次世代を担う教師を育てる一年間の教師・指導者育成プロジェクト

育成プロジェクト・とんぼ 【事業報告】
2020年度指導者育成プロジェクト参加者 秋田裕貴 
     〜1年間育成プロジェクトとんぼ学びのコラム〜


4月の研修報告  →  研修担当バズのふりかえり




 4月育成プロジェクトとんぼ研修報告

はじめに

今でもだいだらぼっちにいる「自分」というものが信じられない時があります。
大きなきっかけは去年の夏、教員採用試験に不合格になったことです。教員を目指し、教育大で学び、地元大阪の教員になるものだと信じて疑いませんでした。不合格になったことで本当に自分がやりたいこと、進みたい道について考えました。元々卒業後すぐに教員になって良いのか?という気持ちがあったこともあり、「せっかく落ちたんだからなにか面白いことをしたい!!」とあれこれ探している内にこの教師指導者育成プロジェクト(以下、育プロ)に出会いました。インターネットで育プロについて知ったのがちょうど申し込みが始まるタイミングで、その時私はだいだらぼっちはおろか、山村留学という単語すら聞いたことがない程無知でしたが、「これだ!!」と運命的なものを感じたことを覚えています。
育プロに参加するにあたり、この1年間の大きな目標として、「こどもと人として関わる」「グリーンウッド・泰阜村を語れるようになる」ということを挙げました。詳細については今後のふりかえりの中で活動中に起こったこと、感じたことと合わせて触れたいと思います。


激動の1か月を過ごして

だいだらぼっちの生活で一番驚いたことは、とことん話し合うこどもたちの姿です。だいだらぼっちでは、小学校4年生であろうが、中学校3年生であろうが、大人であろうが同じ一票をもっています。しかし、多数決で物事を決めることはありません。各々が持つ一票の責任を果たすためにどれだけ時間がかかろうともその場にいる全員が納得するまで話し合う場を設けるということが何度もありました。また、そうした話し合いを支えているのは、こどもたちの「家族」「仲間」としての意識だと感じました。日々の話し合いの中でも「結局私たちは家族だから」といった発言がさらっと飛び出すなど、こどもたちのだいだらぼっちに寄せる想いを感じました。
この1か月はだいだらぼっちのこどもたちにとっても私自身にとっても、激動の1か月といえると思います。家族から離れて暮らす決心をし、これまで赤の他人だった19人が集まり始まった家族としての生活。新型コロナウイルスの影響で学校に行けず、強いられる敷地内での生活。無意識の内に体の中に積もっていくストレスを抱え、想いが伝わらずぶつかることもありつつこの1か月を過ごし切ったこどもたちには尊敬の心しかありません。そんなこどもたちから日々学ぶ姿勢というのはこの1年間忘れずに過ごしたいです。
私自身としても悩んだ末決めたキャンプネーム「トンボ」としての生活、40人分の食事作り、これでもかというほど全力のケイドロや野球、こどもたちと毎日入る五右衛門風呂、もう一人の育プロ参加者ひーちゃんとのシェアハウス等々、想像を遥かに超える刺激的な毎日でした。朝、「ふーーー」と深呼吸をしてから臨んでいた日もありますが、育プロ史上の中でも、これほど濃密な1か月を過ごすことができた参加者はいないと感謝したいです。
本当にこの1か月は文字通り「あっ」という間で、この期間でこれから1年間の関係性の土台を作ることができたのではと、ほんの少しではありますが達成感があります。


5月に向けて
達成感はありますが、それ以上に課題、モヤモヤしていることもあります。
最も大きな課題としては、「相手に想いを届ける言葉選び」です。話し合いの時、普段の生活の中で気になる発言があった時、大人として頭ごなしにただ自分が思っていることだけを口にしてこどもたちに伝わっていないと思うことが多々ありました。それでは一緒に暮らしている仲間として無責任だと反省しています。思っていることを伝えるためには、どんな言葉を選び、どんな表情で言えば伝わりやすいのか、その一瞬が通り過ぎると流してしまうことも多いですが、その都度立ち止まって考えることができればと思います。
また、ふりかえりをしているときにバズから「こどもも二十歳になれば対等に意見を交わす仲間」、「その時にどんな言葉を言うかではなく、それまでに通じ合えているかも大事」という話がありました。こども、大人と異なる存在として接するのではなく、本当の意味で関係性を築き、想いを伝え合える仲間となることは、この1年の目標である「こどもと人として関わる」ことに直結すると考えています。そこに向けた具体的な道筋を探りつつ5月以降も全力でこどもたちとぶつかりたいと思います。


□ 4月研修担当バズのふりかえり 

スタッフ・ばず振り返りの中でトンボの言葉で印象に残ったのは、「せっかく」という言葉でした。自分の夢(進路)が閉ざされたとき、ネガティブな感情が渦巻くところでその環境から何を学ぶのか、自分がいまやるべきことは何なのか。直感的に育プロの扉を叩いたトンボの姿勢は尊いものだと感じました。1年間は楽しいこともたくさんありますが、想い悩むことも同じくらい出てくることでしょう。そんな時に一年間のチャレンジを決心したその事実がトンボを前進させる原動力になると思います。良いことも悪いことも、すべてのことを自分の糧として、貪欲に学び取る。そんな1年間を過ごしてほしいと思います。



育成プロジェクト TOP

* 問い合わせ・連絡先 *

〒399−1801  長野県下伊那郡泰阜村6342-2
TEL:0260-25-2172 FAX:0260-25-2850
e-mail camp@greenwood.or.jp