
こんにちは!スタッフのくるです。今回は、8月22日から24日の2泊3日で行われた、「一宮学園山賊キャンプ」についてお伝えします。
グリーンウッドでは3年前から、千葉県にある児童養護施設、一宮学園と連携をして、そこのこどもたちを対象にしたキャンプを行っています。今年度はチャレンジフィールドという、水道やトイレが離れたところにある少し不便な場所で開催しました。その「不便」を仲間と協力して「楽しもう!」という心持ちが大切になってくる場所です。
一宮学園から泰阜村にやってきたのは12名のこどもたちと4名の職員さん。こどもたちはほとんどみんなリピータで、今までやったことを教えてくれたり、今年やりたいことを考えたり、わくわくした表情でやってきました。
早速山賊カレーを食べて、キャンプが始まりました。始めの山賊会議では、肝試し、キャンプファイヤー、川遊び、釣り、魚とり、星空を見る!とたくさんのやりたいことが詰まったスケジュールが出来上がりました。
他のキャンプと比べると短い、2泊3日の一宮学園山賊キャンプ。1日も無駄にできない!ということで、初日の夜から肝試しを行いました。真っ暗な泰阜の夜はただでさえ怖いのに、実行委員さんが考えた渾身のシナリオと演技で、キャーキャーという叫び声が響き渡りました。
そして星空が見える夜、外にシートを敷いて、野宿をしました。「あ!流れ星!」「見えた見えた!」満天の星にみんなが感動していました。
次の日は、朝からごはん作りです。こどもも大人もみんなで話し合いをして、メニューと役割分担を決めました。火を起こすこと、野菜を切ること、調理をすること、少し面倒に思えることも、仲間と協力するととても楽しく、出来上がったごはんもとてもおいしく、みんなもりもり食べました。
そしてこの日は、1日中川で遊びました。こどもたちは一日中全力で動いていても元気で、この大自然の中で目一杯体を動かしていきいきとしている様子が印象的でした。
このように、全力で仲間と協力して暮らしをつくり、遊び、泰阜村での2泊3日を満喫したこどもたち。解散するときには、「また来る!」と最後まで手を振って帰っていきました。
参加者のこどもたち、職員さんからの感想を一部抜粋して紹介します。
こどもたちの感想
「長野キャンプにきて団結さと友情関係をきずけて行けたかなと思いました」
「(ごはん作り)いつもは大人がやってくれますが、いつもやらないことができて良い体験ができました」
「(ごはん作り)いつもは大人がやってくれますが、いつもやらないことができて良い体験ができました」
「寝る時流れ星がみえました。きれいでした。」
「(川への飛び込み)最初はとてもこわかったです。でもやってみたら楽しかったです。」
「にんじんとピーマンを切りました。とてもおいしくつくれたのでうれしかったです。」
「バスが迎えに来た時は帰りたくないって思ったから、来年も来ようとおもいました。」
職員さんの感想
「あまり発言がなく、いつもどちらかと言うと引っ込み思案な子が、周りを見てさっと手を貸したり、果敢に様々なことも挑戦している様子がよく見られて感動してしまいました。」
「こどもたちは我々が思っているよりもはるかに自主的に行動できる姿を見て、大人はもっとこどもの自己治癒力を「信じて、待つ」ことが必要だなと勉強させてもらいました。」
児童養護施設で暮らすこどもたちは、自分ではどうしようもできない外環境によって、そこで暮らすことになった経緯があります。自らの意志で、ここで暮らしたい!と思ったわけではありません。一方で、このキャンプには、こどもたちが自ら「行きたい!チャレンジしたい!」という前向きな意志を持ち、参加を決めています。そして、泰阜に着いたら、自分たちがやりたいことを出し合い、自分たちでスケジュールを決めます。ごはん作り一つとっても自分たちで決められることがたくさんあります。この先の人生、自分で決めることはたくさんあり、本来それはとてもわくわくすることです。このキャンプで得る「自分で決める」経験はきっとこどもたちのこれからの人生のなかで、大切な時間になっていくはずです。
また、過去に深く傷ついた経験を持っているこどもも少なくありません。過去に負ったその傷が、ずっと残っているこどももいます。上記職員さんの感想文にある「自己治癒力を『信じて、待つ』」について聞いてみた時に印象的だったのが、「自然のなかで過ごす時間そのものがもつ価値」と「こどもたちが如何に物事を良くしていくために考えて行動しているか」についてです。大自然の中で、空が明るくなってきたころ起床し、朝の涼しい空気を肌で感じ、1日を通して夢中で遊び体を動かし、1日3食泰阜村でとれた新鮮野菜たっぷりのごはんをもりもり食べて、日が暮れたら月の光と星々を見て虫の音を聞きながら眠る、、、そんな時間そのものがこどもたちの傷を癒していくのではないかという話をしてくれました。さらに、集団で過ごす中で、ケンカが起きることもありました。それでもこどもたちは「どうしたら最後にはみんなで一緒にごはんを食べられるか」ということを一人ひとりが一生懸命考えて行動していました。物事を良くしていくために主体的に行動していくこと、それは負った傷を自分自身で癒すことができるということ、を実際に目の当たりにして実感ができたそうです。
このような体験をこれからもどんな境遇にいるこどもたちにも提供していきたいと強く思います。来年もまた一緒にキャンプをするのがとても楽しみです。
この一宮学園山賊キャンプは、クラウドファンディングで資金調達をしております。来年度実施のためのクラウドファンディングが始まっています。詳細は以下のページをご覧ください。皆様の応援、情報の拡散等、ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
児童養護施設のこどもたちに「自由なキャンプ」を! | 公共的活動応援サイト 長野県みらいベース

小学校5年生の時、1年間暮らしの学校「だいだらぼっち」に参加。やりといことやつくりたい場の源にだいだらで過ごした日々があると感じ、2024年度から相談員として参画。気のおけないおしゃべりとコーヒーと読書が好き。
