次世代を担う教師を育てる一年間の教師・指導者育成プロジェクト

育成プロジェクト・ひーちゃん 【事業報告】
2020年度指導者育成プロジェクト参加者 木本拡志 
     〜1年間育成プロジェクトひーちゃん学びのコラム〜


4月の研修報告  →  研修担当バズのふりかえり
5月の研修報告  →  研修担当バズのふりかえり




 5月育成プロジェクトひーちゃん研修報告

●5月を過ごして
 5月には、こどもと相談員が全員で協力して作業する機会が2回ありました。ゴールデンウィークの連休中に全員で行った薪作業と、下旬ごろにあった田植えです。
 薪作業では、外に広がっていた大量の薪をトラックに載せる人や割る人、積んでいく人などに分かれて作業しました。大量の薪を見たときや、最初トラック一杯に積み込んでもなかなか減らなかったときには、設定していた3日間で終わるのか不安に思いましたが、同じ班の人たちだけでなく、別の作業をしていた人たちとも声を掛け合って全員で作業をし、2日でほとんどの作業が終わったときにはチームで作業に取り掛かることの強さを感じました。母屋前などに綺麗に高く積み上げられた薪を見たときには大きな達成感がありました。
 田植えでも、手で植えるところと田植え機を使うところで分かれての作業でした。合計で20アールの広さは、算数で数字として学ぶだけでは全然想像が足りていなかったと感じるほどでしたが、息を合わせて午前中に全て終わったときにはとても驚きました。踏むと深くまで沈んでしまう土の中で足を踏みしめながら進むため、普段なかなか使わない力を使った分終わった後には疲れ切ってしまいましたが、全員で一列になって一歩一歩進んでいく田植え作業は進み具合が分かりやすくて、面白く爽快でした。
 どちらも一人では終わるまでにいつまでもかかり、最終的には諦めてしまうような作業量ですが、全員で取り組むことにより楽しみながらできたように思います。また、全員が目標に向かって一致団結して取り組んだことでずっと早い時間で終わったのだと感じます。協力して作業に取り組んだ時の力の大きさを強く感じました。

●4月の振り返りから意識したこと
 5月は、4月で出た「いろいろな人と話をする」、「挨拶をする」ということを特に意識して過ごしました。「いろいろな人と話をする」ことについては、話しかける前に話題を見つけられなかったり、いろいろと頭の中で考えたりしてしまい、自分から話しかけるタイミングを逃してしまうことがよくありました。また、簡単な相槌しかできなかったこともあり、会話を広げることが苦手だと感じました。「挨拶」は1対1ですれ違ったときや朝の挨拶など、挨拶をする場面で意識して挨拶をするようにしました。そのため、1対1では必要な声の大きさで挨拶をすることができたと感じますが、何人かいる場で声を出すときにはまだ緊張してしまい、何を言えばいいか分からなくなって声が小さくなってしまいました。いずれにしても、話をしようと意識したときや、話す相手の人数が多くなるときに自信がなくなってかえって声が少しずつ小さくなってしまっていると思いました。だいだらぼっちのこどもの話し合いだけでなく、朝のミーティングやいってきましたでの話合いなどいろいろな人と話をしたり、全体に伝えたりする場面が多くあるので、その中で練習していきたいと思います。その際は、それぞれの場面によって相手の年齢が違うということもあるので、相手によって伝わりやすく伝えることを意識したいと思います。そのためにはしっかり伝えたいことをしっかり準備することが大事だと思うので、意識していきたいと思います。
 ただ一方で、こどもと話し合いをしたときに、静まり返っていたり、相手に伝えたりする場面で必要以上にしゃべりすぎてしまうことがありました。自分の考えたことはその場で伝えていたことで、こどもたちの考えを狭めてしまっていたということを言われて初めて気づきました。人によって考えるのに必要な時間が違うので、こどもたちが自分の考えを広げられるようにするためには、こちらでは分かっていても、「今は何を考えている時間?」などと質問を投げかけたり、自分の考えを伝えるとしてもこどもたちが十分に考えられるくらいの時間をおいて話すようにしたりすることが必要だと思い、今後の話し合いへの参加の仕方として考えたいと思いました。

●6月に向けて
 2カ月を過ごしていろいろな方たちとの生活に少しずつ慣れてきたことで、私が他の人とのコミュニケーションをとる上で得意にしていることと課題となっていることが見えてきました。今後こどもと関わる仕事に就いたときはもちろんですが、どの職業に就いたとしても、人と関わり、自分の意見を伝えることは欠かせないことだと思います。その時に自分の意見をしっかりと、相手が分かりやすいように伝えることができるよう、今後の生活の中で意識して練習していきたいと思います。


□ 5月研修担当バズのふりかえり 

スタッフ・ばず自然と密接にある泰阜村の暮らしは、力を合わせること、頭をひねることが様々な場面で求められます。ボタンを押せばパッと変わるものではなく、時間と人手をかけて一つひとつ終わらせていくからです。薪の作業や田んぼ作業は一家の大仕事。家族みんなで作業することは今の社会ではほとんどなくなってきていると思います。お父さんやお兄ちゃんが重い薪が持てること。お母さんや妹たちが丁寧に稲を植えられること。作業を通して一人ひとりの個性や力を持ち寄ることで乗り越える一家の大仕事は、本当の意味での力を合わせるということを体験できる場になったのではないでしょうか。ひーちゃんが感じた一体感や達成感はそうした個性のデコボコを埋め合ったり、一人一人の新たな一面が垣間見れることによって、満ちていったのだと思います。ひーちゃんが課題にしているコミュニケーションについて。ひーちゃんが振り返りの中で一言「一週間が早すぎる」といっていました。それは日々の暮らしが充実しているからでしょう。暮らしの中でコミュニケーションは必然に生まれます。知らず知らずのうちに、課題は達成されているのかもしれませんね。次の課題が出てくることに期待します。


 4月育成プロジェクトひーちゃん研修報告

はじめに

 私が育成プロジェクトに参加することに決めた理由は、自分と向き合い、今後どうしていきたいかを考えたいと思ったからです。小学生の時から教師になりたいと思い続けて大学を卒業しましたが、なりたいという気持ちだけが先行し、「なぜ教師になりたいと思ったのか」と聞かれた時に胸を張って答えることができませんでした。それ以降、私は「将来こどもと関わる仕事をしたい人として何をしたいのか」「こどもに何を伝えたいのか」を考えるようになりました。
 そんな私にとって山賊キャンプは、たくさんのことにチャレンジしながら自分自身のことを見つめなおす大きなきっかけになりました。大学生の時に山賊キャンプを知ってボランティアとして参加したときに、スケジュールからごはんのメニューまでなんでもこどもたちと話し合って決めるキャンプに驚き、その後も参加し続けるたびにそれぞれのこどもたちの色々な姿を見てたくさんのことを考えさせられました。昨年の夏に長期ボランティアとしてキャンプに参加した際には、自分の発する言葉次第で自分の考え方も大きく変わることを学び、キャンプに参加するたびに自分のことを少しずつプラスに考えられるようになることで、自分自身と向き合うきっかけになりました。
 この経験から、一年間、こどもたちと一緒に様々なことにチャレンジしていく中で、他の人と話し合い、いろいろと考えていくことを通して、私が一番大事にしたいことが何なのかを見つめることができると考えました。たくさんの人たちと生活をする中で、私がやったこともないこと、避けてしまっていたことがどんどん出てくると思います。その時、怖気づかずにどんなことでもどんどんチャレンジしていくことで自分のことを見つめなおしていきたいです。


4月を過ごしてみて

 1か月を暮らしてみて、毎日が瞬く間に過ぎていきました。短期事業部の一員として、放課後児童クラブいってきましたなどの毎日のやることや、こどもとの生活の中で、毎日が学びになり、新しい発見もたくさんありました。例えば、料理は今まで機会がなければほとんどしてきませんでしたが、当番として毎週入るため、その度にチャレンジになり、その中で野菜の切りやすい切り方から味付けの仕方など、多くのことが学びになっています。また、周りには木などのいろいろな植物があふれていて、針葉樹と広葉樹で薪としての燃え方に違いがあること、針葉樹と広葉樹の見分け方、周囲に生えている食べられる植物など、私の身の回りには今までに考えたこともなかったことや知らなかったことがたくさんあることに気づきました。中でも、タンポポの花を使った染物の活動を通して、身近な植物を使って染料としてきれいな色をつけることができ、工夫次第でいろいろな模様をつけることができることに感動しました。
 そんな生活の中で、私の課題として感じたことは、他者との距離感がうまく取れていないことと、自分のルールに縛られて、まだチャレンジする前に少し躊躇ってしまうことです。
 他者との距離感については、関係性が遠いと必要以上に距離をとってしまう一方で、話すようになった相手や、距離を詰めようとしている相手には近づきすぎてしまう面があることに気づきました。新型コロナウイルスの関係である程度の距離感を保って話をすることになった中で考えることでさらに強く感じました。新しい生活の中で、距離感を意識しすぎていたり、逆に考えが足りなかったりしたことがあるように思います。誰を相手にするときにも、一人の人として関わっていくことを意識することが必要だと感じました。
 チャレンジについては、以前と比べて、やってみたいと思うことは増えたものの、自信があまりないことに挑戦する時には、一歩を踏み出す前に少し躊躇ってしまうことがありました。例えば、こどもが探検や散歩で出かけるときに、「ここに行っていいの?」と足を止めてしまったり、「一緒にやろう」と誘われた時も、「できるかな」と不安になって決心するまでに時間がかかってしまったりすることがありました。去年の長期ボランティアを経て少しずつ自信がついてきたとは言っても、まだまだ行動に移せるほどに自信がついたわけではないと感じました。小さなことでもチャレンジできるものを探してどんどんチャレンジしていき、少しずつ自分の自信につなげていきたいと思います。


5月に向けて

 一カ月を通して見えてきた課題を解決するために、自分から積極的に話しかけていきたいと思います。いろいろな人と話をする中で、距離感や人との関わり方を見極めていきたいです。その基本として挨拶があると思うので、自分から挨拶することを特に意識していきたいと思います。また、自分がこの一年間で特にチャレンジしたいことを見つけ、計画を立てて行動に移せるようにしたいです。自分が何をしたいのかを見極めるためにも、今はチャレンジの機会を逃さず、一つ一つのことに真剣に向き合っていきたいと思います。



□ 4月研修担当バズのふりかえり 

スタッフ・ばず振り返りの中で、日常の中にある発見や感動とともに、こどもたちをうまくまとめようとするあまり、大人という自分自身が前に出過ぎていたように感じるとの話がありました。反省の弁を述べる場面も。しかし、こどもたちや周りのスタッフ、人と向き合うことに正解はありません。言うべき時は言わなければならないし、大人だって間違ったことをすることもあります。そこから何を学ぶのか。不安は誰でもあることです。そこから一歩踏み出せるかどうかがとても大切だと思います。ここで1年間学ぶということを決めたひーちゃん自身の大きな一歩を信じてたくさんのことがある1年を進ん歩んでいって欲しいと思います。


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