壊れたら直して使う 遊びの中で培われるもの ~放課後児童クラブ「いってきました」

こんにちは、放課後児童クラブ「いってきました」のみけです。

ここのところぐっと朝晩が冷え込んできた泰阜は、寒いときは朝は10℃を切ることも…!

日も短くなってきて暗くなるのが早くなってきましたが、こどもたちは寒くなってきても、暗くなってきても元気に外で遊びまわりたいようです(笑)。

そうはいっても、暗い中激しく動き回るのは、自分は良くても周りの人を巻き込んでけがをしたりさせたりしてしまうこともあるので、何とか我慢してもらっています。

そんな元気いっぱいのこどもたちの中で、ひときわ元気な小学4年生の男の子がいます。雨が降ってもカッパを着て外で遊び、寒くても上着も着ずに半そでで遊んでいることもあるくらいの彼ですが、違う一面もあります。

それは、「壊れているものを見つけると直したくなる」という一面です。

これは電車のおもちゃの駅で、分岐の切り替え装置がついているのですが、それが動かなくなってしまっているものです。割れてしまっている部分もあり、本来の機能を果たすことができずにいるのですが、中を見たい、と言ってドライバーを使ってねじを外して中の仕組みを一所懸命に解読しているところです。色々試してみたのですが、これは直すのは難しかったようでした。

その彼が「いってきました」の出入り口に置いてある靴を置くための台の足がぐらついてななめになっていることが気になっていたようで、つい先日「直したい!」と言ってぐらついている足を外し始めました。

その靴置きは、もともと彼のお兄ちゃん(現中学2年生)が小学生の時に、狭い出入り口に少しでも多くの靴が置けるようにと作ってくれたもの。それを数年後に弟である彼が直してくれるとは!

新しいものを作ることも可能だったのですが、使えるものはそのまま使い、4本あった足のうち、斜めになってしまった足2本を作り替え、今後ぐらつかないように足と足を板で留め、補強しました。

ご覧のように出来上がりはばっちりで、大人が乗ってもびくともしないくらいのガッチリ感。本人も大満足!改めて入り口に設置するためにきれいに掃き掃除までしてくれました。

普段、「いってきました」でこどもたちは様々なものを木工で作っています。刀やクナイなどの武器のように、自分たちの遊びに必要なものを作る時もあれば、お箸やスプーン、ターナーなど自分やほかの誰かが使うためのものを作ったりすることもあります。こどもにも寄るのですが、実は彼らは同じものを何度も作ったり、作ったものに何度も手を入れながらバージョンアップしたり、作ったものが壊れてしまったとき、直せそうなら直して使ったり…と、作るものに対して、ちゃんと理想があってそれに近づけることや、作ったものを最後まで大事に使うことなどが日常の中に落とし込まれつつあります。

今回の彼の動きもまさしくその中の一つで、自分が作ったものではないのだけれど、みんなが使うものが壊れかけているのに気づき、そこに彼の「壊れているものをみつけると直したくなる」が重なって、直したい!となったその日のうちに直し終わったのでした。しかも、ただ元と同じにするのではなく、改良点を加えて作り直してくれたのです。

ただただ遊んでいるかのように見えるこどもたちのものづくりですが、今回のようなことがあると、遊んでいく中で、道具を使う技術、実用に耐えうる形にする技術や勘どころ、作成のスピードなど、いろんなことをちゃんと身に着けているんだなぁと改めて思い知らされます。

直した彼も、使っているみんなも、それを目の当たりにした私たちスタッフもみんながうれしい出来事でした。