村長がこどもたちを表敬訪問??? ~泰阜村長が、6期24年の任期を終えて、今日、退任する~

山賊キャンプに、泰阜村の松島村長がやってきた。
自然と共に生きる意義、そしてここで遊べる平和の大事さを、こどもたちに話しに来てくれたのだ。
1か月半続く山賊キャンプの期間中、たった1日のサプライズである。

ちょうどこのコースには、熊本地震で被災した南阿蘇村のこどもたちも参加していた。
当然のことながら、村長は激励もしてくれた。
こどもが役場に表敬訪問するのではなく、村長がわざわざキャンプ場のこどもたちの所に来てくれるところが、なんとも素敵ではないか。

▼常にこどもたちに寄り添う松島村長

「泰阜村は、度重なる被災のたびに、息の長い支援を続けてきた。今回もそのひとつ。大地震で怖い思いをしただろう。ここでは余震の心配もない。思いっきり、泰阜の夏を楽しんでほしい」
村長は、こう励ました。

熊本のこどもたち招待の費用の一部は、村の年度当初予算に予算化されている。
3年目の支援を、この村長は即決してくれた。
そして、その決断を、村民が支持する。
まさに「支え合い」の村である。

▼熊本から来たこどもたちと共に

松島村長は、24年6期の任期を終えて、今日8月10日に退任した。
私は1993年に大学卒業してすぐ泰阜村に来た。
その翌年の94年の村長選で、彼は村長になった。
実に43歳の若さだった。
人口1600人余の小さな山村の住民が、自律(自立)に向かって誇りを取り戻したのは、間違いなく彼の功績だ。
在宅福祉を村の根幹政策に置き、ひとりひとりを最後の最期まで尊重するという風土を築きあげてくれた。
その土台があるからこそ、自己決定と支え合いを基調とするキャンプや山村留学など教育事業の質が深まるのだ。

キャンプ場での全国らか集うこどもたちへの言葉が、村長としての彼の言葉を聞いた最後になった。

小さな村が発揮する、強烈なまでにやさしいソコヂカラが、山賊キャンプのこどもたちの身体に、確かに流れた。

代表 辻だいち