希望の空は廣がっていく ~14人の卒業生を送り出す小さな村の想い~

先週は長女で最後のこども(中3)の卒業式。
暮らしの学校「だいだらぼっち」のこどもも2人います。

小さな村にひとつしかない中学校。
この村の教育尊重の営みを積み重ねてきた歴史が滲み出る、とても素敵な式となりました。
高校がないこの村。
卒業生は、近隣自治体の高校へ通いますが、県外や地域外へと旅立つ子も。
巣立つ子どもたちにも送り出す村民にも覚悟が求められます。

村長が祝辞を述べます。
「前向きに生きよう。どんなに苦しいことがあっても、前向きな気持ちを持っていれば、きっと生きていける」
14人に対して贈った言葉です。
「生まれた時から村長さんだった」
と、14人は口をそろえます(笑)
それにしても驚くのは、卒業生の成長を本当によく知っていること。
14人しかいないから当たり前だと想うだろうが、それは実は並大抵のことではありません。
部活の中体連に応援に来た際の一瞬一瞬、村政への提案(議会)でのこどもたちの一言一言、体育の授業に教えに来た際のこどもとの雰囲気、実によく覚えています。
※実は、泰阜中の武道は「弓道」を採りいれていて、村長は弓道の指導者でもあります。
村民ひとりひとりへのやさしくも強いまなざしを持っているからだろうと、僭越ながら感心してしまいます。
村長、本当に、ありがとうごさいます。

長女は14人しかいないクラスでよくがんばりました。
その想い出が蘇り、やっぱり目頭が熱くなります。
そして、長女と一緒に時間を共にした級友たち一人一人に、「ありがとう」と心のなかでお礼を言いいました。
来賓も保護者もむちゃくちゃ多い卒業式。
この村の教育力が、確かに彼女たちに注ぎ込まれています。
素敵な仲間と素敵な村の人々に囲まれて、長女はホントに幸せものです。

最後に、とても歌詞が長い泰阜中学校の校歌を紹介します。
混成3部合唱の素敵な校歌です。

仰ぎみる山山 山山に移る山山の影
心に刻む日日の山襞 人に親しい大峰山
安らかな分外山よ 姫小松の緑はゆかしく
山山を廻る山路は集落を結んでいる
山懐に人人を結んでいる
年毎に綾なす秋を過ごし 険しい冬を忍び
名古屋かな春を告げる片栗の花
夏には芳しい山百合の花 山路を下れば
清らかな萬古川 滔滔たる天竜川
谷間に立籠める霧の深さ 山山を隠し
山山を見せる 霧の美しさ
盛んなる自然のなか 貴い自然の高みに
志の旗ははためく われらの
優しい學び舎よ 學び舎よ
仰ぎみる山山 山山の峰の彼方 遥かなる國の彼方へ
希望の空は廣がっていく 廣がっていく

14人のこどもたち、卒業おめでとう!

代表 辻だいち