未来の指導者育成~飯田女子短期大学とのリスク管理実習~

地元の短期大学の学生が2週にわたり、実習にやってきました。彼女たちは保育者を目指しており、今回は「こどもたちと川遊びするにはどうすれば良いか」を学びに約50名の学生が2日に分かれ参加しました。今後指導者になる彼女たちに「こどもの安全を守る」ということを体験を通して学んでもらうための1日でした。

そうはいっても、彼女たちは普段から自然の中で遊んでなどいません。そうした中でこどもたちを遊ばせても、楽しさやこどもが感じることがわからなかったり、危険なことについて想像ができないのです。なので午前中は、田んぼに入ったり、川遊びをしたりと体験することから始めました。

入り始めると次々と悲鳴が。「足になんか触った!」「カエルやオタマジャクシが気持ち悪い」「泥はいいけど田んぼはムリ!」など反応はさまざま。もちろん何事もなくひょいひょいと歩く子もいますが、大半の子は入るのに躊躇している様子でした。今のこどももそうですが、汚れることがニガテな子は多くいます。しかし、自然の中での活動は、そもそも汚れることが大前提だし、予測できない生き物との出会いも当然あります。今の日常が整い過ぎて、「きれいであること」「想定内であること」が当たり前になっていますが、汚れるということはたくさんのものに触れ感じる、つまりは五感を発達させることに繋がり、予想外の生き物との出会いは多様性を感じる機会になります。そうしたことを、教室ではたくさん勉強している彼女たちは、「昔は大丈夫だったのに今は気持ち悪い…」「意外と楽しかった!」「この虫卵背負って泳いでる」などたくさんの体験をしたようです。

そのあと、実際にこどもたちが遊んでいる川で遊び、今度はグリーンウッド自然体験教育センターへ帰ってきて研修。

こどもたちが川で遊んでいる映像を見たり、実際にこどもたちが活動するときにどのような危険なことがあるか。それに対する予防はどのようなことができるかなど考え、発表し合いました。「川の危険」という同じテーマで考えていても、内容は十人十色。それぞれの視点から危険なことに向き合い、対処を考えることができました。最後の振り返りでは「自然の中での活動は、保育園や幼稚園の中にいるときとは危険の重さが全然違うと思った」「楽しいばかりの感情では言い表せない、良い経験ができた」「こどもたちの主体的な活動を行うためには、大人のサポートや危機管理がとても大切になると考えた」といった感想が出てきました。

何もこどもの安全を守る必要があるのは自然体験活動の場だけではありません。保育園や幼稚園、学校で働いていても必要になってきます。そうした時に試されるのが、「自分で危険なことを考えられ、対処する力」ではないでしょうか。これから指導者になっていく彼女たちに、そうした力を少しでも伸ばしてもらう。そんな研修をした一日でした。