2025年度だいだらぼっちスタート!|1年間のだいだらぼっちリアル


全国から集まった13名のこどもたち!

4月1日。今年度の暮らしの学校だいだらぼっちに参加するこどもたち13名がやってきました!関東や長野県内、南は愛媛と全国からやってきたこどもたち。慣れない仲間への緊張と、ちょっぴりこれから家族と離れる寂しさと、1年間の暮らしへの弾む気持ちを胸に、はじめの会が幕を開けます。ここには相談員も含めた、この1年間を共に過ごす全員が集合します。順々にキャンプネームや出身、学年など自己紹介をしていきますが、ここで話す項目の最後は「だいだらぼっちの暮らしで楽しみなこと」。こどもたちからは

「薪割りがしたい!」

「木工に挑戦したい!」

「ごはんづくりがしたい!

とやってみたいことがどんどん出てきました。だいだらぼっちではスケジュールはこどもたちがやりたいことを出し合って、話し合いを通して決めていきます。逆に、やりたいことを出さないと何もせずに終わってしまう。できるもできないも自分に任されているのが、ここでの暮らしです。

初めの会の後は夜ごはん。今日は相談員が作ったカレーを食べましたが、明日から自分たちでご飯づくりも行います。ご飯を食べる時間は、貴重なコミュニケーションの時間です。たまたま席が隣になった子と雑談しながら同じ釜の飯を食べる時間を通して、一気に緊張が解れていきます。今回は、スタッフなおみちが猟師さんからいただいた鹿をさばいて、食卓に出してくれました!それぞれ骨ごと豪快にかぶりつきます!

そして食後は最初の連絡。いつも連絡では明日の予定を決めたり、ごはん当番や風呂焚きの係などを挙手制で決めていきます。しかし、今日は初めて連絡に参加する子もたくさんいます。そんな時頼りになるのが、昨年度からいるメンバーです。今年度から加わった新しいメンバーが話し合いに置いていかれないように、ことあるごとに説明を挟んで丁寧に進めてくれます。全てのことを話し合いで決めていくだいだらぼっちにとって毎日行う連絡の場は”要”ともいえる時間です。1年目2年目等、こども相談員、年数や年齢に関わらず誰もが思ったことを伝え合う場に出来るようにしていこうと確認をしました。

はじめの連絡では、昨年度からいる、のはが司会をし、明日のご飯当番、お風呂焚き当番、スケジュール、あさづくり(朝掃除)片付けの分担を決めました。1年目のメンバーも手を上げ発言する場面も沢山ありやる気にあふれている様子でした!

こどもによっては意見を言える子はどんどんと発言しますが、苦手な子にはなかなか高いハードルでもあります。しかし、1年間連絡を毎日するからこそ、苦手な子でも段々と自分の意見が言えるようになっていくのです。

 

 午前中は朝づくりレクチャーをしました。 朝づくりは大広間の掃除、お風呂の掃除、生ごみ捨てなどみんなで使う場所を順番に回り、やり方を確認しました。
2~4年目の子たちが1年目の子に教えてくれましたが、 「堆肥場のスコップは失くしたり、怪我をしたりするから使ったら地面に刺してね」「汚れた水を流すと浄化槽に負担がかかるから、外に捨ててね」など、「なぜ」の部分まで丁寧に伝えてくれました。単純にやり方だけを教えるのではなく、その背景にあるものまで暮らしを通して落とし込まれているからこその伝え方だと思います。

↑たい肥場の活用の仕方についてのレクチャー

ここで暮らしていくためには、一人一人が危ないことや正しいやり方などをわかっていることが重要です。だからこそ、こどもに任せて暮らせる場になるし、逆に自分の身を自分で守るという意識がなかったり、自分たちで決めたことをないがしろにすると、ルールでがんじがらめになってしまいます。今年来た子たちにはまだその実感はないかもしれませんが、「自分はここで暮らすんだ」という意識があるからこそ、みんな真剣なまなざしで説明を聞いていたのでしょう。

↑風呂たきのレクチャー

 

だいだらぼっちの暮らしでは、こどもが主役です。それは大人が一切教えないということではなく、こどもがこどもへ暮らしを引き継いでいくことに本質があるのだと思います。

暮らしに対して不慣れな子が多い中で、我々スタッフがこどもにレクチャーし、話し合いも要点をまとめ、予定を決めて行けばこの二日間はもっとスムーズに暮らすことができたでしょう。しかし、何時間もかけたレクチャーや、慣れずに時間がかかった連絡もこどもなりに考えて相手と向き合うからこそ、互いがフラットに関わり合える関係性ができていきます。そして、受け身ではなく、それぞれが暮らしの主体者としての意識が生まれるのです。この自ら考えながら、協働作業する時間こそが、こどもが主役として暮らすための礎になるのだと思います。

今回ご紹介したのは1年間の第一歩踏み出したこどもたちの様子でしたが、これから話し合いを重ねてどのような暮らしを創っていくのか、今年度もグリーンウッドの種を通してお伝えしていきます!

本年も、こどもたち13名のチャレンジを応援してください!どうぞよろしくお願いします!