鹿児島から学生がやってくる ~南国に泰阜村の教育力が届く~

信州こども山賊キャンプのボランティア研修会を、なんと南国:鹿児島で開催。
昨年に引き続き2回目。
鹿児島大学の学生の積極的な想いが、史上初のそれを可能にさせた。

昨年度から、鹿児島大学の「自然学校へ行こう」という直球の授業にゲストでよばれている。
鹿児島大学演習林の先生が担当する授業だ。
この先生(井倉先生)自身も演習林の地元集落の皆さんと自然学校を運営しているからオドロキである。
この授業は、九州内の自然学校運営者がゲストで登壇するのだが、昨年から私が九州以外から招聘する唯一の講師になっている。

▼これは昨年の様子

一昨年、この授業を受けた学生が、何を感じたのか信州こども山賊キャンプにボランティア参加してきた。
新規ボランティアの人には、必ず東京か名古屋での研修を義務付けている。
さすがに鹿児島からでは負担だろうと想ったが、しっかり参加してきた。
それだけでもオドロキの行動力だが、ボランティア自体を大学のインターンシップに位置付ける手続きもしてきたからまたビックリ。
われわれもその熱量にほだされて、キャンプボランティアだけではなく、NPOグリーンウッドの他の事業への参画や泰阜村民との交流など、インターンシップの質が高まるように協力した。
秋に熊本で開催した、熊本から招待したこどもたちのための想い出会(信州こども山賊キャンプ参加者の報告会)にも、鹿児島からスタッフとして参画もした。
何度も何度も、想いと身体が往復することを通して、その学生の学びは増幅されたのだろう。
昨年、再び私はこの授業に呼ばれた。

その際に、信州こども山賊キャンプのボランティア研修会を、鹿児島で開催することにしようとなったわけである。
そうなれば、鹿児島はもとより九州の学生たちの、研修会に係る負担を減らすことができる。
それはそうなのだが、果たしてこの学生以外にそんな積極的な想いを持つ学生がいるかとも心配だった。
昨年、8人の学生が研修会に参加し、そして実際にキャンプにも来てくれた。
これは驚きの数字だ。
東京や名古屋から多く集まるボランティアえであっても、ひとつの大学から10人以上も参加するのは、数えるほどしかない。
それがこの遠い遠い鹿児島の地からなのだからなおさらである。
長い歴史を持つ山賊キャンプだが、東京と名古屋以外で研修会を開催するのは初めてのことだった。
それを決断させる学生の熱量と、それを支える大学側の包容力に、私は決断した。

▼そしてこれが今年の様子

そして今年。
私はまたこの講義に呼ばれた。
3年連続で。
そして同じように、今年も研修会を鹿児島で開催。
7人の学生が集まった。
鹿児島で2年連続で開催できるとは思ってもみなかった。
学生と大学の、次につなげる想いに素直に脱帽である。

研修会もさることながら、その後の懇親会もよかった。
昨年キャンプに参加した学生も来てくれた。
もう2年も3年も付き合っているから、いろんな悩みごとの相談にも乗った。
尽きせぬ想いを語り合う1日となった。

鹿児島は確かに遠い。
しかし遠いというのは、関わりをあきらめる理由にはならないのだと、改めて学生たちから教えられる。
一昨年に海を渡って山賊キャンプに参加してきた学生は、今年、NPOグリーンウッドに就職した。
泰阜村の教育力が南国の若者に届いた。
この学生たちと、山賊キャンプを創れることを、シアワセに想う。

代表 辻だいち