仕事と私事の間?田んぼの草取り

グリーンウッドには2つの田んぼがあります。ひとつは山村留学「だいだらぼっち」のこどもの田んぼ。もうひとつはスタッフが管理する「大人田んぼ」です。特に大人だからこどもの田んぼを手伝わないとか、大人田んぼはこどもは関係ない、といったことはありません。あくまで責任もってやる田んぼが大人とこどもそれぞれあるということです。

そんな田んぼも除草剤を使わないと、あっという間に雑草だらけになってしまいます。こどもたちは土日を使ってせっせと作業しますが、大人の方はそうはいかないもの。そこで始業前の朝7:30から1時間ほど、手が空いた人で草取りに行ってきました。

この「八反どり」という機械を使って、稲と稲の間をかいていくのです。

まだ雑草も小さいのでこれでガシガシとかいていくと、みるみる雑草もいなくなります。一番最初の写真を見ると右側が八反どり後、左側がこれからのところです。わかりますか?

この作業も一回やったら終わり、ではなく雑草が出るたびに行うので結構大変です。しかも最盛期は夏キャンプ中となるので、スタッフだけでは手が回らず、お手伝いに来た方の手も借りてなんとか行っています。
これだけやってもとれるお米は600kgくらい。だいだらぼっち4か月分に満たないこともあります。(こどもたちの食欲次第ということも)
食料を生み出すということは手間もヒマも時間も自然の力も借りなくては成り立ちません。「お米一粒には七人の神様がいる」といいますが、体験してみてその意味が少し理解できるようになりました。

さて、この田んぼ作業は仕事なのか?と問われると私たちにとって難しいもの。始業前にやるのは負担と言えば負担ですが、村に住む多くの人たちは、普通の仕事をしながら田んぼを育てているので、当然土日に同じような作業をしています。
草刈りも同じです。施設の周りの草刈りは相当の重労働ですが、自分の家の周りを刈ることは仕事ではありません。

そんな仕事と私事のあいまいなものを積み重ねていくのが、暮らしなんだなとつくづく感じます。そもそも「お金を稼ぐ」だけが仕事ではないのです。

「梅がいっぱいあるから取りにおいな」と声をかけられて、だいだらぼっちのこどもたちがたくさんの梅をいただき、梅ジュースを作っていました。雑草もたくさん生やしますが、こんな豊かな恵みも与えてくれるのが自然です。そんな営みを重ねることに意味があるのかもしれません。