それぞれの道へ。2024年度だいだらぼっち終了報告。|1年間のだいだらぼっちリアル

3月19日の小中学校の卒業式を持って2024年度のだいだらぼっちを終了しました。1年間こどもたちの暮らしを応援いただきましてありがとうございました。

17人のこどもたちが知恵を力を持ち寄り暮らした1年間。39年目のだいだらぼっちですが、一年として同じ年はありません。それは、1年間の決められたプログラムではなく、こどもたちが「どんな1年にしたい?」と夢を語り、困ったことがあれば「どうしよう?」と一緒に悩みつくりあげてきた一年だからです。その最後の1週間の様子をお伝えします。

 

【解散まであと5日 背中で語る!一年間の集大成”引き継ぎ会”】

〇だいだらぼっちってどんな場所?

一年の終わりが見えてくる3学期。こどもたちと締めくくりに向けての話し合いが始まりました。テーマは”引き継ぐ”です。

 こどもたちが考えてつくるだいだらぼっちの一年ですが、何でもありの一年ではありません。だからこそ、「色んな人が一緒に暮らすには、どんなことを大切にしてきたのか?」「自分たちの手で作る”だいだらぼっちらしさ”とは?」など、次の年のこどもたちに伝えたいことを話し合ってきました。

 そして、3月15日―16日、最後の土日で、現役と次年度参加するこどもたちが一堂に会する。だいだらぼっち引き継ぎ会を開始しました。

▲総勢、約120人のビックイベントとなりました。

〇大変は楽しい!薪作業

 当日はあいにくの雨。ですが、何としてもやりたいとタープを張りながら行った。薪リレー&薪割り。だいだらぼっちの暮らしに欠かせない薪作業。めちゃくちゃ大変そうに見えるけど。大変が楽しいのがだいだらぼっち。みんなでやれば、楽しいよ!を伝えたかった。本番は大成功、みんなで声を出し大盛り上がり。そういう意味では、より大変な雨の中の薪作業は、こどもたちの思いをより伝えてくれた結果となりました。
 そして薪割り、これは一年間チャレンジしてきた成果を見てもらいます。太い薪をどんどん割っていく姿に、みんな感心。かっこいい姿に一年の積み重ねがにじみます。

▲雨の中の薪リレーみんなでやれば楽しい!
▲どんどん割っていく姿がかっこいい!

〇一年の軌跡、餅つき・ものづくり

今年のだいだらぼっちを感じてもらうために、田んぼで育てたもち米を使ってみんなで餅つきを企画しました。出た振る舞うだけがだいだらぼっちではないので、みんなでついて味わう餅つきは最適です。早朝から朝ごはんのためにお父さんもお母さんも一緒に100人分の餅をつきました。

▲朝6:00からみんなで朝ごはんのお餅をつきました。

 だいだらぼっちの暮らしにものづくりは欠かせません。今回行ったものづくりの発表では、ものづくりのすごさではなく。こどもたちがこんなものがあったら素敵だな!あの人に作ってあげたいな!など、暮らしを豊かにするために、自分たちの手と時間を使って暮らしの中で生み出したことを伝えたくて行いました。こどもたちの語る言葉には、実際に時間を割いてコツコツと積み上げて作った人だからこそ語れる言葉がありました。

▲竹輪丸はつい先日完成したお父さんに作った曲げわっぱの弁当箱について説明しています。

〇一年の積み重ねを、背中で語る。

そしてフィナーレの終わりの会。新しい仲間たちへ、一年過ごした仲間たちへ、想いを伝え合います。思わず涙がこぼれる姿に決して楽しいだけではなかったことやそれでもあきらめず考え続けた日々がにじみます。その姿はきっと来年くるこどもたちとって、ワクワクと同時に、身が引き締まる気持ちになったことでしょう。そして、現役のこどもたちもまた、多くの人に支えられ一年を過ごしていたことを感じた会となりました。

▲仲間への言葉に思わず涙がこぼれます。

【解散まであと3日 ものづくりの集大成。プレゼント交換】

引き継ぎ会の翌日。プレゼント交換をしました。このプレゼント交換は、12月頃にくじを引き、その引いた相手に内緒でプレゼントを作り渡し合う会です。誰かのために、何が喜ぶかな?と考えながらものをつくる。1年間過ごした相手だからこそ。みんなよく見てるなぁと思う品物ばかり。そしていつの間に作ったの?と思うぐらい手間がかかっている。(学校から帰ったらすぐに遊びに行ってたのに!笑)
みんなの心のこもった作品に思わず笑みがこぼれました。

誰かのために、自分の手でつくる。まさにものづくりの原点でもあり、集大成のような時間でした。

▲ただっちからヤタへのプレゼント

【解散まであと1日 お別れパーティ】

最後の夜は、どんど焼き(今年使ったものを燃やす)とお別れパーティをしました。
どんど焼きでは、手作りのだるまを中心に火を焚き一年間使ったもの(毎月の予定など)を燃やしました。一つ一つ燃やしながら、1年が思い出されます。

▲竹に手作りだるまを刺して本格的な”どんど焼き”

最終日消灯直前。最後に1人1人握手をしてこの一年を締めくくりました。それまでいつも通り、大盛り上がりので、今日で最後というのが、あまり実感のないこどもたちでしたが、握手をすると急に実感がわき、気がつけば泣きながら別れを惜しむ時間となりました。

▲握手すると思わず涙がこぼれます。

ここからは自分で決めたそれぞれの道を歩いて行きます。ですが、だいだらぼっちの縁は一生ものです。嬉しいことがあったとき、悲しいことがあったとき、辛いとき、何もなくても、もう一つの実家としていつでも帰ってきてほしいです。そしてだいだらぼっちで、たくさんのかけがえのない仲間を作ったように、色んな場所で、たくさんの人たちと出会い、素晴らしい仲間を作って人生を歩いて行けるよう願っています。「いってらっしゃい」

皆様もこどもたちの一年間を応援いただき本当にありがとうございました。