年齢・性別に関係なく良いことは良い・悪いことは悪いと思えるのはだいだらぼっちでの暮らしから
だいだらぼっちの卒業生にインタビューするこの企画、今回はだいだらぼっち9期生のけいじです。
けいじは、だいだらぼっち九年目(1994年度)に、小学5年生の一年間をだいだらぼっちで過ごしました。小学生の頃のイメージは、理科好きな男の子。人数の少ない年だったけど、鶏小屋の改築も米作りも始めた年でやることはいっぱいあったと思うのですが、けいじにつられて“化石採り”ブームがおこったくらいでした。けいじ以外の男の子は中学生ばかりだったので、お兄ちゃんたちにかわいがってもらっていた記憶があります。今はどんなことをしているのでしょうか。それではインタビュースタート!

ーけいちゃん(みけはけいじのことをずっと「けいちゃん」と呼んでいるのでいつも通り呼んじゃいますね。)、お久しぶり…でもないですね、年に数回は会ってますから(笑)。早速ですが自己紹介をお願いします。
こんにちは、1994年、5年生の時にだいだらぼっちにいたOBのけいじです。仕事は自動車関連で技術職に就いています。
趣味は、レース撮影や釣りをしています。レース撮影は、東海エリアのレーシングカートレースを中心にイベント撮影をしています。レース撮影を本格的に始めたきっかけは元々カートレースに参戦していましたが、レース中のクラッシュでの怪我でレースに出れなくなったので、前々から興味のあったレース撮影にチャレンジしようと思い、レース車両・部品を売却してカメラを購入し始めたかんじです。
釣りについては色々な釣りをしています。 砂浜でのキス・ヒラメ・マゴチ 沖磯でのヒラマサ狙い 船釣りで色々な魚種を狙っています。最近は、砂浜でのキス釣りが楽しいですね! 遠投投げ釣りで狙いますが、仕掛けを遠投するのも、キスの小気味良い当たりが良いですね。途中でキスが突然釣れなくなることが在るので、その時はルアーフィッシングに切り替えるとマゴチ等のフィッシュイータが釣れる事もあり、ラッキーゲストが釣れる感じも良いです!もちろん釣った魚は美味しく頂きます。よくだいだらぼっちにも持って行ってます。

ー釣りについてはよく存じ上げております。なにしろいつもおいしくいただいていますので(笑)。釣りの魅力を教えてください!みけの大好きな木村くんも釣り好きなのでね、その楽しさを知りたい、というところもありまして・・・(笑)。
釣りの魅力としては、釣りの種類によって違いますが、キス釣り等のマッタリしながらも小気味よい当たりを感じながら美味しい魚が釣れる所だったり、越前海岸でのヒラマサ(大型青物)を狙うルアー釣りはなかなか釣れず坊主がほとんどなのですが、重たいルアーを投げては巻いて、投げては巻いてを繰り返す筋トレのような釣りですが、いざ掛かった時の魚との駆け引きは面白く、これもまた美味しい魚です。
後は、船釣りもしますが、御前崎から出船する金洲釣りは行ってみないと何が釣れるか判らないワクワク感が良いですね。
ーありがとうございます。この話っぷりが、どれだけ好きかってことを物語ってますよね。
続いては、これまでお仕事で大変だったことや困ったことはありますか?また、それらをどう乗り越えてきましたか?
仕事は今まで自動車関連で色々な仕事を行ってきましたが、職種が変わる度に新しい事を覚え理解していくのが大変でした。ただ一つの仕事をある程度しっかり理解出来るようになってからは転職してもそこまで大変では無いとも思います。
いろいろな職場で感じた事としては、業務内容よりも職場の人間関係の方が働きやすさに大きく寄与するということですね。
複数の職場で理不尽な扱いをする上司が居ましたね。中小企業・大企業でも理不尽な扱いをする上司は居ますので、正直職場運頼みですね。
上手に付き合うならひたすらにイエスマンになるかゴマすりをするかですが、だいだらぼっち出身者にはあまり向いていないので最低限 上司に恥をかかせない事が重要かなと思います。
ーけいちゃんとお仕事の話をしたことはほとんどないので、結構新鮮です。だてに働いてないって感じ。(笑)けいちゃんがイエスマンになったりゴマをすったりするのは確かに想像できないですね。上司に恥をかかさないって、結構難しい時もあるのでは?と思いますが…。今のけいちゃんなら難しくないと思うけど、働き始めたばかりの人なんかは、自分の無知が上司の恥になってしまうこともあるじゃない?こんなことも教えてないのか?的な。最低限のところって例えばどんなことですか?マナー的な事とかかな?
相手の地雷を踏まないのが重要ですが、正直会って間もない上司がどんな事で怒りを覚えるかは判らないので、先ずは聞きやすそうな先輩社員にそれとなく聞いてみるのが良いと思います。
ーそのとおりですね。お仕事をしていてよかったと思うことや、一番の思い出などあれば教えてください。
仕事をしていて良いことと言えば、一番に自分の趣味に使える財源が増えることですかね。そのおかげでカートレースに参戦出来てもいましたしね。それと新しい知識を得ることが出来ることです。元々知らない事を理解する事が楽しいことでしたので色々な仕事をすることはとても良いですね。

ー新しいことを知ることが好きっていうのはよくわかります!だいだらぼっちにいたとき、化石クラブだったと思うけど、クラブで化石を取りに行ったときとか、何か新しい発見があった時のけいちゃんの顔、キラキラしていました。最近知ったことでこれは面白いってこと何かありますか?
最近はなかなか面白いと思える新しい知識は無いですが、仕事・遊びの中で少しずつ知識を足している感じですね。
ー中々ないと言いつつも、隙あらばGETしてやろう、という感じですね(笑)。
今のお仕事に就くまでに、けいちゃんが体験したことなどきっとたくさんあると思うので教えてください。また、その中で一番の思い出を教えてください。
学生時代は高校・短大共に工業系(自動車)、社会人になってからは整備士・バイクの部品メーカで品質保証・自動車の設計関連・生産技術と色々と経験していますが、なかなか出来ないという所で言えば、自動車の設計時代後半から他メーカの車両のベンチマーク(完成車をバラバラにして構造新技術調査すること)を行っていた時期が在りましたが、調査する為に部品をバラバラにしていくのは中々にたいへんでした。
ー他のメーカーの車をバラバラするって大変なんだろうけど面白そうって思っちゃった。けいちゃんも面白いと思っているのでは?大っぴらに分解していいなんて、やっぱり楽しそうだから…(笑)。
実際に分解したのは車のボディーなので、実は相当な肉体労働で面白いがかなり大変でした、特に最近の車は抗張力鋼板(強度の高い鉄板)を使用しているので鉄板同士を溶接している所をドリルで外すのがとても大変でした。
その中で面白い内容の一つは固い鉄板に穴を開けるドリルの刃も自分で刃付けをして硬さに合わせた刃先にするのですが、自分なりに理論を組んでそれに合う刃先を削り実際に固い鉄板に穴が簡単に開いた時は面白かったですね。
ーやっぱり面白いところでもあるんですね。
だいぶ大人になったけいちゃんですが、働いて結構経つ中で、こどものころには気づかなかったことや改めて感じたことなど何かありますか?
人には向き不向きが在るって事ですかね。自分は空間認識能力が平均より高めなので技術職での業務は問題なく出来るが、同僚を見ていると、技術職向きでない方は若いうちは本人の努力でなんとか業務をこなしているが年齢が高くなるにつれてついて行かれず働く業種を変える方々がいるのも事実ですね。自分のやりたい仕事と自分の向いている職種は一致することは少ないですが、若いうちは自分のやりたい仕事に付いてみて、5年程で見極めるのがいいかもしれません。
ーなるほど、実体験から生まれる言葉はやっぱり重たく聞こえてきますね。さっきも言いましたが、けいちゃんとこんな風にお仕事の話をすることが殆どないので、いつもとは違う一面を見せてもらっている感じです。
話は変わりますが、けいちゃんがいたころのだいだらぼっちはどんな感じでしたか?
人数が少ない年でしたが、畑・米・シイタケ・鶏・陶芸と毎日が忙しくも楽しい一年でしたね。

ー本当に。人数は少なかったけど盛りだくさんなことをしていました。
当時の出来事で一番印象に残っていることはなんですか?また、面白エピソードがあったら教えてください。
当時、渋柿が豊作で、毎日学校から帰ってくると渋柿を貰いに行っては皮むきして干すを繰り返し、母屋の屋祢下に干し柿がずらりと並んでいたのは良い思い出です。
ー確かに柿の玉すだれみたいになっていましたよね(笑)。
だいだらぼっちでの暮らしは今のけいちゃんにどんなふうにつながってますか、あるいはどんなふうに位置づいていますか?
年齢・性別に関係なく良いことは良い・悪いことは悪いと思える所ですかね。
ーそれって世間ではやっぱり難しいってことかな?それと、お互いの関係性が構築できていればカテゴライズに関係なく言うべきことを言えるっていうことでもあるのかな?
実際の社会ではやはり年齢・学歴・立場に拘っている方々が相当数居るのが実情で、その方々は上の立場の方々には尻尾を振り 下の方々には威張ったり、裏切り行為を平然と行ってきますね。
上記の方々は自分がお互いの関係性が構築出来ている(相手もその場はそう思っている)状態でも上の声一つでクルリと手のひら返してきますので、常にやり取りにはエビデンスとして残しておいた方が良いですね。
ーなるほど。自分との関係性だけではないところも影響してくるってことですね。だからこそ、年齢・性別に関係なく、良いことは良い、悪いことは悪い、と思えることって大事ですよね。ありがとうございます。
けいちゃんが今夢中になっていることはありますか?あれば教えてください。その魅力も!
趣味として先ほど少し言いましたが、レース撮影ですね、自分が撮影しているレースはレーシングカートと言って、プロレーサを目指す子供たちやレースを楽しみたい大人達が切磋琢磨しているカテゴリーになります。
レース撮影は基本的に流し撮りですが、被写体(カート)との距離が近く又、スピードも速いので目の前を一瞬で通り過ぎてしまいますが、タイミングよくその一瞬を撮影するのが難しく、確りピントが合った写真が撮れると楽しいですね。
撮影した写真はサーキットのHPにアップしていたりするので、ドライバーに喜んで貰えるのは励みにもなりますね。

ー見ているだけでは流れて行ってしまうその瞬間を切り取るってすごく難しそう。でも、だからこそ楽しいのでしょうね。なんて言うか、新しい知識を得るのが好きというけいちゃんの性質(たち)を思うと、性にあっているのだろうなって思います。つきつめようと思ったらどこまでも、みたいな感じかな。なんとなく一人で納得してしまいました。
そんなけいちゃんの夢を教えてください。
いつからか、特には無いですね。
ーあら、何かやりたいこととかはないですか?
今現在は仕事が忙しく、考える余裕が無いという感じですね。なにしろ余りにも無茶ぶりな業務内容と業務量の為…。
ーなるほど、だからこそ趣味の時間が大事なのかもしれないですね。没頭するのがわかる気がしました。
最後に今のだいだらぼっちのこどもたちにメッセージをお願いします!
先ずは何かしら一つの事を深く理解すると他の物事がスムーズに理解出来るようになりますよ。
ーなかなか面白い言葉をいただきました。これはだいだらぼっちでの生活だけではなく、これから人生を進むうえで、いつでも、どんなときでも当てはまりそうな深い言葉ですね。今日はありがとうございました!

このインタビューの気配からみなさん想像はつくかもしれませんが、とってもシャイで朴訥(ぼくとつ)としていてそんなに口数の多い人ではないけいじ。インタビューの合間にも言いましたが、これまでずいぶん長いこと付き合っていますが、本当にお仕事の話についてはほとんどしてきたことがありません。でも今回お話して、やっぱりただものではないというか、自分の経験値を無駄にせず、ちゃんと活かしていかれるように整理できる人なんだなって改めて思いました。また、静かだけど熱い気持ちも内面に持っているので、夢中になるものへの向き合い方は化石に夢中だったころと変わらないのだな、と思いました。前回インタビューをしたまこちゃんにとって、けいじがだいだらぼっちにくるきっかけだったと言っていたので、何故なのかをまこちゃんに聞いたところ、キャンプに参加したときに、けいじとぽっぽ(OG)がだいだらぼっちの説明をしてくれたのだそうです。高校生くらいの時のけいじが説明してくれたのだと思うのですが、普段は口数が少ないのですが、好きなものの魅力は熱弁してくれるので、そんな話し方だったのか、或いは言葉は少なくても熱量の加わった“相手に届く言葉”を選んでいたのかな。なにしろまこちゃんだけでなく当時キャンプに来ていた何人かが同じタイミングでだいだらぼっちに参加を決意しているので・・・。
小学5年生の時のはにかんだ顔とおんなじ顔で今も笑うけいじ。またいつでもおいしいお魚とともに(笑)来てくださいね!

こどもと大人が力と智恵を出し合って暮らしをまわしていることに魅力を感じ、グリーンウッドに参画して36年目。今もだいだらぼっちのこどもたちや地域のこどもたちと日々奮闘中!寄る年波には勝てないので一緒に走り回ることはできないが、こどもたちと一緒にあちこち歩き回ったりキャンプしたりするのはできる。今のお気に入りは虫のいない季節に野宿して夜空を眺めることと、帰ってきたOB・OGと一緒にお酒を飲むこと!。
