代表メッセージ

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代表理事 齋藤新
 
私たちが生きる社会は、今、大きな課題に直面しています。
格差や分断、紛争、災害、環境問題。社会が縮み人との関りが失われることでまた新たな課題が巻き起こる…一人では抱えきれない現実が、次々と押し寄せています。
それらを解決するために、さまざまな制度や仕組み、対策が講じられてきました。
しかし、課題が複雑化し続けるこれからの時代において、制度やNPOなど市民活動で対応し続けることには限界があります。
だからこそ問われているのは、社会をつくる一人ひとりのあり方です。
 
私たちが目指しているのは、「みんなができるを持ち寄る社会」です。
それは、“できること”も“できないこと”も持ち寄る社会です。
私のできるは、誰かを助ける。
自分のできないは、誰かに支えてもらう。
一人ひとりが自分のいる社会に関わり、互いに支え合っていく。
その積み重ねこそが、これからの社会を支える力になると、私たちは考えています。
 
しかし、その根となる心は、教え込むことで身につくものではありません。
必要なのは、実感です。
「自分はこの世界に関われる」「自分にもできることがある」
そう思える体験の積み重ねです。
 
私たちが実践しているのは、「人と自然が混じりあう暮らし」です。
それは特別な体験ではありません。
毎日の食事をつくり、火を焚き、仲間と共に暮らす。
思い通りにならない自然の中で、自分の力の小ささを知り、人と関わる中で、自分にできることを見つけていく。
できないことは誰かに助けてもらう。
できることは誰かに手を差し伸べる。
そうした日々の積み重ねは、水が地面にしみこむように、ゆっくり、そして見えないけれど確かな「ねっこ」を育てていくのです。
 
私たちは、長野県の山間にある小さな泰阜村で40年以上教育活動を続けてきました。
育ったこどもたちは、それぞれの場所へと巣立ち、 自分のいる社会に関わり、その場を少しでも豊かにしようと行動しています。
やがて大人になり、より大きな社会に働きかけ、新たな活動を生み出す人もいます。
それは、一本の木が森をつくり、やがて種を飛ばし、新しい森を生み出していく姿と重なります。
 
私たちの活動は小さく、時間がかかり、成果もすぐには見えません。
それでも確実に、社会に網目のように根を張り、それぞれが根付いた場所を変えてきました。
社会は誰かがつくるものではありません。
私たち一人ひとりがつくるものです。 だからこそ、人を育てることが今最も大切なこと。
私たちはこの営みを信じ、次の40年に向けて、これからも小さな一歩を積み重ねていきます。
 
代表理事 齋藤新