やすおか暮らしを楽しむ会「てまひま」 伸し餅とお年とりのお汁づくり

村の子育て世代が集まり、やすおか村の暮らしを楽しむ会、「てまひま」。2019年度3回目はこの時期定番となりつつある「伸し餅づくりとお年とりのお汁づくり」です。今回は27名が集まりました。

まずは餅つきから。全部で6升。約8.5kgのもちをつきます。

大人でまずはしっかりとつぶします。ここを手早くつぶすことでお餅のおいしさが変わってきます。しかし後ろでこどもたちが早くやりたい!と待ち構えています。

そしてやっとこどもたちの出番です!

ひとりでチャレンジする子や。

お母さんの手を振りほどき、双子でがんばったり。

お母さんと一緒にと、それぞれの精いっぱいの力でお餅をつきます。正直、小さなこどもの力ではお餅はつけませんが、「自分がついた!」という経験がこどもたちの心に残るもの。原風景となる大切な時間です。

最後は大人でつきあげます。おおよそ20分程度。なるべく熱いうちにつくことがおいしいお餅の秘訣。

ついたお餅を薄く延ばして完成です。おうちに帰って外や冷蔵庫で冷やしてから包丁で切り、冷凍庫で凍らせて完成です。

その後はお年とりのお汁づくりです。やすおか村では年越しのことを「年とり」といい、その時に食べるのがお年とりのお汁。泰阜村定番のもので、これを食べると「お正月だ」と感じるそうです。だいこん、にんじん、さといもなどの野菜のお汁に細切り昆布が入っているのが特徴です。今回の講師は松下みねこさん。各家庭によって野菜の切り方や味つけが違うので楽しみです。

こどもたちは外で遊ぶのかな?と思ったら、料理をやりたい!とやる気満々。初めての包丁にチャレンジします。

やりたい気持ちが先走り、様子を見ている大人はドキドキしました。それでもてまひまに何度も参加してきたこどもが、これまで興味を持たなかったことに興味を持ち、「やってみたい!」という様子に成長を感じます。

ついたお餅とお汁でいただきます!

お汁の味付けはなんと出汁と醤油のみだそう。でも野菜の味がしっかり出ていて驚くほどおいしかった!参加者の方もみんな驚いていました。
松下みねこさんに、やすおか村の年とり(正月)についてのお話しを伺います。やすおか村ではおせち料理は大晦日に食べて、元日はこの汁にお餅を入れてお雑煮にして食べる程度で、とにかく元日はあまり手を掛けないようにすることや、この日は男性が料理や片付け、お茶を出すなどお家の仕事をやるのが風習だそうです。
泰阜村に嫁いできた方もいるので、知らなかった話にみんな興味津々です。「うちでもお父さんにやってもらおうかな?」という言葉にみんな深く頷いていました。

最近では村の方も臼と杵で餅つきするよりも、機械のお餅つきを使うことがほとんどだそうです。やはり臼杵の準備や片付けのことを考えると、機械でやればはるかに楽です。
でもこうやって大勢集まってみんなで作ると、準備も片付けも楽ですし、なにより「みんなのおかげ」が強く感じられます。私もお餅が大好きですが、家族だけでやるかと言われれば、かなりハードルが高くなります。
「大変なことを持ち寄りでやる」。そんな雰囲気と、気軽に集まってくれる方たちがいるのがとても楽しく、うれしいことなのです。

今回都市部から参加された方は、「縁もゆかりもない私を自然に受け入れてくれて、とても居心地の良い場所に本当に感動しました」と感想を話されていました。てまひまをはじめて4年。当初思い描いていた風景が少しずつ現実のものとなっています。

泰阜村のつながりと豊かさを知る「てまひま」。次は2月に恒例となった「おみそづくり」をします。
ご興味のある方はぜひお越しください。

※泰阜村役場村づくり振興室にお問い合わせください。