次世代を担う教師を育てる一年間の教師・指導者育成プロジェクト

育成プロジェクト・あっきー 【事業報告】
2013年度指導者育成プロジェクト参加者 奥村 彰良 
     〜1年間実習生あっきー学びのコラム〜


4月の研修報告研修担当ばんのふりかえり

5月の研修報告研修担当みけのふりかえり

6月の研修報告研修担当ぱるのふりかえり

7・8月の研修報告研修担当もーりぃのふりかえり  

9月の研修報告研修担当おぐのふりかえり

10月の研修報告研修担当のりのふりかえり
   
 ★11月の研修報告研修担当たまのふりかえり

 ★12月の研修報告研修担当つぅのふりかえり

 ★1月の研修報告研修担当にっきのふりかえり

 ★2月の研修報告研修担当なおみちのふりかえり

 ★3月の研修報告研修担当ばんのふりかえり



 3月育成プロジェクトあっきー研修報告

だいだらぼっちを終えて

 2013年度引継ぎ会も無事終了しました。こどもたちも一人一人家に帰り今年度のだいだらぼっちが幕を閉じました。今、ようやく終わったのかと感じています。実は引継ぎ会の当日にこれでみんなとお別れだという気持ちがありませんでした。むしろ、秋のだいだらぼっち祭りと同様に大きなイベントの通過点で、これからもみんなと暮らしが続いていくような気がしていました。しかし、引継ぎ会の最後に「呼びかけ」という一人一人に一年間の気持ちを伝えた時、なぜか涙が溢れでました。涙が出た理由を上手く説明できませんが、まだまだ暮らしが続いていくと思っている反面、これで終わるんだという気持ちもあったのかもしれません。
 全てが終わりいつも散らかっている部屋もすっかり空っぽになりました。一部屋ずつ見てまわり初めて、終わったと実感しました。同時に寂しさも覚えました。そして、ひとり一年間を振り返りながら色んなことを思い返しました。
本当に楽しく充実した一年、ここへ来る選択をして良かったと心から思っています。

成果

 この一年間の成果は目に見えるものから、見えにくいものまであります。それはまるで一本の木のようです。料理や風呂焚き、ギター、コミュニケーション力、などは枝や葉っぱ。本質を見る力(物事の大切なことを見極める力)は木の幹。そして一番大きく根っこに関わる部分が「暮らしの原点にこそ学びがある」と知ったことです。どれもこれもとても大切です。その中でも「暮らしの原点に学びがある」と分かったことは今までの自分にない視点でした。とても便利な時代に薪でお風呂を焚いて、お米も自分たちで作る。とても面倒なことですが、本来人はそうやって生きてきました。そこから考え知恵を振り絞ってきました。考えなくてもやっていける時代に暮らしの中で考える大切さを知ったことが私の大きな成果です。
 私の成果の木は一年間で根っこを伸ばし沢山葉っぱをつけました。しかし、まだまだ木が小さいことも事実です。だいだらぼっちでの暮らしが大きな成果として現れるのは20年後30年後だと思っています。人間の本質的成長はすぐに現れるものではないのでそれでいいと思います。だからこそだいだらぼっちで得たことは大きいのです。

これから

 成果をどうこう言ってもここからがスタートなのは間違いありません。今はだいだらぼっちで発見した、なりたい自分を目指して頑張っていこうと決めています。そのためには「当たり前のことを当たり前にする」に尽きます。
 最後になりましたが、学びの環境を提供してくれたグリーンウッドスタッフ、温かな目で見守ってくださった保護者の方、そして一緒に暮らした17人のこどもたちに深く感謝します。本当に一年間ありがとうございました。



□ 研修担当ばんのふりかえり 

スタッフ・ばん 私があっきーと振り返りを行ったのは4月、ですので正に1年振りの振り返りとなりました。そこでまず率直に感じたのは「あっきーの目、顔つきが全然違う。」ということです。
あっきー自身も口にしたように、「ここに来たことで得られた変化はうまく言葉にできない」ものです。
それでも、あっきーはこの1年で確実に大きく成長しました。それを裏付ける多くのチャレンジ、失敗、苦悩、そして成功を経験し、その過程の中でたくさんの人と関わっています。そしてそれらは他人から与えられたものではなく、だいだらぼっちのこどもたち同様、自らが選び取り、また生み出していったものです。
あっきーの顔つきの変化はそうした主体的な暮らしに基づいたものでしょう。そして、4月から学生生活に戻るあっきーは、これからに向けてますます意欲を高め、視野を拡げ始めています。この泰阜村からは遠く離れますが、あっきーのこれからの姿が本当に楽しみです。


1年間のチャレンジをお勧めするワケとお勧めしないワケ
 この「1年間の指導者育成プロジェクト」を通した成長は本当にすごい。アッキーの姿を観て、担当者ながらこれが正直な感想です。プロジェクト…というより、このだいだらぼっちでの暮らし、こどもたちと本気で向き合うこと、そして泰阜村での暮らし、地域の方々との関わり、そこから得られるものの可能性を改めて実感しました。
 人はその身を置く環境で大きく成長できます。ですが、そのためには場の力だけでは不十分です。必要不可欠なのものは、本人のやる気、1年間の暮らしにチャレンジする覚悟です。それが無ければただ過ぎ去っていくだけの1年になるでしょう。
 ですので、「ここに来て自分を変えてもらいたい。」と受け身で来る方の申し出はお受けできません。それはお互いにとって本当の成長、将来の幸せにつながらないからです。
 あっきーの様に、1年間何度も悩みながらも、「自分を変えよう。」「こどもたちにとって何が一番良いのだろう?」とひたむきに頑張り続ける覚悟を持った方の挑戦を楽しみにしています。
 私事になりますが、あっきーがここで1年間頑張ってきた姿は自分自身にとっても大きな学びになりました。また、だいだらぼっち家族の一員として居てくれたことは、他に替えることのできない幸せでした。
あっきー、ここに来てくれて本当にありがとう!!そして1年間ホンットーによく頑張った!!
これからもお互い楽しみながら頑張ろう!!



 2月育成プロジェクトあっきー研修報告

こどもと楽しむ

 だいだらぼっちの生活も残すところ2週間となりました。今は一年のまとめである引き継ぎ会に向けて準備を進め、全体で練習をしています。その一方で冬山登山に行ったり、雪遊びをして、冬のイベントを大いに楽しみました。絶景だった冬山登山は頂上に登るまでが大変で中々前に進みませんでした。頂上で食べるはずのビーフシチューも疲れて途中で食べました。一番年の小さい子が何度も何度も滑り落ち、もう来なきゃよかったと思ったそうです。しかし、後日一年間をふりかえって、楽しかった思い出に冬山登山を挙げていました。「登るときは本当に辛かったけれど、展望台できれいな景色をみたらやっぱり来て良かったと思った」と言っていました。それを聞いて素直に嬉しかったです。
 もちろん山頂での絶景は素晴らしかったですが、こどもが頑張って登っている姿や山に向かう車内で騒いだことの方が印象に残っています。この一年で沢山イベントがありました。しかし実は印象に残っているのはこどもたちとの生活の些細な出来事です。
 なぜかは上手く言えませんが、おそらく日常生活で絆が生まれ、お互いの事を知れるからだと思います。

大雪

 世間でも大雪だった2月の半ば、泰阜村も記録的な大雪となりました。だいだらぼっち一家も総出で雪かきに明け暮れました。私が育った場所は雪が積もる事が少なく、ましてや雪かきなどの習慣がありません。徐々に屋根が傾き、車が埋まり、道路さえ見えなくなる光景に驚きました。だいだらぼっちでは施設周りの雪かき部隊、近所の雪かき手伝いに分かれました。スコップやトンボ、鋤簾などあらゆる道具を持ってとりかかります。いつもお世話になっているおばあちゃんの家は当たり前。村全体で助け合いながら雪かきをしました。
 恐しい大雪で集落孤立の緊急事態にもかかわらず、みんながいるからちっとも怖くありませんでした。むしろ、こどもたちが頼もしく頑張っている姿は村の人たちも元気づけたようです。村の一大事には村民の力を持ち寄り乗り越えました。改めて持ち寄りの心、村の底力に気がついた経験となりました。

3月に向けて

最後の月に改めて何かするという目標を設けるよりも、今までのことを振り返りながら過ごす事が大切だと思います。



□ 研修担当なおみちのふりかえり 

スタッフ・なおみち 2月は「登り窯で中継ぎの役割であるアンカーとして、交替で行う当番をつなげてこどもたちが主役となれる手助けをしたい」と言っていたあっきー。4泊5日の長い窯たきを責任もってつなぎました。冬ならではのビッグチャレンジや、大変な苦労も味わいました。
 そんな体験から実感としてみえてきた日常の大切さ。協力しなければ乗り越えられなかった大きなチャレンジは、毎日の暮らしの中でどれだけ関係を築けたのかを試される場になったようです。だいだらぼっちでは、きれいごとでは済まない暮らしの中で利害関係をもちながら、長い時間をかけて必然的にお互いのありのままを受け入れあうようになります。それも特別美しいドラマがあるわけでもなく、また逆ばかりでもなく。この淡々とした日常で当たり前につながってきた仲間だからこそ、限界も超えられる力を分け合えたのでしょうね。
 それは「結(ゆい)」が今もなお受け継がれている泰阜村から学んできたことでもあります。大雪というピンチに負けない地域力、その原点こそ暮らしです。
 「楽しかったことって他愛もないことばかりです。」と不思議そうな顔をするあっきーは、時間をかけてこのことをじっくり味わってきたのだと思います。あっきーの先入観のないまっすぐな感性が、その原点をしっかり掴んでいます。コツコツ積み重ねた時間を自信に変えて、あっきーらしく歩んでくださいね。あと残り少ない日々を思い切り楽しもう!



 1月育成プロジェクトあっきー研修報告

馬鹿らしいことでも

 一晩かけてだいだらぼっちから目的地へ行く、通称“一晩ナイトハイク”が決行されました。目的地はだいだらぼっちから27km離れた元善光寺です。夜中の三時の気温は−6℃、最初はワクワクしていたものの徐々に口数が減り、温かかったおにぎりもミルクティーも冷たくなってしましました。まさに修行のようです。寒さに負けまいと走ったり、ゲームをしたりして気持ちを切り替えます。蛍光バンドを体に巻いて、重たい足を前へ前へと進める奇妙な集団は時に、道行く人に好奇な目でみられることもありました。しかし、およそ8時間かけて無事に目的地に辿り着きました。ゴールに着いた達成感はもちろんありました。しかし、何より楽しかったのは帰りの道すがらこどもたちと辛かったことや面白かったことを振り返ったことです。大変だったけれどやってよかったと思えた瞬間でした。
 真夜中に30kmも歩くなんて馬鹿らしいと言えばそれまでですが、こどもが何かをやりたくても、その子に合わなかったり、説明できないと「できない」「ダメ」と判断して好奇心を折ってしまうことは往々にしてあると思います。しかし、とんでもない企画や考えでもそっと背中を押してあげること、一緒に楽しむことが一人一人に大切なことなのでないかと思います。


選択して進む

 冬休みに帰ったこどもたちは来年度もだいだらぼっちを続けるのか、新しい生活をスタートさせるのかという大事な決断をしなければなりませんでした。自身も含めてですが、数ある選択の中からだいだらぼっちにやって来ると選択した時、覚悟と勇気が必要だったと思います。再びやってきた岐路で、全員が4月当初に来たときとは違う意味で決断します。つまり、一年間だいだらぼっちで暮らして知った楽しさ、辛さを含めてどうするかということです。私も同じく選択をしていかなければならない時期になりました。4月から大学に戻ることは決まっていましたが、だいだらぼっちの一年間を踏まえて残りの大学生活をどう過ごしていくかという大切な選択をします。未だに何になりたいのか将来がはっきりしていない不安はあります。それでもポジティブに色んな事に取り組むしか道は開けないと思います。こどもたちの選択を聞いて私も勇気を持って進んでいこうと思いました。


来月に向けて

 自分で考えて動く。当たり前のことを当たり前にする。何度も振り返ってきたので自分がやるべきことは分かっています。あとは実行していくだけです。どこまで継続していけるか、自分との勝負だと思います。


    



□ 研修担当にっきのふりかえり 

スタッフ・にっき 最近のあっきーは、自ら行動できるようになったと感じます。
こどもたちへのアプローチやスタッフの中でのやりとりでも自分自身で判断し行動している姿を見かけます。
 だいだらぼっちでの生活も終盤を迎え、幾分か経験と自信を身につけているのかと思います。しかしあっきーは「自分がどれだけ成長しているかわからない。」と話しています。成長は目で見えるものではなく、「これは成長した!」なんてはっきりと言えることでもありません。あっきーは1月もそうですが、こどもたちとの日々や様々な企画を経て1つ1つ気づきを得て自分の物にしていることは確実です。
 余談でもありますが、NPOグリーンウッドではこどもたちが学校に行っている昼間はスタッフが当番制で昼ごはんを作ります。4月からあっきーと同じ曜日の当番で作ってきました。始めは野菜を切るだけでも四苦八苦していたのですが、炒め物からスタートし揚げ物、煮物と今では何でも作れるようになりました。なぜできるようになったのかは、毎回目的意識を持ち果敢にチャレンジしているからこそだと思います。教師・指導者育成プロジェクトに参加しようと考えたこと、一年間の色々なチャレンジ、絶対に力になっているでしょう。
 あと2ヶ月ここでの生活は続きます。やりたいこと、やれることを楽しみながら経験に代えていってほしいと思います、がんばれあっきー!!



 12月育成プロジェクトあっきー研修報告

穴窯…

 12月の初旬に穴窯がありました。毎週あるものづくり教室で作った陶芸の作品を焼きます。最も古い窯の種類の一つで、薪をくべて温度を上げていきます。およそ1200℃に達するまで焚き続けます。三日三晩通して焚き続け、こどもも大人も総出で作り上げる大イベントです。1200℃という想像すらできない温度を扱うので、危険を伴い、体力もいるので気持ちを一つにしなければ成功しません。三日間焚き続けるため、夜中も当番に入っている子がいます。そのため、母屋(こどもたちが暮らす場所)は常に寝ているこどもがいることになります。いつもと違う環境に浮き足立っている雰囲気がありました。私も初めての体験で、こどもと同様の気持ちでした。しかし、穴窯の最も肝心なところは関わる全員が窯に意識を集中させることです。初めは休憩用のお菓子のことばかりに気が散ったり、落ち着きがなかったり、と集中力に欠けることもありました。些細なことでも、気持ちがそれると穴窯に直接影響がでます。モチベーション次第で温度変化するのが穴窯の恐しいところで、最大の魅力でもあります。
 徐々に温度が上がりはじめると、こどもたちの集中力も増してきます。しかし、難関は1000℃を超えてきた辺りからです。1000℃を超えると全く温度の変化が見られなくなり、こどもも大人も悪戦苦闘します。どんな方法がベストの焚き方か皆で話し合いながらアイディアを出します。正解がないなかで素晴らしい団結力で結果的に例年より高い温度で完成させました。1度上がるだけで歓声があがるような世界で、1200℃に達したときは思わず私もガッツポーズをしました。
 毎日一緒に暮らしていると良い部分も悪い部分も見えてきます。けれど、悪い部分の方が目につきやすくなりがちです。穴窯やだいだらぼっち劇場、数々の大きなイベントをやり遂げる姿を見ていつもハッとします。自分はこどもの一面しか見ていなかったのだと。
 大きな舞台ほど落ち着いて、実力を発揮するだいだらっこには驚かされるばかりです。


だいだらぼっち説明会in 東京

 だいだらぼっち説明会が東京と名古屋で開催されました。だいだらぼっちに興味のあるこどもに向けて現役のメンバーがここでの暮らしを説明します。次年度の仲間を集めるための大切な行事です。私は東京会場の方にスタッフとして行きました。そして、ここでも「だいだらっこ」の大一番での強さを目の当たりにしました。実は穴窯や日々の暮らしもあり、順調に説明会の練習ができず、本番まで不安を残したまま出発しました。私も含めスタッフは心配していましたが、心配をよそに堂々と発表しているこどもたちはとても頼もしく思えました。大盛況で幕を閉じた説明会はとても実りあるものになりました。

来月に向けて

 だいだらぼっちのこどもたちと接するとき、いつも昔の自分と比べてしまいます。当然ながら、自分の方が出来ていたなと思う場面もあれば、そうでない場面もあります。どちらかと言うとそうでない場面の方が多いと感じます。一年間親元を離れてチャレンジしている精神は本当に素晴らしいと思います。
 これからあと二ヶ月半こどもに負けないようにチャレンジしていく気持ちを常に持ち続けることに力を入れていきたいです。




□ 研修担当つぅのふりかえり 

スタッフ・つぅ  穴窯や説明会など、毎日の日常とは違うことへのチャレジをしました。こどもたちといつも以上に協力し合い、乗り切ったと思います。全員が同じ方向を向いて気持ちを寄せて挑んで、力を出し合ったいい機会になったと思います。
 ここでの生活が後半に進み、今年の仲間たちと過ごす時間もあとわずかになってきて、みんなで乗り越えた今回のイベントはかけがえのないものになったと思います。あっきー自身もこどもたちと関わる中で、こどもたちのもつ底力や行動力に驚かさせられたと思います。また、こどもたちと一緒に時間を共有して、同じ方向を見て一つのものを達成し、成功を掴み取ったことで自信や学びにつながったと思います。そしていろいろ経験したからこそ、また違った視点から考えられることができるようになったと思います。
 どうしたら成功するか、なんて声をかけたらいいか、沢山の試練を乗り越えて、物事を表面的ではなく立体的に見えるようになったと思います。今後の生活でこの経験をどう活かすかが楽しみです。



 11月育成プロジェクトあっきー研修報告

だいだらぼっち劇場を通じて

 11月の初めにだいだらぼっち祭りがありました。これは日ごろお世話になっている村の人や保護者の方を招いて楽しんでもらうという企画です。全てこどもたちが主導で進めていきます。毎年伝統のように行われているのですが、私は初めてのことなので話を聞いていても実際に想像することが難しかったです。しかし、こどもと変わらず、分からない中を手探りで進めていきました。特に、私も含めこどもたちが力を入れたのが「だいだらぼっち劇場」です。劇の役者も音響も照明もすべてこどもがやります。いかにお客さんに楽しんでもらえるかを考え、魅せる劇に仕上げていきます。
 劇の準備は一ヶ月以上も前から始まりました。しかし、いつも練習に身が入るわけではなくダラダラと時間だけがすぎることもありました。私ももっと良い劇にしたいと思い指摘や意見をぶつけました。だからこそやる気がみられなかったりする時は苛立ちもありました。けれども、本番が近づくほどこどもたちに危機感が募り急激に上達しました。当日はヒヤヒヤするところもありましたが、最高の劇を披露してくれたとき私も大きな達成感を味わうことができました。
 私とこどもたちは兄弟でもなく友達でもありません。かといって先生と生徒という関係でもありません。でも、今まで一緒に暮らしをつくってきた彼らと結ばれている堅い絆はあると感じています。「だいだらぼっち劇場」が終わったとき大きな達成感と高揚感を味わうことができたのは濃い8ヶ月を過ごしてきたからだと思います。


支えられている

 また今月は地域の方に支えられていることをとても感じました。11月もイベントが盛りだくさんでした。そのなかでも特に印象的だったのは村めぐり、脱穀です。村めぐりでは村の色々な人に声をかけていただいて、トマトやりんごまでいただきました。脱穀は4月の田おこしから始まり、とうとう脱穀をしました。いつも近所の方が田んぼの様子を気にかけてくださりました。そのおかげもあり無事に稲が成長し収穫することができました。だいだらぼっちが地域に根づいて地道に努力を積み重ねたからこそ村民に受け入れられて応援されていると感じます。
 携帯やパソコンにあふれ周囲に関心を示さなくても生きていける世の中になりつつあるからこそ、泰阜村で感じる、人と繋がる温かさを大事にしていかなければならないと思いました。

暮らしに学びがある

 だいだらぼっちで暮らすことは現代生活と離れ、あえて面倒臭い生活を選んでいます。薪でお風呂を焚いたり、そのために薪を山に取りにいったりすることが楽しいのは最初の数ヶ月だと思います。しかし、面倒と思うことや大変な暮らしはほんの少し昔は当たり前でした。村のおじいさんやおばあさんが培ってきた業はどれも生活に直結しています。
 だいだらぼっちに来て暮らしの中にたくさんの学びの種があると知りました。人と繋がる温かさを大事にしたいと思ったのも、だいだらぼっちで改めて気がつきました。
学びは無限大、もっと目を凝らして日々の暮らしをすごしていきたいです。




□ 研修担当たまのふりかえり 

スタッフ・つぅ 参加当初、本気になって熱くなることはほとんどないと言っていたあっきー。しかしこどもたちと生活をするうちに、11月の祭りの「だいだらぼっち劇場」のためには、自分の皮を一皮も二皮も剥いて熱くなったようです。「だいだらぼっち劇場」には、大人の具体的な役割はありません。でも、台本を作ることから始まり、劇の練習をしたり、大道具や小道具を作ったりといったこどもたちの主体的な活動の側で、一緒に台本を作ったり、一緒に発声練習をしたり、一緒に大道具小道具を作っている大人がいるのも確かです。その「何」とは言えない大人の役割を模索しながらも全うしたからこそ、あっきーは達成感や高揚感を感じることができたのでしょう。
ふりかえりの最後に、「魅力ある人になりたい」と語ってくれたあっきー。私からすると、あっきーは1人の魅力ある人ですが、まだまだ自分に自信を持てないようです。残りの4ヵ月もいろいろなことに目を凝らして、チャレンジして、自分に自信をもって帰ってほしいなと思います。



 10月育成プロジェクトあっきー研修報告

とにかく時間を効率的に

 10月になりようやく時間の使い方を大きく意識できるようになりました。9月の振り返りで物事の本質を捉えることを考えたため、とにかく色んな行動に主体性(自分の考え)をもって取り組みました。その結果、隙間の時間にできる事務作業を終わらせ、効率よく時間を作り出せました。仕事をただ言われたとおりにやるだけでは時間は短縮されないし、付加価値もつかないことを実感しました。一年という限られた期間で「主体的に考える」機会をどれだけ多く積み重ねることができるかが、最大の時間の効率化にもつながると思います。そして効率を重視するため、自ずと何のためにやっているのかという小さい本質をつく訓練にもなるはずです。

決めたことをやりきる

 「主体的に考える」ことが時間を効率的に作るポイントになりました。もう一つ大切なことが、しっかりと自分のやることに優先順位をつけて、スケジュールを組むことです。
しかし、ここで自分にとって大きな課題がありました。決めたことをやりきれないことです。優先的にやらなければならないことはできるのですが、順位が低いことに関してはおろそかにしがちでした。些細なことですがとてももったいないことだと思います。

何を持って帰ってほしいのか

 一方でこどもたちとの関係に目を向けると、もっと丁寧に考えるべきだったと思います。
自己成長のためにだいだらぼっちにやってきたという動機は今も変わりません。そのため、こどもたちの成長に貢献しようという意識は低かったと思います。毎月の振り返りを通じて「こどもに寄り添う」という役割がみえましたが、それより一歩踏み込んだところが大事だと感じるようになりました。つまり「何か一つでいいから持って帰らせてあげたい」という視点です。だいだらぼっちで過ごすこどもたちは私がいなくても得るものはあるでしょう。しかし、こどもに近い立場でいる私だからこそ出来る、一人一人に持って帰ってほしい「これだけは」を考えるべきです。小さいことをとやかく言うつもりはありません、一人一人違うのだからその子にとって何が大切なのかを考えてあげること、自分の価値観でそれだけは間違っていると思うことはしっかり言う、それで充分だと思います。


来月に向けて

 一年前の今を思い返すと、ちょうどだいだらぼっちに来るためにバイトを頑張っていたなぁと思います。そして、今日まであっという間に月日が流れてきました。きっと私もここを卒業してみると一瞬で過ぎ去ってしまったように感じると思います。それでも、こんな素晴らしい場所にいるのに「振り返るとただあっという間」で終わらせるわけにはいきません。20年後、30年後でもだいだらぼっちに来た事が自分の土台を作ったと思えるように暮らしていきたいです。




□ 研修担当のりのふりかえり 

スタッフ・のり 10月のあっきーからは「主体性(自分の考え)をもって、日々を送ろうとしている」ということが本当に強く感じられました。自分が「主体者」になって考え行動することにより、なぜ今これを行うのか、その向こうに何があるのかという物事の本質をとらえようという心がうまれたようです。また、本質をとらえるには物事を多面的に見ていかないといけないことにもなるかと思います。そんな中で、自分の成長という側面からだけでなくこどもたちとの暮らしについても見つめ直せたのではないかと思います。
こどもたちは自分を映す鏡です。向き合っている大人が一人一人の個性をしっかり見つめてあげようとしていれば、いずれこどもも仲間の一人一人を見つめようとします。また、失敗を恐れず仲間に伝えようとすれば、仲間に伝えるこどもになっていきます。そして、またそのこどもの姿により自分が成長して行くことになっていきます。
まだまだ、細かなことを忘れたり、思うことを上手に伝えられなかったりと、頭で考えていることと行動が一致していないこともあり、「1歩進んで2歩下がる」という感じですが、確実に日々進歩しているようですので、来月も「主体者」として「自律」して頑張ってください。



 9月育成プロジェクトあっきー研修報告

日常と非日常と役割

 夏の山賊キャンプを経てもう1ヶ月が経ちました。キャンプでは自己成長における確かな自信や自分でもやれば出来ると思えたことが大きな成果になりました。しかし、だいだらぼっちの日常に戻るとそれまでの経験やスキルがどこで活きてくるのかわかりませんでした。なぜなら、だいだらぼっちは日常の中で自分の成長を見つけてく場であり、キャンプ期間中のように、いつでも自分に明確な役割があり、そのために何をすればよいか考え動く状況とは違うからです。だいだらぼっちでは大まかな役割はあるものの、明確な仕事はなくこども達のためになることならば、範囲は制限されていない状態です。キャンプで非日常を経験し成長している実感があったのにも関わらず、その後、日常に戻ると成長が止まってしまったように感じました。
 5月の振り返りで自分の役割について考えましたが、もう一度自分自身の「だいだらぼっち」での課題を見つめなおしました。そして、9月の振り返りを通じて、「こどもに寄り添う」ことが大切で自分の役割だと感じました。遊ぶ時は本気で遊ぶし、怒る時は怒る、つらい時は分け合って、嬉しいことは皆で倍に、一人の人間としてこのようにこどもと過ごしたいと思います。

物事の本質を捉えるために

 「こどもと寄り添う」という役割が見えた一方で、自己課題として浮かんだことが、一つ一つの行動を何となくやっていることが多かったところです。もっと考えながら動けば、効率がアップする事やその出来事の本質を考えていなかったことです。
 言われたことをその通りやるだけなら誰でも出来ます。しかし、そこに自分の主体性を用いて考えればもっと良いやり方や変化が起きるかもしれません。まずは、自分の身近なな本質を捉えるため、常に自分の行動と発言、その裏に主体性を持つようにしたいと思います。しかし簡単に身につくようなことではないので常に意識する癖をつけることが肝心です。

少しずつ変化

 自分ではなかなか成長している事は感じにくいですが、成長を感じなかった9月でもスタッフの「おぐ」に「よく動けるようになっていると思うよ」と言われ、少しずつ変化はしているのかと思います。また振り返りの最後にアドバイスを頂きました。自分の目標としている人物・人がいるのなら、その人のどこが凄いかなどを深く考えてみる事です。
 自分には足りないところを吸収していくことが継続的に変化をもたらすはずです。

来月に向けて

 だいだらぼっちの生活も残すところ半年です。過ぎてゆく日常を「何となく」ではなく「考える」「振り返る」ということを大切にしていきたいです。




□ 研修担当おぐのふりかえり 

スタッフ・おぐ 9月の初めに、あっきーと今月はどのような目標を持つのか話をしました。
 7月から8月に山賊キャンプの運営に携ることで培った力で、様々なことに積極的に参加して、周辺で起こっていることを自分ごとにすること、受身だったものを変えて自分から本質を見ていきたい、と言っていたあっきー。
 ところが、9月の振り返りに出てきた言葉は「キャンプでの成長を活かしきれていない」とのものでした。忙しい9月を、自分で段取りを取ることなくただなんとなくで過ごしてしまったと言うのです。
 キャンプの運営の中ではそれぞれに明確な役割が割り振られます。キャンプ中にはその役割をしっかりと行い、一定のキャンプ期間をスムーズに運営するということを行ってきました。しかし、だいだらぼっちの生活の中では、「一年間こどもと共に暮らす」その暮らし丸ごとがあっきーの役割です。どうすれば、その中からあっきーの望む学びが得られるのでしょうか。
 自分の仕事の段取りを取って進めていくことは、日々の経験や訓練によって培われていく部分があるでしょう。実際に、キャンプを経てのあっきーには仕事をこなす力がついていることを感じています。
 しかし、だいだらぼっちの暮らしで得られるものはそれだけではありません。あっきーの求めている人間的成長はこどもと正面からぶつかることや、真剣に問題に向き合うことにあると感じています。
 あっきーはだいだらぼっちに参加するこどもと同じように、学びを求めて1年間暮らしています。年齢的にも「最もこどもに近い大人」です。だからこそ、こどもと関わる際に指導する立場や運営側という意識ではなく、共に成長する仲間の一人として一緒に迷い、悩み、笑うことこそがあっきーの役割となります。その役割を通じて自分も一緒に考え抜くことこそが、周囲の問題を「自分ごとにすること」「本質を見ること」に繋がっていくのではないでしょうか。
 山賊キャンプもだいだらぼっちの暮らしも、本質は同じところにあります。あっきー自身がまだまだ精一杯考え、取り組まなければ納得のいく成長は見えてきません。
3月まで残りは半年。思い残すことなく、こどもと一緒にチャレンジを続けてほしいと思います。



 7・8月育成プロジェクトあっきー研修報告

だいだらぼっちからキャンプへ

 だいだらぼっちで生活をはじめて3ヶ月、普段の日常生活でこどもたちの行動、発言にどういう意図があるのか、その裏に隠されている感情はなんなのかを考えながら過ごすようになりました。特に7月の初めからキャンプ【※7/20〜9/1の間、NPOグリーンウッドが主催する信州こども山賊キャンプ(以下、「キャンプ」)の運営スタッフとして参加】に入るまでの2週間と少しの期間を徹底して考えました。だいだらぼっちでの生活が必ずキャンプで活きてくると思ったからです。

InputとOutput

 キャンプに入る前に学びの視点や何を求めてキャンプに参加するのかを再び考えました。なぜなら、普段通りに過ごしていても貴重な時間は過ぎてしまうからです。一か月半の間におよそ1100人のこどもたち、300人のボランティアの方々、それに加え、キャンプを応援してくれている数多くの人たちが一斉に泰阜村に集います。尋常でないほどの出会いと別れや多くの出来事があります。一つ一つの出来事を深く考えることが自分の軸や本質を見極める力になると思いました。この期間中は、自分を深めるInput(吸収し学び取ること)のほかこどもやボランティアに自分の気持ちや考えをOutput(学びを伝える)できる場でもあります。大勢の前で気持ちを伝えたりする機会は、なかなかありません。しかし、自分の言葉で話すことは、経験と学びが蓄積されないと難しいです。
InputとOutputをしっかり意識してキャンプに望みました。

積極的に行動する

 実際にキャンプに入り本部スタッフとして運営する側に立つと目の前のことで一杯になってしまい、InputやOutputについて考える余裕がありませんでした。それでも積極的に動くことは忘れずに、気が付いたら動くことを心掛けていました。失敗もありましたが、経験を積むごとに先を予想しながら動けるようになり、的確なアドバイスができるようになりました。そうなると少しずつ余裕が生まれてきました。何より自分の行動や考えが褒められた時に確かな自信に繋がりました。
 今までは分からないことがあればすぐに聞いていました。しかし、自分で考えて判断した事や、実際にやってみて成功したことが大きな成長につながったと思います。

学び

 キャンプ中は本当に人の前で話す機会が多く、伝える事に悩みました。こどもの前で話
す時はいかに面白く伝えることが出来るかがキーポイントです。さらに話はシンプルにメリハリをつけてと様々なことに思いを張り巡らさなければなりません。最終日夜のボランティアの方々との振り返りで話をするときも、どうやったら心に響く話が出来るのだろうと考えました。
 想像力を働かせる事もキャンプ中はとても必要なことでした。細かな判断も自分でしていいのか、それともグリーンウッドのスタッフに委ねたほうがいいのか、そして、キャンプをしっかりと回すため先を読みながらやるべきことをやっていく。
どれもひと夏のキャンプを経験していなければ学べない事です。

来月に向けて

 キャンプを経て自身の成長と自信を確かに掴みました。これから自分の成長に驕ることなく常に謙虚に学ぶ姿勢を忘れないことが大切です。一つ一つの出来事を丁寧に、そして自分なりに深めていきたいです。


     


□ 研修担当もーりぃのふりかえり 

スタッフ・もーりぃ 夏本番、あっきーは1ヶ月半の山賊キャンプに参画しました。約1100人のこどもたちと約300人のボランティアの方々が集まる、夏の一大事業です。このキャンプにあっきーは運営スタッフとして10コースのキャンプに参加しました。多くのこどもたち、ボランティアの方々との出会いは、あっきーに大きな学びと自信を与えてくれました。
 7月の初め、あっきーはこどもたちと一生懸命向き合い、暮らし、悩み、関係もより深いものになってきました。そんな中あっきーは、「自分の軸はなんだろう?」と考えるようになっていました。これは、普段何気なく暮らして来た日常が、積極的にこどもたちと向き合うなかで、伝えたいこと、大切にしていることを意識して考えるようになったからこそでてきた疑問です。キャンプをやりきったあっきーの顔は、どこか迷いのない表情をしていました。この1ヶ月半、たくさん失敗し、時には、大雨雷のキャンプを経験し、あっきーはこどもたちのため自分を信じて判断することを繰り返しました。
 手探りの中でのチャレンジは、多くの失敗を。多くの失敗は、いくつかの成功を。いくつかの成功は、確かな自信になりました。
 振り返りの中であっきーは、「ピンチはチャンス」と話してくれました。困難なことを大変と捉えるのか、立ち向かうチャンスと捉えるのかは、本人次第です。あっきーはこのキャンプで多くの困難をチャンスに変えて来たのです。その結果、確かな自信を得ることができました。
 夏のキャンプでの多くの経験は、あっきー自身も感じる成長につながりました。
 残すところあと半年、困難を乗り越え成長する実感を得たあっきーは、大変なこともチャンスと捉え、学ぶ機会へと変えてくれるでしょう。さぁここからが本番、どんどんチャレンジして大きくなれ!頑張れあっきー!



 6月育成プロジェクトあっきー研修報告

もっとシンプルに

 6月は色々な事に悩み、余計な考えで沈んでしまう場面が多かったです。4月、5月の課題が解決していないのに常に新しい課題が増えていく一方で、自分でもどうすれば良いのか分からなくなりました。「自分ってダメだなー」と前を向けないことを繰り返してはネガティブの悪循環にハマってしまいました。
 振り返ってみると色んな課題を複雑かつ難しく考えていたと思います。例えば、子どもたちとのコミュニケーション。子どもの気持ちを考えることは前提ですが、それに縛られ過ぎて、言いたい時に言えなくなってしまいました。もっと単純に自分の気持ちを伝えれば良いだけのはずです。客観的にみると意外と簡単なことや、相談すれば悩む必要のないことが色々なしがらみに捕らわれていているように思っていました。深く考えることは大事な事です。しかし、それを通り越してマイナス思考に転じてしまうことは人間的成長を求めてだいだらぼっちに来た私にとって本末転倒です。
 もっとシンプルに考える事が気持ちを楽にして、今の生活をますます豊かにすると思います。

成長するために

 また、今月特に悩んだことは成長についてです。4月に振り返りをした時点で人間的成長とはとても漠然としたものだと気がつきました。そのため四つの具体的な課題「主体性」「段取り力」「想像力」「自分の言葉をシンプルに伝える力」を挙げ、それを達成することで成長につなげようと思いました。しかし、どれも人生における長期的な問題であり、一朝一夕でものにできる課題ではありませんでした。今、自分自身が成長するためにはもっとシンプルで明確な目標設定をする必要がある。そんな思いを持ちながらベテランのスタッフに相談した時、とても腑に落ちるアドバイスをくれました。「毎日自分で決めたことをやる」決めた時間に起床して、ご飯を食べて、自分のやると決めたことをこなす。
当たり前のことのようですが徹底するのは本当に難しいと思います。なぜなら、本当に自律した人間でなければできないからです。このアドバイスをしっかり取り組むことが「主体性」や「段取り力」などを育てる架け橋になると思います。

楽しむ気持ちこそが大切

 細かいことを気にしすぎるとかえって本質を見逃してしまうと思います。さらにせっかく泰阜村という大自然に囲まれた暮らしの中で起こる出来事も繊細に感じ取ることができなくなってしまいます。子どもたちと一緒に作った鶏小屋、薪で沸かした五右衛門風呂、澄み切った川で魚取り、どれをとっても誰も経験したことのないものばかりです。貴重な体験をしてもネガティブな気持ちでいると勿体ないです。どんな時でも楽しむ気持ちこそが大切だと思います。

来月に向けて

 来月からとうとう夏の山賊キャンプが始まります。まずは楽しむ事を忘れずに、そして「当たり前のことを当たり前にする」ことを常に意識していきます。そしてキャンプを次のステップアップの舞台として邁進していきます。

    




□ 研修担当ぱるのふりかえり 

スタッフ・ぱる 「課題が増えていく一方で全然解決されていっていない」と、自分の成長が見えない苦しみを表していたあっきー。たしかに6月というのは暮らしにも慣れ、課題も見えてきて、それに対する目標設定と目標に向けた具体的なアクションも見えてくる頃ですが、そのアクションは始まったばかり。
特にだいだらぼっちで体験できることの幅は相当なもの。日々新しい発見があり、自分の中での変化=成長がなかなか見えてこないのも当然です。私がそこで伝えたのは、『課題が増えたというのは、成長の証』だということ。成長していないのではなく、視野が広がり、自分が今どの地点にいるのか、何ができて何ができていないのかをより明確に把握できるようになってきたという現われです。そして、現状が見えてきたところで「ではどうするか?」となったとき、あっきー自身も書いているとおり、「毎日自分で決めたことをやる」ことを積み重ねていくしかないのです。

 できていない自分を責めていたあっきーでしたが、振り返りで「今やっていてこれからも維持していきたいこと」を挙げてもらうと、「決めた時間に起きて朝ごはんを食べる」「新聞を読む」など、とにかくやると決めたことを日々積み重ねている様子が見えてきました。そしてさらに振り返りを終えてからの数日の様子だけでも、「当たり前のことを当たり前にする」だけではなく、日々の中での小さなチャレンジの機会を積極的に活用している姿勢があり、目をみはるほどの前向きな姿勢が感じられます。
『毎日が稽古であり、舞台である』という言葉があるそうですが、まさに日々の積み重ねが本番に活きてくるのであり、そして実のところ一日一日、一瞬一瞬そのものが常に本番なのだと思います。

 これから挑戦したいことはと聞くと、「行動して信頼を得る」とのこと。この調子で一歩ずつ歩みを進め、現状に満足することなく、けれど努力し続けている自分に誇りと自信を持って、チャレンジの夏の舞台に臨んでください!夏明けのあっきーに期待しています!!



 5月育成プロジェクトあっきー研修報告

だいだらぼっちで2ヵ月を過ごして

 あっという間に5月も過ぎてしまいました。ゴールデンウィーク合宿を始め、田植えや登山といったイベントが多数あり、同じ時間を子どもと過ごす中で4月より子どもの方から関わってくることが多くなったと思います。先月は子どもたちも私自身もだいだらぼっちの生活にワクワクしている気持ちや緊張感があり地の部分が出ていなかったと思います。5月になり少しずつ関係性が作られてきて、自分の役割について考えるようになりました。はっきり言って特に私がいなくても生活に支障はないし、他の相談員のように教えられる事も多くありません。子どもにも頼られている気がしなくて辛いこともあります。だからこそ自分がだいだらぼっちで必要とされるためには何ができるのかと悩みました。そのような思いを色々なスタッフに打ち明けると一つの案を提示してくれました。
  「子どもと同じでいいんだよ。」
 年齢も近く、今年から来たばかりで「何も分からないこと」。それが私の強みだと知りました。子どもの話し合いで話がややこしくなることはよくあります。しかし、子どもたちはそのまま話を進めていきます。それでは一人一人本当にやりたいことが反映されなくなってしまいます。その時、私も子どもと同じ「分からない」と言う立場を活かして発言します。そして全員が納得でき、より内容が濃い話し合いになります。
 だいだらぼっちで生活している日数は少なくても、知識や経験から物事の良し悪しを判断すること、新しいメンバーの一員だから言えること、これらを確実に伝えることが私の役割だと感じました。

5月の成長

 4月の振り返りで一年間かけて主体性を育てたいという思いから、「普段の生活やあらゆる場面で発言をしていく」と決めました。内容はともかく、自分の意思を示すことを意識して生活しました。発言を繰り返すことで「言うこと」自体に自信がつきました。もともと引っ込み思案な自分にとって大きな成長です。だいだらぼっちに一年チャレンジしに来ているという気持ちが根底にあり、それが発言を後押ししました。
 年齢が近く自分の個性も相俟って、以前より子どもに接近したと思います。腹が立つ場面も増える反面、色んな話をしてくれるようになりました。

5月の反省

 思った事をその場で言うことができず後々後悔することが改善されませんでした。
「言ってみる、やってみる」が基本にも関わらず、子どもと衝突する恐れを払拭できなかったことは今後の課題として残りました。また鶏小屋建設や畑作業など日常の子どもと一緒に行う作業などを「自分事」にできていないことが5月の大きな課題です。他のスタッフがいることに頼って危機感や責任感が欠如しています。だから大事な場面で必要な言葉を掛けられない、状況が把握できていない事態が起こります。しっかり今の状態を見直し受け止めなければなりません。

来月に向けて

 だいだらぼっちでは物事に取り組むとき先を想像しながら行動する事が大変重要です。そのために、「自分事」にする、考えながら自分の意思を発言する、これらに磨きをかけなければならないと思います。毎日これらを意識して過ごす事が大事で、また、日々自分を振り返る事が大切だと思います。生活に慣れ始めると最初の高い意識が薄れがちです。もう一度気を引き締め直して自分自身の課題に取り組んでいきます。

振り返りの最後に

 この一年のテーマは「挑戦」です。悩む事も多いですが、悩みがあるうちは幸せだと思っています。
何事も失敗を恐れず果敢にチャレンジすることに意味があると信じ、昨日より今日、今日より明日の進歩を期待して頑張っていきます。


□ 研修担当みけのふりかえり 

スタッフ・みけ あっきーと5月の振り返りをしていたとき、常に一所懸命に考えて自分の思うことを言葉にしていく姿勢をどの場面でも感じました。 ただ、まだ自分の思うことと合致する言葉をなかなか見つけられず、思いを伝えることに苦労していました。
こどもたちと関わる中で、自分の思っていることを伝える場面はたくさんあります。その度にあっきーは、自分の伝えたいことと、自分が発する言葉とのズレを感じているようでした。それでも、自分の強みは「わからない(知らない)こと」と理解し、わからないこどもたちの側に立って言葉を発していくことを自分の「役割」と捉え、その自分が「言ってみる」「やってみる」姿を見せることで、こどもたちの背中を押せることに気づいたようでした。
 あっきーは、自分がこの場で持てる時間が1年間であることをとても意識しています。だから常に「チャレンジ」の姿勢を忘れないでいられます。そして、何故、何をしにここに来たのかということにブレはありません。いつ聞いても同じ答えが返ってきます。「自分の中の主体性を育てること」「社会に出たときに通用する力を養うこと」大きくはこの2つです。そのためには、いま自分が向き合うべきことから目をそらさず、真摯に取り組むことが必要だということも理解しています。
 自分の弱点も理解しているあっきーに、そうするために必要なことは何かと訪ねたら、「コレ!」という言葉がなかなか出てこず、いろんな言葉を発してくれました。みけからあっきーに渡した言葉は「自分事」という言葉です。これが腑に落ちたようで、もやもやしていたものがすっきりしたと言っていました。(これについては、あっきーの振り返りを見ていただけるとわかると思います。)

まだまだ伝えたいことがうまく伝えられず、自分でじれったい思いをしているあっきーですが、充分でなくても、へたくそでも、一所懸命に自分で考えて発する言葉には必ず魂が宿ります。残るだいだらぼっちでの生活の中で、たくさん失敗もして、たくさん考えて、磨きのかかった「あっきーの言葉」が聞けることを楽しみにしています。
がんばれ!あっきー!




 4月育成プロジェクトあっきー研修報告

育成プロジェクト参加のきっかけ

 昨年度の夏の山賊キャンプにボランティアとして参加し、夢を熱く語るスタッフや泰阜の豊かな自然の中で子どもたちと触れ合ったことに大きなインパクトを受けました。それまで大学生活に何か物足りなさを感じたまま過ごしていて、このままでは勿体ないと思う日々が続いていました。そんな折に出会った山賊キャンプは直感的にここで学ぶことがこれからの社会で役立つと感じました。「必ずここで人間的成長をして社会に活かしてやる」という強い思いを持ってやってきました。

4月の悩みと課題

 しかし、生活が始まれば自分の思いとは裏腹になかなか意見を言えないこと、子どもたちとの距離感が分からないことに戸惑う事ばかりでした。初めは戸惑うことが多いと分かっていても、臆病になる自分に嫌気がさしていきました。そんな中スタッフが懇意に相談に乗ってくれて、「ここでの一年間はあっという間に過ぎてしまうから、学びの視点を持たないともったいないよ」とアドバイスをもらい、小さなことでくよくよしている自分は何のためにここに来ているのだともう一度目標を考え直すきっかけになりました。そこで「人間的成長」は漠然としていて、もっと明確な課題を持つ必要があると気がつきました。そのために「主体性」「自分の言葉をシンプルに伝える力」「想像力」「段取り力」を自分の課題とし一年間でこれらの力を育てたいと思うようになりました。

だいだらぼっちで一ヶ月を過ごして

 少しずつ課題も見え始めようやくスタートラインに立ったという気持ちです。日々の暮らしに追われあっという間に過ぎてしまった4月ですが、振り返ってみると改めて貴重な経験をさせてもらえている場だと感じます。例えば全長30mほどの木を切り倒し、それでお風呂を焚き、冬にストーブとして使う薪を溜めておく作業は普段体験できない事です。そして田んぼ作業では子どもと一緒に耕すことから始まります。また話し合いが基本のだいだらぼっちでは子どもたちの話し合いが難航することは良くあります。そのような時、相談員としてどう言葉をかければいいのか悩む日々は自らの主体性を延ばしていると実感します。しかし、だいだらぼっちの最大の魅力は多様な経験を積んだプロフェッショナルが集まっていることだと思います。このような環境に身を置くことで自分がこれからどういう人間であるべきか、また何のために働くのかといった人間の本質を学ぶことができると感じます。

5月に向けて

 4月は暮らしに慣れることに精一杯だったのでまだまだこれからです。5月は先に挙げた4つの課題を達成するため、まずは下手くそでもいいから意見を伝えていこうと考えています。毎日の生活の中で常に課題を意識することが大事であり、ここでは達成できる環境が揃っています。もちろん目標達成だけに縛られず、イベントや子どもたちと遊ぶ時間を楽しみたいと思っています。

振り返りの最後に

この一年のテーマは「挑戦」です。悩む事も多いですが、悩みがあるうちは幸せだと思っています。
何事も失敗を恐れず果敢にチャレンジすることに意味があると信じ、昨日より今日、今日より明日の進歩を期待して頑張っていきます。


□ 研修担当ばんのふりかえり 

スタッフ・ぱる アッキー自身にとって、この1ヶ月はこれまでの学生生活から一変した出来事の連続だったようです。
 この1ヶ月間の振り返りでは、「段取り(計画)が大切だと感じた。」
「話し合いで、聞くだけでなく、自分の意見を伝えることも大事だと思った。」とのことを口にしていました。 これらは、言葉にすれば至極簡単なものであり、聞く人にとっては「そんなこと当たり前でしょ?」と思う方もいるかもしれません。しかし、そこにはだいだらぼっちの暮らしだからこそ実感できる重みがあります。 仮に、11ヶ月後、アッキーが「段取りの大切さ」や「自分の意見を伝えることが大事」であると同じ結論に達したとしても、そこには今とは違った経験・価値観が新たに積み重ねられていることでしょう。実際、既にアッキーの言葉からはそうした裏付けが身についているのを感じました。これこそが「体験から学ぶ」、「本質を学ぶ」ということです。

 1年間の指導者育成プロジェクト、だいだらぼっちの暮らしはまだまだ始まったばかり。11ヶ月後、2014年の3月にアッキーからどんな言葉を聞くことができるのか、そしてどんな表情・姿を見ることができるのか。これからに大きな期待を寄せています。
がんばれアッキー!!




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