動報告をしたりしますし、今回のような賞を受けると祝福の電話もかかってきます。
NPOグリーンウッドの記念祝賀会や、スタッフの結婚式にも、必ず祝電をいただいているなど、本当に小さな地域の動きを応援してくれているんだな、と思います。
「県の総合計画は、学びと自治の力で拓く新時代がテーマ。その原点は、10数年前に出会った、NPOグリーンウッドにある」
と、大賞をとった団体へのリップサービスでしょうが、政策化されるきっかけが自分たちにあるのだ、と心が引き締まります。
そして「長野県のこどもの生きるチカラを育む先頭に立て」と、心が震える激励もいただきました。
表彰式の後に握手をし、笑顔で別れました。
「今度、必ず泰阜村に行くから!」
久しぶりに、ぜひその目で、泰阜村で展開されいてる「自律の学び」の活動を見てほしい、と強く思いました。

さて、せっかく県庁に来たので、この15~16年で築いてきた各部署の関係者にいろいろと顔を出してきました。
「あれ? 辻さん! 久しぶり!」
と、予期せぬ人に廊下で声をかけられもしました。
私が若い時に出会った県庁職員たちも、今はもう幹部です。
他、新聞社などにも顔を出し、旧知のひとびとにも挨拶してきました。
当時記者だった人たちも、今はすでに貫録ある幹部。
関係者というよりは、もう、同志とか仲間とか友達という感覚ですね。
素敵な1日となりました。

表彰式では、受賞団体を代表してあいさつをすることに。
その場でも表明しましたが、こども、老人、障がい者、貧困、過疎地域など、おおよそ小さくて弱い立場に向き合う活動、光の当たらない領域こそ、多様なセクターの協働(パートナーシップ)によって取り組むべきでしょう。
とりわけ私が重要だと想うことは、その協働のプロセスに「学び」があるか、ということです。
協働のプロセスそれ自体に、質の高い学びの積み重ねがあることが、協働の質を高めていくと想うのです。
その意味で、「学び」を本職としている私たちの役割は大きいのだろうな、と改めて感じます。
1986年に活動を始めて30余年が経過しましたが、ますます出番だなと思います。
長野県をはじめとする行政の皆さん、そして私たちを支えてくれている全国の皆さん、本当にありがとうございました。
これからも地に足をつけて丁寧に営みを続けていきます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

代表 辻だいち

以下、新聞記事を紹介します。
各社記者の方、ありがとうございます。

2018年(平成30年)3月13日火曜日

信濃毎日新聞社

県の「信州協働大賞」泰阜のNPOが受賞(写真は前景)

 県は12日、さまざまな団体と連携して事業に取り組む団体を対象とした「第5回信州協働大賞」の表彰式を県庁で開いた。大賞は、通学合宿や自然体験学習などを手掛ける下伊那郡泰阜村のNPO法人グリーンウッド自然体験教育センターが受賞した。
同法人は、村との協働で山村留学を運営するなど、30年以上にわたって自然と山村の暮らしから学ぶ活動を続けている。県の「信州型自然保育(信州やまほいく)」で認定されている園の能力向上のため、実地研修も行っている。
表彰式で、辻英之代表理事は「子どもや老人、過疎山村といった光が当たらない部分こそ、パートナーシップで事業を行うべきだと感じてきた。大賞の受賞は望外の喜び」とあいさつした。
優秀賞は、県ひとり親家庭等福祉連合会(伊那市)とNPO法人フードバンク信州(長野市)の2団体を、特別賞は県日中友好協会(同)を選んだ。

中日新聞

泰阜のNPOに協働大賞 県 山村留学30年以上実績

行政などと協力して優れた活動をした組織に県が贈る第5回信州協働大賞の表彰式が十二日、県庁であった。大賞には泰阜村で山村留学を受け入れているNPO法人グリーンウッド自然体験活動センターが選ばれた。
同センターは村と協力して、三十年以上にわたり山村留学を実施。小中学生らが数日間、公民館などに泊まって共同生活をしながら学校に通う「通学合宿」を県内に普及させようと、関係者向けの手引きの作成などにも貢献した。
最優秀賞は、2016年度に飯田市内で子供の居場所となる「信州子どもカフェ」の運営に協力した県ひとり親家庭等福祉連合会(伊那市)と、NPO法人フードバンク信州(長野市)が受賞した。中国とのスキー交流や学術交渉に長年貢献した県日中友好協会には特別賞が贈られた。
表彰式で、阿部一知事は「行政だけではできない活動が増える中、先駆的な取り組みを重ねてきた皆様に感謝したい」とあいさつ。グリーンウッド自然体験教育センターの辻英之代表理事が「今後も県政と質の高いパートナーシップを築きたい」と話した。

南信州新聞

2018年(平成30年)3月15日木曜日

信州協働大賞を受賞
通学合宿や自然保育 泰阜村のグリーンウッド

 さまざまな主体による優れた協働事業を実施している組織に県が贈る第5回「信州協働大賞」の表彰式が12日、県庁であり、大賞(1団体)を受賞した泰阜村のNPO法人グリ―ンウッド自然体験教育センターに表彰状が手渡された。
同センターは、泰阜村との協働により山村留学を運営するなど、30年以上にわたり自然と山村の暮らしから学ぶ活動を展開。県内外から毎年1000人以上が参加する「夏の信州こども山賊キャンプ」でも有名だ。
また子どもの自信や主体性を育む共同生活の体験を目的とした「通学合宿」普及のための手引き作成や講座の開催に貢献。県が創設した「信州やまほいく認定制度」の認定園の能力向上のための実地研修も実施した。

表彰式で阿部守一知事は「先駆的な取り組みを行う皆さんに感謝したい」とあいさつ。同センターの辻英之代表理事(47)は「小さな村だが、村の外には応援団やファンが多くいて、いろんな人たちと連携することが必要」と強調。「質の高いハートナーシップが求められる中、子どもの学びの場を通して我々も学習していく必要がある」と述べた。

優秀賞は、信州こどもカフェ推進事業などを展開する「県ひとり親家庭等福祉連合会」(伊那市)と、多分野の連携による食料支援事業の「フードバンク信州」(長野市)が受賞。官民連した「県日本中国友携による中国との友好協会」(長野市)に好交流の推進に貢献特別賞が贈られた。