山村と都市を結ぶみそ作り

先日、やすおか村で40名近くが集まってみそ作りを行いました。そのみそ作り、なぜ山村と都市をつなげるのでしょうか?

行ったのは1月の最後の日曜日。参加者数が当初の予定を大幅に超えたので、開催場所をグリーンウッドの施設から急きょ、村役場の集会室へと変更しました。参加したのは子育て世代を中心とした10世帯。一番小さい子は0歳です。

まずは豆をつぶす作業から。

ビニールに入れた豆をまんべんなくつぶします。食べ物を踏むなんて言ったら怒られそうですが、小さいこどもでも参加できるよう、足で踏んでつぶせるよう工夫しています。これが食べ物になること、こどもたちはちゃんと理解しています。踏み方もやさしく丁寧です。つぶし終わったら、麹とまぜて団子を作って樽の中に仕込んでいきます。

2kgずつ計ってそれぞれのおうちに持ち帰り、半年から1年寝かせます。暑い夏を超えることで熟成されるのです。

この事業、実はやすおか村役場とグリーンウッドの協働で行っている「山村都市交流事業」のイベントとして行っています。この事業の主目的はUIターン者を増やすこと。しかしこれまで参加したのは、全員やすおか村の方です。それはなぜか?すでにやすおか村に暮らしている若い世代が、「やすおか村に住んで良かった!」と思えるような村でなければ、よそから新たな人が来るわけではありません。村に息づく文化を暮らしに取り入れ楽しもうということと、横のつながりを作っていくことが目的なのです。

今回ははじめて村外の方の参加がありました。東京から2歳のこどもを連れた若い家族です。

参加して驚いたことを聞いてみると、「みそが手作りできることに驚いたし、自分のこどもが積極的に楽しんでいるのが良かったです。でもなにより、村の若い方たちが集まって、力を合わせている姿に驚きました」

今、日本のどこの山村も人口減少に悩んでいます。その解決方法として、補助金やいろいろなサービスで集めようとしています。しかしそれは消費的選択です。これではより高い補助金がもらえるところ、より良いサービスの自治体が選ばれ、結果小さな山村同士の競争がはじまり、ますます疲弊していきます。

大切なことは、今住んでいる人が、「この村に住んで幸せだ」と感じることではないでしょうか?その心が村に定住する人を増やすことはもちろん、山村の価値の見つめ直しにつながり、都市に向けて強い魅力につながると思います。

できたつながりが新たなつながりを創り、それぞれ個別で漬物作りをしたりと輪がひろがりつつあります。

みんながうらやむ地域を足元で創り育てること。それが日本の未来につながると信じて、活動していきます。