高校生のみずみずしい感性に驚く ~環境省・愛知県のジョイント事業に呼ばれて~

年度末の忙しい時期に名古屋に行きました。
中部EPOに呼ばれたのです。
「中部EPO」とは聞きなれないでしょうか。
中部環境パートナーシップオフィスのことです。
北海道、東北、中部、近畿など、環境省が全国のブロックに設置しています。
詳しくはこちらにアクセスください。→ 中部EPO

その中部EPOから「どうしても来てほしい」とお願いされ、ちょっと前後の日程がタイトだったのですが、趣旨に賛同して行くことにしました。
なんでも、愛知県内の高校生が一堂に会するから、そこでアドバイスというか助言のコメントをしてほしい、とのこと。
ここ数年は、大学生に伝える場面は飛躍的に増えているのですが、高校生とはそこまでの接点がなく。
高校生がどんなことを考えているのかにも興味がありました。

この1年をかけて、愛知県内の5つの高校が「環境」を切り口に、地域を見つめる活動を展開したそうです。
その活動報告も含めて5校が一堂に会し、高校生同士でディスカッションやワークを行うというもの。
これら一連の活動を、愛知県や中部EPOが支えた、ということです。

で、なぜ私が呼ばれたか、ということです。
この活動は、泰阜村とNPOグリーンウッド、そして泰阜村民が協働で進める「泰阜とねる大学」を参考にした取り組みなんだそうです。
「ひとねる大学」とは、小さな村と大学が真剣に力を合わせ、2年~4年かけて学生を育てる仕組みづくりの挑戦です。
会場に行ってすぐに「辻さん、ありがとね! 参考にしたの!」と中部EPOスタッフから言われて、???でした。
その???が、時間の経過とともに「なるほど」という想いに変わっていきました。

昨年度の「ひとねる大学」は、中部EPOとも協働スタイルを構築して実施しました。
名古屋短期大学の学生が2年かけて泰阜村で学び、その学びを愛知教育大学の授業でアウトプットして、短大生と4大生が意見交換をする場を創りました。
簡単に言いますが、短大生が4大生の前で発表するのはなかなかできることではありません。
それを可能にしたのは、泰阜村の学びの質の深さだと確信しています。

その場での学生同士がインスパイアされるところを目の当たりにした中部EPOのスタッフが、そこを参考にしたようです。
高校生同士が、自らの活動をアウトプットし、意見交換して得る学びが、どのようなものなのか。
そしてその学び合いが、何をもたらすのか。

高校生同志の発表と触れ合いを見ていましたが、そのみずみずしい感性に驚きます。もちろん、お世辞にも発表のスキルが高いとは言えません。
しかし、そこに込められた思いやそれぞれの地域での活動の積み重ねは、ウソをつきませんね。
私はアドバイスにもなりませんが、次のようなことを語りかけました。

地域の環境や歴史、風土、人の営みから離れた活動はきっと支持されない。
今日、発表された活動は、君たちの足元をしっかりと見ている活動だっただったので感動した。
君たちが獲得した知識を自分のものだけにしないで、世のため、人のため、地域のため、地球のために使って初めて意味があるんだ。
自分のちょっとした言葉が周りの高校生にすごい影響を与えるかもしれない。
だから、自分が紡ぎだす小さな言葉を侮ってはいけない。
逆もそう。
周りの誰かがつぶやいた少しばかりの言葉に、ハッとさせられることがあるでしょ。
ぜひ培った学びをオープンにしてください。

長野県の高校生とも向き合っていきたいな。
そんなことを感じた時間でした。
さあ、とっとと信州に帰らなければ!

代表 辻だいち