代表メッセージ

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代表理事 齋藤新

代表交代あいさつ 新代表理事 齋藤新

 
 2009年より代表を務めていた辻英之に代わり、新たにグリーンウッドの代表理事となります齋藤新です。2004年の10月にグリーンウッドに参画して21年目。2011年より事務局長として働いてきました。まずは前代表の辻が国会議員という新たなステージに立つことを心の底から応援しております。一人一票という超民主主義的なだいだらぼっちの実践や、社会のメインストリームではない僻地山村の泰阜村での暮らし、教育活動の実践と経験が国というフィールドで発揮されることを願っております。
 
 代表を引き継ぐにあたり、その重責を改めて感じます。しかしこれまでのだいだらぼっちのこどもたちや保護者の方、働いてきたスタッフが紡いできたものを、今の時代に提示することと次の時代に引き継ぐためにはたじろいでばかりもいられないと思います。覚悟を決めて精一杯頑張って参ります。
 
 少し長くなりますが、グリーンウッドに来た経緯をお話しいたします。 
 グリーンウッドとの出会いは2003年の山賊キャンプの長期ボランティア参加からになります。2001年のニューヨークの同時多発テロをきっかけに、世界は不安定な状況に突き進んでいました。世界平和のためにも未来を創るこどものための仕事がしたいと転職を考えていた際に出会ったのが「自然学校」という存在でした。
 
 しかしそれまで働いていたのは編集プロダクション。こどもとも関わったこともなく、キャンプばかりかアウトドアの経験も少ない自分が果たしてやっていけるのか?という不安もありました。そこでたまたま見つけたのが1か月半山賊キャンプの運営を手伝う長期ボランティアです。まずはやってみよう、それで合わないと思ったら別の仕事を探そうと、自分を試すために応募しました。 
 朝日と共に起き、こどもたちのご飯作りを必死にサポートし、川で遊び、夜暗くなって眠る1か月半の暮らし。こどももボランティアもスタッフも一緒に必死に、そして全力で遊ぶ経験で得たのは「生きている実感」でした。これまでも自分で働き、暮らして「生きていた」はずなのに、ただご飯を作り、食べ、遊ぶというだけの毎日の方が、圧倒的に「生きている」と感じたのです。当たり前と思っていた価値観が崩れ去り、本当に大切なものは何か?を考えるきっかけとなりました。  
 その後別の団体で1年間の実習生を経験。改めてこの先を考えたとき、「本質的な活動をしているグリーンウッドで働きたい」という想いから、当時事務局長だった辻に「働かせてください」と手紙を出し実習生として関わり始めたのが2004年の10月です。
 年度が変わった2005年から正職員となり、その後は山賊キャンプの拡大や青少年対象事業の企画、だいだらぼっちの責任者、ファンドレイザーの資格を取り寄付活動を開始、その他パンフレットや広報物の作成、スタッフの主体的な働きができるよう「一人一票」の職場づくりとグリーンウッドの価値を社会に届けるための仕事をして今に至ります。 
 
 20年前にボランティアとして関わっただけのきっかけから、まさか時を経て代表になるとは誰も想像しない出来事です。それでも一歩一歩進んできた先にこういった未来があるのは、素直に「人生はおもしろい」と感じます。
 代表という任は格別に重いものです。それでも縁あって働いたこの場所で、たまたまでも与えられた役割ならば「私がやるしかない」と覚悟を決めています。
 
 この先のことを少しお話しします。現代社会に足りないのはまさに「「生きている実感」ではないでしょうか。「自分がここにいる」実感を取り戻すことが、社会変革の一歩です。そのためにこれまで通り、だいだらぼっちや山賊キャンプ、放課後児童クラブなど既存事業を進めていきます。一方でだいだらぼっち40年を目前に控え、また社会も大きく変化する中で私たちの役割も変えていかなければなりません。現在、団体の軸となる「ビジョン・ミッション」の改定に向けて協議を進めているところです。あわせて新たな事業も提示していくことになるかと思います。落ち着いたところでお伝えできればと考えております。
 
  まだまだ未熟で頼りない代表です。しかし一人で働いているわけではないことを、ここ数年の若いスタッフたちの成長と、これまでグリーンウッドに関わった皆様から教わってきました。みんなの力を借りて進んで参ります。何卒応援よろしくお願いいたします。