次世代を担う教師を育てる一年間の教師・指導者育成プロジェクト

【事業報告】
2009年度指導者育成プロジェクト参加者 水田 翠
〜1年間実習生みどの学びのコラム〜

4月の研修報告研修担当けんちきのふりかえり

5月の研修報告研修担当なおみちのふりかえり

6月の研修報告研修担当つかのふりかえり

7・8月の研修報告研修担当ばんのふりかえり

9月の研修報告研修担当にっきのふりかえり

10月の研修報告研修担当しんのふりかえり

11月の研修報告研修担当のりのふりかえり

12月の研修報告研修担当ぱるのふりかえり

1月の研修報告研修担当ぬまのふりかえり

2月の研修報告研修担当しんのふりかえり

3月の研修報告研修担当しんのふりかえり
 

 4月みど研修報告

 ここでこどもたちと一緒に暮らしていて感じることは、年齢に関係なく、どの子もちゃんと想いや考えを持っていて、自分たちでひとつのものを創っていったり、問題を解決したりする力を持っているのだということです。一人ひとりの持っているものを大切に、耳を傾けたり、その子が考えていることや感じていることを、話をする中で引き出したりできるようになりたいです。
 また、目の前で起こっていることと自分が同じ経験をしたときの気持ちとを重ねて考えられること、“共感すること”がとても大切なことだと感じます。そうして、目の前にいるこどもの状況を理解した上で、言葉を返せるようになりたいです。そのときに伝える必要のあることは、厳しい内容であっても、伝えられるようになりたいです。そして、普段の生活の中で一人ひとりの子と関わる時間を大切にして、信頼関係を築きたいです。
 ここは「自分の生活の大部分=こどもたちと過ごす時間」であり、素の自分の人間性が試される場だと感じます。考え一つをこどもに伝えるときでも、何でこうした方がいいと思うのかということを話しながら、これでいいのだろうか、大切にすべきことは何なのだろう、と毎回問われているように感じます。こどもたちと一緒に悩みながら進む毎日ですが、こどもと関わる中でいろいろなことを感じながら、そしてここにいる大人の方々と話をして、「何を大切にして、どういう人間に育ってほしいのか」という自分の信念・教育観を築いていきたいと思います。
 この4月から社会に出て、自分の知らないことや見えていないものの多さや、これまで周りに甘えていたことを痛感する毎日です。でも、わからないことやできないことばかりの中からのスタートなのだという自分の現状を受けとめて、自分から学んで、一つ一つできるようになっていきたいと思います。自分の判断で動くことは怖いですが、失敗を恐れすぎずに、自分の精一杯を“まずやってみよう”と思います。どんなことに対しても、周りに答えを求めるのではなく、試行錯誤しながら、自分の答えを見出していきたいです。
 最後に、日々チャレンジしているこどもたちに向き合う者として、一緒に生活を創っていく仲間として、私自身が挑戦者でありたいと思います。やりたいことを実現するために、なりたい人間になるために、自分自身が困難を乗り越えようとすること、そして、毎日何事も楽しもうとすることを忘れずにいたいと思います。


研修担当けんちきのふりかえり 

 4月の振り返りをやってみて、みど自身、こども達同様に新しい生活、新しい人間関係や環境の中で慣れていくことがやっとだったと感じていたようでした。
おそらく、まだ一ヶ月しか経っていないのか?というくらいたくさんの経験をして、中身の濃かった4月だったと思います。

今までの学生時代でのこども達の関わり方とまた違って、毎日の暮らしの中でこども達と向き合うことの難しさを感じながら、彼女が始めに話したことは、「自分の現状、今の力を知ることができて、まだまだ学ぶことがあるな」ということでした。
一年間という単位で常に現場でこども達と向き合う、この指導者育成プロジェクトの醍醐味を肌で感じているようでした。

また、振り返りを進めていく中で、「自分の中に自分の柱をちゃんと持てる先生になりたい」と自分の目指す教師像を持っているようでした。同じ現場の人間として、こども達と日々関わるだいだらぼっちのスタッフと一緒にここで働きながら、スタッフからも子どもたちへの関わり方を学んでいるようでした。
ここは、こどもやスタッフ以外にも、いろんな人が集まり、日々の暮らしの中で高めあっていける場の力があります。一年の中でいろんな価値観にぶつかりながら、自分の価値観で子ども達に語りかけたり背中を見せていけるような先生になってほしいと思います。

ちなみに今回は、小学校の先生になりたいという希望を持っている彼女を活かすべく、スタッフでも話し合い、小学校担当スタッフのなおみちのサポートスタッフとして、こども達により近いポジションで頑張ってもらうことにしました。
入学式、授業参観、PTAなど、学校の行事にも足を運びながら、保護者の視点で学校の現場を見たり、地域の一員として学校との関わり方を考えたりできたことは、よい機会だったのではないでしょうか。自分自身が現場に立ったときに、保護者や地域とどう付き合っていくのか?学校業務を担当すると、気づくきっかけがたくさんあると思うので、非常にラッキーな役割だと思って、頑張ってほしいです。

振り返りの最後に、「間違えることが不安だったけど、自分の今の考えでやってみて、間違えたらもう一度考える。まずやってみることを目標に…」と前向きな言葉が出てきました。
常に成功体験ばかりでないのが、日々の暮らしです。壁にぶつかりながら、自分の課題を感じ、解決するためにまた挑戦する。だいだらぼっちでも大事にしていることを彼女自身も実践しながら、目指す教師像に近づいていってほしいと思います。
一年間、がんばれ!相談員として一緒に頑張りましょう。


 5月みど研修報告

 「自分のできることは、今の自分の精一杯をやること」と思って、5月をすごしてみて、「自分で気づき、考えて行動する」ということが少しだけわかった気がします。周りの状況をフィードバックとして捉えて、自分がどうすべきだったのか考えること、それを次へ次へと生かしていくことが大事なのだと思いました。
 ですが、いろいろなことにつまずき、前向きになれないことも多かったです。ここに来た意味、こうなりたいという思いがあるはずなのに、その目標を見失っていたと思います。ここに来た意味や自分の課題に立ち返りながら、“できない”ということに目を向けるのではなくて、どうすればできるようになるかを考えていきたいです。
 ここに来て2ヶ月経ちましたが、私はまだまだこどもとの関係が築けていないと感じます。自分でつながりを作っていく力の弱さを改めて感じると同時に、苦手なことから逃げていることがたくさんあります。ここではたくさんのいい出会いがありますが、その人たちとつながりをつくっていけるか、それをどれだけ太くしていけるかというのは、自分次第だと思います。つながりをつくりたいという思いを大切に、チャンスを捉えて自分から関わる機会をもっとつくっていきたいです。
 また、任せてもらっている1つ1つの仕事の責任を全うしていきたいです。1つの仕事の他へのつながりを見て、段取りを取り、言われたこと以外にも考えて動いていきたいと思います。そして、日々、周りへの気遣いを忘れずに、自分のできることを探してやっていきたいです。自分に見えていないものを見る努力をしたいと思います。 

 ここにいるスタッフの方々の背中を見て、「アイデア次第でいくらでも楽しむことができ、考え方次第で何でもプラスにもっていける。」と感じます。私も、あらゆることの中に楽しさを見出せるような、ものごとの本当の楽しさを知っているような、そして人生を楽しんで生きているような人になりたいです。それでこそ、初めて、人に、こどもに伝えられるものがあるのだと思います。

 6月は、「毎日、どんなことも楽しもう!」と思ってすごしたいと思います。そして、いろいろなことに挑戦し、たくさんの楽しさを知っていきたいです。
そのために、いつも自分の心も体も元気に、何でも受け取れるような状態でいたいと思います。


研修担当なおみちのふりかえり 

 
 今年度始まって2ヶ月が経ちました。小学校の連絡担当として学校からのおたよりをチェックしたり、こどもの宿題のサポートや持ち物の用意などをしてもらってきましたが、5月に入って一緒に暮らすこどもたちとだけではなく、こどもを一緒に支える大事なパートナーである先生や保護者の方とのやりとりもしてもらうようになりました。
 「人との関係作りがうまくいかない」苦手意識があったようですが、こどもたちとの関係づくりにおいて、みどの関わる時の表情や言葉がけに自信がついてきたと感じるようになりました。
 5月初めのゴールデンウィーク合宿という大きなイベントの直後、「動けない自分」に悩み苦しんだみどは、「考えてとにかくやってみる!」という考え方をするようになりました。 それから、わからなことを聞いたり考えたことをやってみるということを積み重ねて自信をつけてきたと思います。
 こどもたちもだいだらぼっちでの生活に慣れ始め、気持ちが疲れたりホームシックになったりしていました。そこをこどもに一番近い存在として支えたのが、みどだったと思います。自分なりにこどもの思いを探り、声をかけたことで気持ちの面でのつながりを少しずつ強く太くしてきたと感じています。

 最終的に目指す、みどの目標は到達するのに長い時間と気持ちをかけなければならないかもしれませんが、そこに向かうための小さな階段を用意してできるところから取り組んでいけば理想まで上っているのではないでしょうか。「人とのつながりを大切にできる先生になりたいけれど、自分にその力がまだ足りない…」というみど。できることが必要なのではなく、その理想に向かって自分が諦めずに努力することで、こどもたちに伝えたい何かが伝わるのではないかと思います。

 今のみどの後ろ姿は逞しく映っています。物事を深くとらえ、悩みながら少しずつ進む丁寧な取り組み方に、私も学ばせてもらった5月でした。


 6月みど研修報告

 6月までの3ヶ月間、こどもを見ていて、「自分も同じようにして大きくなってきたのだろうな」ということをとても感じます。こどもが何もないところから1つ1つ習得したり、何かにぶつかって今あるものを組みなおして成長していったり…という過程を目の当たりにしながら、今の自分が当たり前になっている考えや感覚は、1つずつ周りに教わって形づくられてきたものなのだということに気づきました。“こどもはこういうものなのだ”、“人間はこうやって成長していくのだ”ということが少しだけわかってきたように思います。もっと子どもの身になって、自分の関わりを考えていきたいと思います。そして、人間、こどもというものをもっと理解できるようになりたいです。その上で、「大人の役割」や「教育する」ということについての自分の答えを見つけていきたいと思います。
 こどもたちとの関わりをふり返ると、こどもに起こっていることにどれだけ気づけて、何ができたのか、もっとできることがあったのではないかと思います。もっと一緒に暮らしている仲間のことをよく見て、小さな変化に気づいたり、起こっていることを捉えたりして、自分が一緒に越えていく問題して向き合いたいと思います。その子に対してどう関わり、その子の周りの環境に対してどう働きかければいいのか、いろいろな考えに触れながら、考え続け、動いていきたいと思います。
 また、自分の意識の中で何となく距離を感じてしまっている子もいるのですが、何気ない話をしたり、一緒に何かをしたり、毎日の中にある小さなチャンスをとらえて自分から関わり、普段の関係づくりを大切にしていきたいと思います。
 そして、学校とのやりとりをいろいろな形で経験させていただいた中では、学校と家庭が理解し合うことの大切さを身にしみて感じました。両者がその子の状態を一番に考え、「その子を何とかいい方向にもっていこう」と同じ方向を向き、一緒に進もうとすること、互いの考えを伝えあい、理解し合おうとすることが、こどもにとって一番いいことなのだということを実感しました。

 最後に、自分には、新規の大人としてまだまだできることがあると思います。これからは、自分の考えや違和感を伝える勇気を持ち、わからないことに対しても自分から行動を起こし、逃げない自分でいたいです。自分がだいだらぼっちの“仲間”の1人になるためにどうすればいいかを考え、行動に移すことで、仲間づくりの一部分を担っていければと思います。


研修担当つかのふりかえり 

 
  だいだらぼっちでは、大人も暮らしを作る一員であり、その部分ではこどもと同じ立場です。しかし、大人には大人にしか出来ない役割があり、安全管理、経験や知識を活かして意見を言ったり、悩みの相談に乗ったり、こどもがわからないことを教えたり、話し合いの場でわかりにくいことをこどもの代わりに質問してわかりやすくしたりなどなど。みどもここで暮らして3ヶ月、「大人の役割」としてどんな言葉や行動とは何か、また、なかなか行動できない自分に悩んでいるようです。色々なやり方にチャレンジして、周りのスタッフやこどもに相談しながら、自分なりの接し方を見つけていって欲しいと思います。
 こどもは、大人に比べて出来ないこと、知らないことがあるのは当たり前、その代わり、大人にできない発想ができるし、知って、チャレンジして、色んなことができる様になる力を持っている。助けたり、教えたりすることも重要だし、チャレンジさせることや考えさせることも重要です。その両方を上手くバランスさせて、こどもを応援できるといいですね。がんばれ、みど!
私も、「何かをやりたい、わからないから知りたい、できるようになりたい」という気持ちを忘ずにがんばりたいと思います。


 7・8月みど研修報告

 この夏のキャンプでは、自分1人で1つの役割を担わせていただき、また、「足りない分はフォローするから、精一杯やってくれたらいい。」と、挑戦する場を何度も与えていただきました。そうしていただいたことで、「自分がやらないと」と思って、ひたすら自分にできることを探し、目の前のチャンスに感謝して「できないと決めない、逃げない」「自分の役割を探し続ける」という姿勢で臨むことができたと思います。その結果、失敗はとても多かったですが、やってみたからこそ、わかったことだったのかなとも思います。これからも、やろうとすることを大切にしていきたいと改めて思います。
 仕事をするという面では、見通しや予想を持って動くということ、優先順位を考えて状況判断をするということ、段取りをとって時間内に完了することなど、課題がまだまだあります。自分の役割を全うできなかったために、他の人や全体に迷惑をかけたことが多々ありました。これからの日々の中で、それらの課題にしっかり向き合っていきたいと思います。
 いろいろな方たちと一緒にキャンプをする中で、大切だと感じたのは、“伝える”ということです。全体に話をする場で十分な言葉で伝えられなかったり、関係や雰囲気が悪くなることを恐れて、言わずに済ましてしまったり、自分で後で処理したりするのでは、一緒に一つのものをつくっていることにはならないし、相手も自分もお互いに学ぶべきことを学べないまま終ってしまうと思います。
 それに、人と関係をつくっていく上でも、自分の考えや想いを自分自身が語らない限り、人とつながりを持ったり、理解し合うことはできないと思います。人ともっと話をして、伝えるべきことをしっかり伝えて、自分が周りに対してどう働きかけられるかということも考えながら、もっと周りにいる人と一つのものを一緒につくっていけるようになりたいです。そして、その中で、一緒にやる人の想いや考え、生き様に触れ、1つ1つの出会いを大切にしていければと思います。
 その中で、人からたくさんのことを学んでいきたいです。もっといろんな楽しさを知り、「自分がこどもたちに伝えたいことは何なのか」という部分の形もつくっていきたいです。


研修担当ばんのふりかえり 

 
 今回、みどとのふりかえりを通して印象的だったのは、「失敗が多かった、もっとこうしたら良かったということがたくさんあった。」ということです。しかし、研修担当として、このことはみどの今後の成長に大きく繋がるということを確信しています。というのも、「成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと」であり、「失敗が成功につながる」ということを自分自身経験し、そう信じているからです。
 山賊キャンプに参加したこどもたちも同じです。例えばご飯作りの場面では、マッチが点かない、すぐに火が消える、お米が上手に炊けない・・・など、様々な困難、失敗にぶつかります。しかし、そこで「何で失敗したのか、どうしたら上手くいくのか」をしっかりと考えることで、最終日には見違えるほどの成長振りを見せます。失敗したからこそ、成功・成長につながるということを、山賊キャンプに参加したこどもたちも証明してくれているのです。

 「経験は思考の子供であり、思考は行動の子供である。」
という言葉があります。今回、みどの中で様々な思考が出てきたのは、彼女がその何倍もの行動を起こした証拠だと言えます。
 夏の折り返しにかかった頃、みどの口から「『できない』ということから逃げない」という決意を聞くことができました。この夏での様々な成功や失敗は、どれもみど自身がそこで小さな一歩を踏み出したからこそ得られる学びです。

 そして、さきほどの言葉には続きがあります。
「われわれは人間について書物から学ぶことはできない。」
 この1ヶ月半におけるたくさんのこどもやボランティアの方々、そして自然との出逢いは、みどに多くの学びを与えるきっかけになったことと思います。今年度の4月からここで生活し、少しずつ見慣れたこの泰阜村の自然に感動し、思いっきりそれを楽しんでいるこどもたちの笑顔。火おこしや調理、片付けなど「面倒・不便」とも言える生活の仕事に精一杯、そして楽しみながら取り組んだ末、真っ黒に汚れた小さな手。こどもたち同士のケンカやホームシックで涙を流すこどもに、悩みながらも真剣に向き合うボランティアの姿。そして、決してこちらの思い通りにはならない天候・自然の力。何よりそうした中でも協力して暮らしを創り上げていく山賊たち。その全てがみどにとって刺激を与えてくれたことと思います。同様に、みどの姿から何かを学び、感じたこどもやボランティアの方も多いでしょう。一方的な関わりや指導ではなく、お互いのコミュニケーションや発見を大切にする山賊キャンプだからこそ感じること、学べることがあります。このことは、みど自身が今後の活動、そして将来の教育現場で活かしてくれるはずです。
そして、ふりかえりの場では、みどから次なる一歩の決意を聞くことができました。1ヶ月半での行動が新たな思考を生み、それが新たな経験をもたらします。自分が目指す自分、社会に向かって頑張れみど!そして一緒に頑張ろう!


 9月みど研修報告

9月は「だいだらぼっちで過ごす」ということについて立ち止まって考える月だったと思います。教員ワークショップ、山賊キャンプの思い出会に参加させていただいたことで、だいだらぼっちという場を外から見つめ直すきっかけをもらいました。
 教員ワークショップでは、参加者として関わらせていただき、川遊びを通して学びについて考えたり、だいだらぼっちのこどもたちのように、4泊5日間、自分たちの手で生活を創っていくという経験をしました。自分たちが主体となって体験できたことで、感じられたことが本当にたくさんありました。その中で、特に強く感じたことが3つあります。
 1つ目は、「熱意の持つ力」です。一緒に過ごしたみんなが目標を目指し、自分にできることを探して動いたとき、すごいパワーが生まれました。失敗したときに、もう一度挑戦したいという気持ちを伝えることで、なかったチャンスを創り出せたこともありました。参加者の皆の持つ「やろうよ!」という熱意に引かれてできたことがたくさんありました。また、その仲間の姿から、「できるかを考えるより、まずやってみることが大切だ」ということも教わりました。
 2つ目は、「発信する大切さ」です。課題を解決したり、学びを深めていったりしたときに、「人のいる分だけいろいろなアイデアが集まり、合わさっていいものができていく。今この場にいる人で創り上げられる答えがある。」と感じました。だから、一人ひとりが発信することが大切で、とても意味のあることなのだと感じました。
 3つ目は、「1つのものを1から自分たちで考えるプロセスが楽しく、またその中にたくさんの学びがある」ということです。だいだらぼっちでこどもが自分の手で生活を創っていく日常の1つひとつのことが大切で、こどもたちがだいだらぼっちで生活する意味を改めて捉え直すことができました。
 また、山賊キャンプの思い出会に参加させていただいたときに、だいだらぼっち説明会があり、そこでも“だいだらぼっち”を捉え直す機会がありました。スタッフの方から、このような話があったときです。「こどもが『自分たちはできないんだ』と学んでしまうことが一番怖い。“お前たちの可能性はこんなものじゃないんだぞ”と、こどもを信じるということを大切にしている。」その言葉をきいて、はっとしました。これまで、信じてもらって、伸ばしてもらったという自分の経験と、目の前のこどもとがつながった瞬間でした。
 けれども、「こどもを信じる」ということを、自分はまだ理解できていないと感じます。「信じるってどういうことなのだろう」と考えながら、見守って待ったり、タイミングを見はからって声をかけたり、スタッフの方々の関わりから学ぼうとしました。けれども、ふり返ってみると、自分は考えてばかりで、一歩引いて見てしまっていたことに気づきました。
頭で考える前に、実際に動いて、ここで生きているこどもや大人と関わる中で、もっと感じるべきことがあると思います。
9月をふり返って、だいだらぼっちの人たち(こども、大人)の中で、一員として暮らすこと、ここにいる人との関わりの中で生きることを大切にしていきたいと思いました。その中で、ここで生きる人間、この場で生きることがどういうことなのかを感じ取りたいです。
また、それに加えて、働く・仕事をするということがどういうことなのかということについても、自分なりの答えを見つけていきたいと思います。


研修担当にっきのふりかえり 

 
 みどにとっての9月は立ち止まって考える月、だいだらにいること、だいだらとはということは今一度見直す時期であったということです。

だいだらぼっちは、こどもと大人が共に生活を作っていますが、こどもが主役で自分たちで考え自分たちで生活をまわしています。なにげなく過ごしている日々の中で学びが多くあります。上手くいったり成功して達成感を感じることや、反対に人とぶつかったり、思うように行かなかったりすることもしばしあります。その過程のなかで、日々成長していくのです。大人も一緒です。私も日々そうであり生活自体を大切にしていこうと心がけています。

なにげなく過ごしてきた生活を見返すチャンスがこの9月はいくつかあったようです。
きっかけの一つとしてみどから話のあったことは、『先生になりたい人のための体験学習ワークショップ』です。
指導者育成プロジェクトの参加者は このワークショップに参加します。そこでは、参加者として、自分たちで新しい仲間とコミュニケーションを図り生活を作っていくということが発生します。
自分を他の立場に置き換えて、違う場に身をおいて、改めてだいだらぼっちとは、自分自身が行っていきたいことは?ということに大きく着目することになったようです。

忙しい毎日を過ごしていると、大きく自分自身のことについて振り返る時間がなかなか取れません。今月は、ワークショップに参加したこと、月一回のスタッフとのふりかえり、にて大きくふりかえりができました、これは、指導者育成プロジェクトのいいところなのかなと思います。みどと一緒に私もみどとふりかえりを行い共に分かち合う事が出来ました。他の人がどう考えているのか話を聞く事も大事なことです。

みどは芯がしっかりしていてやさしい性格の持ち主です。遠慮しているのかなぁと感じる部分もありますが一年間の半分をすぎ折り返し地点を迎える今、ここだいだらぼっちにいる間にできることを『積極的にチャレンジして行こう』と話をしました。思い切ってさらにチャレンジしようみど!!


 10月みど研修報告

 10月は、「だいだらぼっち」という場の意味を考えるきっかけがたくさんありました。
 特に印象に残っているのは、インフルエンザにかかった子が出て、こどもとスタッフが3か所に分かれて隔離生活をした10日間でした。一緒に生活をする仲間が揃わなくなって、何気なく当たり前に過ごしていた日々の生活の存在を感じました。生活をこどもたちの手で回すということ、そこに意味があり、それが尊いものなのだ、ということを強く感じました。
 また、その期間で、生活の中のいろいろな要素を捉え直してみて、「だいだらぼっちで何を大事にしたらいいのか」という自分の軸が定まっていないために、自分の関わり方やスタンスがわからないことに気づきました。でも、今回しんさんとふり返りをする中で、話をしてわかったことがありました。
 それは、「大切なのは、この場所でこどもが完全に自分の力で生活を創り上げるということではなく、大人が入りつつも『自分たちでやるんだ』というプライドをもって暮らしていることだ」ということです。暮らしの中で起こるいろいろなこと ――仲間が困っていることや生活でうまくいかないことなど ――を自分の問題として捉え、自分たちの力で何とかしようとすることが大事なのだと思いました。一人一人の子が日々を生きる中で当事者であること、それがだいだらぼっちで大事にしている「こどもが主役」という意味なのだと思いました。
 今回感じたことを受けて、これからの日々の中では、一人一人の存在を大切にしていきたいと思います。
具体的には、一人一人が考えた結果、勇気を出して発せられた声に耳を傾けて、また、声を出すことはできないけれども当事者となって考えている姿勢を汲み取り、その聞こえない声に耳を傾けていきたいと思います。そうして、丁寧な合意形成のためにできることをしていきたいと思います。
 しかし、現に、私自身、話し合いの中で発言することが得意ではありません。話し合いの流れや雰囲気、それぞれの大人の発言の意図などを考えていると、自分の感覚で感じたことや意見は発信していいものかわからなくなります。でも、今回のふり返りで、こんな話をしていただきました。
「大人がスタッフとしての意志統一された意見だけを主張したり、雰囲気を見て、自分の意見を押し殺していると、こどもも周りと違う自分の意見を言えなくなる」
「自分の感覚でそれは違うと思ったら、おかしい!と伝えたらいい」
「100人中1人が持つ意見でも、そう思った人がいる時点で真実なんだから伝えたらいい」
「もし自分の感じたひっかかりが流されるとしたらその状況はよくない」
そして、「こういったことが多様性を大事にするということなのだ」
このことを聴いて、だいだらぼっちで大事にしていることが身を持ってわかったように思いました。

 もう1つ、この期間に感じたことがあります。それは、一緒に生活したこどもとの距離が少し縮まった気がする、ということです。8人のこどもたちと、ただ力を合わせて生活しただけなのですが、この「仲間として、ただ一緒に丁寧に歩く」ということが、本当はすごく大事なことなのかもしれないと思います。

 今回、このようにしんさんとお話できる機会があって本当にありがたかったです。自分一人で考えるより、考えが広がりました。これからは自分から話をする機会を創っていくというところに一歩踏み出せればとおもいます。
そして、素直に言われたことを受けとめ、まずやってみるということを大事に、そして、傷ついたり失敗したりすることを恐れずにいたいと思います。


研修担当しんのふりかえり 

 
 10月はとにかく慌しく、そして落ち着かない月でした。それはインフルエンザが泰阜村、だいだらぼっちにもやってきたからです。だいだらぼっちで発症したこどもとそうでないこどもたち、そして対応するスタッフは別々の生活をすることを余儀なくされていました。そんな生活の中でみどが感じたのは「当たり前の生活のありがたさ。みんなでいることがただ楽しい」でした。
 だいだらぼっちでは、こどもと大人をあわせて40人近くが生活しています。その生活が一変し、ご飯を食べる場所も、寝る場所もいくつかに分かれ、そのため顔もあわせず、お互いが何をしているかもわからない状況になりました。みどは、人数が少なくなった母屋でバラバラになっている生活をなんとか回そうと必死な毎日だったそうです。そんな中でもこどもたちは、インフルエンザに罹ったこどもたちに向けて寄せ書きを書いたり、あるいはすこしでもご飯を楽しめるように、好きなものを作ってあげたりと配慮していました。その姿を見て、「当たり前の生活がこどもたちの心を育んでいる」と感じたのではないでしょうか。だいだらぼっちでは一年を通じて様々な大きなイベントがあります。田植えや稲刈り、季節ごとのパーティや登山、川遊びなどです。それがだいだらぼっちでしか味わえない楽しさであることは間違いありません。しかし、本当の楽しさとは、喜びやうれしさを語れる仲間が横にいること、時には怒りをぶつけたり、泣いたりできる感情を共有できる仲間がいることなのです。日々、学校であったことやくだらないおしゃべりをお風呂や食卓を囲んででできること。この日常の喜びに気づけたのは、みどにとって大きな収穫だったと思います。
 しかし「当たり前が大切」というのは、非日常だからこそ気づけたもの。また日常に戻ったときに埋没していくのは目に見えています。今だからこそ、こどもたちが、当たり前の大切さを実感するために、「自分はなにができるのか?」「自分はどうあるべきか?」を問い続け、残りの5ヶ月間、みどの行動を通してこどもたちにメッセージを送って欲しいと思います。
 「どんなトラブルも必然である」私はそう考えています。今回のインフルエンザ騒動は、私たちスタッフにとっても非常にストレスの溜まる、つらい体験でした。しかし、このトラブルはみどが言うように、「当たり前の大切さ」をこどもにも、スタッフにも気づかせてくれたのです。そしてみどには、こどもと共に歩む上ではずしてはいけない「軸」を気づかせてくれたのだと思います。どんなトラブルも、きっと今わたしたちが見落としているものを拾い上げるために用意してくれたチャンスです。このチャンスをみどがどう受け止め、どう動くか?がんばれみど!


 11月みど研修報告

 11月は大きな出来事がありました。話し合いです。
話し合いでは、だいだらぼっちで起こった問題について、何時間にも渡る話し合いを何度も重ねました。何とか自分の気持ちを自分の言葉で伝えようとするこども、苦しんでいる仲間に想いを馳せ、涙ながらに周りに訴えかけるこども…。これだけ本気で向き合い、本音をみんなの前で伝えるこどもの姿というのを見るのは初めてでした。目の前で、自分たちの力で、だいだらぼっちを本当の気持ちを言える場にしようとしていることがすごいと思いました。心の震える想いがしました。
 2年、3年と継続してここで暮らす子が「話し合いの流れを大人が作ろうとしているのではないか。話し合いの答えは自分たちが決めることだ。」と大人に反発し、自分の考えを述べる姿を見て、「だいだらぼっちでは自分たちの手で暮らしを創り上げていくんだ!」というプライドを感じました。また、こども全員と1対1でも話をしたのですが、そこで初めて知った尊い想いがたくさんありました。初めてこどもの深さを知りました。自分はこれまでこのこどもたちの持っているものをどれだけ知ろうとしていたのだろうか、自分の認識や人間を見る眼というのは浅い、と感じました。今、自分がすべきことは、ただ目の前にいるこどものありのままの姿を知っていくことなのかなと思います。
 今月ふりかえりをしてくださったのりちゃんが「大切にしていること」と言って話してくださったことがあります。
 「学ぶとは誠実を胸に刻むこと。教えるとは共に未来を語ること。」
この言葉を聴いて、私は、「こどもから学び、日々を一緒に歩いていく」ということを大切にしていこうと思いました。

 話し合いの中で自分には何ができたのだろうとふり返ると、私のしたことは、こどもと同じように自分の想いを伝えただけです。では大人の役割とは何なのだろう、と考えたときに、いろいろなスタッフの話を聴いて、「こどもが人として道理の違う方向に進んでいるときに軌道を修正すること」なのかなと思いました。
 けれども、自分はそうして修正できるだけの軸を持てているかというと、持てていません。1つだけ自分の中に「これだけは絶対いけない」ということがあるとしたら、「人の存在を否定し、人を傷つけること」です。でも、まだしっかりとした価値観を形づくれていないから、どうしていいかわからない、と足踏みするのではなく、今あるこの1つの価値観を軸にして、今を進んでいこう」と今回ふりかえりをする中で気づきました。
 このように、自分は、まだまだ知らないうちに自分の殻にこもっていたり、できないと思って線を引いていたり、しています。12月は、「恐れない」ことが目標です。「失敗する→こどもに怒られる→素直に受けとめる」ということを心に、毎日を過ごしたいと思います。



研修担当のりのふりかえり 

スタッフ・のり みどにとってこの11月に起こった大きな出来事は2つ。仲間のことを思いやるための「長い長い話し合い」と「だいだらぼっち祭り」です。そこから何を学び、何を思ったのかをふりかえったのですが、ふりかえりをしながら「また同じふりかえりだ・・・。」と、みどは落胆し始めました。
 どこが同じかというと、1つは「色々なことを恐れてやらなかった・・・。」もうひとつは「先の見通しを持って色々できなかった・・・。」だそうです。
 まずひとつ目の「色々なことを恐れてやらなかった・・・。」については自分の「軸」や「価値観」が分からないから、話し合いの中で自分の発言や行動に自信がもてず、こどもたちへの発言や行動が躊躇されたということでした。
 そこで、本当にみどに「軸」となるものはないのか?ということを探るために、みどがなぜ教師になりたいと思ったのかということについてゆっくり話をしました。
 すると、「『一緒にいると喜びも苦しみも共感でき、乗り越えられる。』そんなことを伝えられる。自分が教えてもらった先生のようになりたいと思って教師を目指した。」ということでした。
 その話を聞いて、それこそが今のみどの「軸」ではないかと思いました。長い長いこどもたちの話し合いもみどの「軸」からすれば「話し合いを続ければ、一緒にいると喜びも苦しみも共感でき、乗り越えられる。」ならいいが、「話し合いを続ければ、誰かが一緒にいることに苦しくなる。」ではいけないのではないかということです。
 みどは日常の暮らしの中で、少し自分の原点を見失っていたのではないかと思います。ゆっくりゆっくり自分の足元を、原点を見つめ直して、整理していけば、必ず立ち戻れたはずです。そんな気がします。一緒に少し整理して、少しすっきりしたようでした。次は自分の「軸」を元に行動に移すことです。
 人はおとなもこどもも完璧ではありません。暮らしの中では、けんかをすることもあれば、人を傷つけることもあります。それは大人も一緒です。各々の価値観の中で良い悪いはあると思います。でも、「最後は一緒に暮らす仲間のことを大切にしたい。」というところに立ち戻るのではないかと思います。その方法論は様々だったとしても、根っこのところでつながっている行動や言葉は結果的には間違った方向に行かないのだと思います。ぜひ、残り3、4ヶ月「失敗を恐れず、失敗してこどもにも怒られるような発言や行動をする。」ほどの勢いでがんばってほしいと思います。
 もうひとつの「先の見通しを持って色々できなかった・・・。」についてはとっても単純で、だいだらぼっち1年目のみどには先を見通せるだけの経験値がないということ。そして、こどもと一緒でまだまだ、段取りを取る方法論を学んでないということ。この2点だけのことだと思います。
 ただし、経験値がないから、先を見通さなくてよいということではなく、想像力を働かせることも重要です。けれど、そこもこどもと一緒で想像するにも限界があるということです。そこで失敗を恐れずやってみて、経験値にしていくことが大事になります。そして、その失敗が段取りを取る力になっていくのです。実際、だいだらぼっちに何年かいる子どもたちはキャンプなどで初めてお手伝いに来てくれる大学生さんよりよっぽど想像力が働き、相手の気持ちを思いやり、先を見通して動くことができるのです。(少しこどもたちをほめすぎかもしれませんが(笑))
 ぜひ、こちらの課題も第一歩として「スケジュール管理をして、その先にあるものを想像する」を目標にがんばってください。
 今月のみどとのふりかえりを通して私自身も考えさせてもらえました。「価値観」や「方法論」は人によって違うし、違うからいいのだと思います。でも人として大切なことというのはそんなにみんな違わないのではないかと思います。「隣にいる人を大事にする」そんなシンプルなことなのだと思います。それができれば世界が平和になり、世界のこどもたちが自分の夢や未来を語ることができるのではないかと思います。そのために、大人として人として自分の今できることを精一杯やっていこう。みどとふりかえった後の自分のふりかえりです。


 12月みど研修報告

 12月の中で大きなできごとは、自分がインフルエンザにかかったことです。大人もこどもも罹患者が増え、普段皆が生活している母屋でこどもに対応できるスタッフの数も限られる中、自分も母屋に出入りできなくなり、別の場所で休むことになりました。大変なときに、現場で何もできずに申し訳ない気持ちと、悔しい気持ちばかりが募りました。
 そんなとき、スタッフの方がくださったメールにこのようなものがありました。
「とにかく、自分が今やれること・できることに専念してください。」
「インフル組は良い機会なので今までのことを振り返りましょう。今年、自分の目の前に現れた問題点は何だったか?それは今変えられなければ一生付きまとう問題となります。自分の問題は常に周りが鏡として出してくれていますので、そこを感じる力を高めるための時間としましょう。」
そのメールを見て、考えの転換があったように思います。「目の前にある状況を批評するよりも、そこから何を学べるかを考えること」が大事なのだと思いました。
 この状況から自分が学んだことは、自分はもっと当事者意識を持つことが必要だということです。目の前の状況を見て、自分にできることをどれだけ見つけられるか、自分がそこにどれだけ加わろうとするかが大事なのだと思いました。前回インフルエンザで同じような状況になったときは、母屋にいて生活を回す側で、自分がやるしかないという状況に立ちました。けれども、そのような状況に置かれて初めて動くのではなく、今回のように、戦線におらず自分の役割が見えにくいときにも、自分にできることを探さないといけないと感じました。自分が休ませてもらっているということは、隣の母屋で皆の生活を守ってくれている人がいて、キャンプの現場を守ってくれている人、そしてそれを裏で支えてくれている人がいる、ということです。自分が今こうしていられるその向こうに、誰がいて何が起こっているのか、自分はどんな支えをいただいているのか、ということをもっと“見ようとしないといけない”と思いました。
 体が元気になってからは、インフルエンザに罹患したこどもやスタッフの方々と共同生活を送りました。たくさんの人に支えていただいてこういった生活を送れたのですが、この時間が私にとってはとても貴重なものとなりました。一緒に暮らした人たちと本当にたくさん笑って過ごした数日間で、ただ生活をすることが楽しい、と感じました。また、自分の足元の生活を見直すこともできました。これまでの生活をふり返ってみると、気持ちに余裕のない生活を送っていたなと思います。今回の生活を経て、自分の足元の“暮らし”を大切にすることが、心にゆとりにつながり、すべての土台になっていくように感じました。

 だいだらぼっちで暮らせるのも、あと60日あまりとなりました。
私は「人と一緒に生きる」ということを大切に、残りの日々を過ごしていきたいと思います。具体的には、「隣にいる人のことに気づき、気遣いをする。」、「人から学ぶ。」、「自分にできることを探す。」、「相手の思うことを聴き、自分の思うことを伝える。」、「いろいろな人の人生に触れ、その人が大事にしているものを感じ取る。」ということです。いろいろなことがあると思いますが、日々起こることを自分の中でふり返り、しっかり消化しながら進んでいきたいです。
1月の目標は、「毎日の話をする時間を大切にする。自分からその場をつくる。」「相手の思うことを聴き、自分の思うことを伝える。」ということです。“失敗から学ぶ!”今いただいているチャンスに感謝して、チャレンジしていきたいと思います。


研修担当ぱるのふりかえり 

スタッフ・ぱる  12月はみどにとって、「学び」をただ言葉でなく、体験から、実感として「学び取った」という、これまでより一歩先のステージに進んだ時期だったのではないかと思います。
一つはインフルエンザに自分自身がかかり、現場に立てなくなってしまったときに、スタッフからの言葉により「今何ができるかを考えることが重要」という考え方の転換に至ったとのこと。人間誰しも怪我や病気など自分にとって苦しい事が起きた場合、「なぜ自分が…」「なぜ今…」と、その状況を悔やむものです。けれど、いつまで悔やんでいてもしょうがない。あらゆることはその人にとって起こるべくして起こっているということ。つまりそこに今学ぶべきことが示唆されているということです。それを学び取るかどうかは本人次第。「ピンチをチャンスに!」という、物事をプラスの方向に持っていく視点とエネルギーをまさに実感として学び取ったようでした。
 またもう一つはキャンプでの体験。責任ある立場を任せてもらう機会をもらい、はじめは尻込みしていながらも、やるしかない!と勇気を奮い立たせて挑戦し、失敗しては振り返り、また挑戦するという繰り返しを行なったそうです。その学びのサイクルを丁寧に実行したことも大きな成長だと思いますが、今回この繰り返しができたのも、失敗しても挑戦できる環境を与えてもらえたから、ということもみどはしっかり認識し、それに対して感謝をしていました。そこがまさに大きな学びではないでしょうか。学べる環境を提供してくれた人への感謝と、今度は自分がいかのその学べる環境を提供できるかという、人と人とのつながりを大切にする心構え、それがまさに私たちグリーンウッドが重きをおいている視点です。そこをきっちり学び取っていることにとても感心させられました。
 これからのなりたい自分−それは「人と一緒に生きられる」人だそうです。その楽しさや素晴らしさを周りの人に伝えたい、それが教育なのではないかと。これまでの経験から、みどは人として大切なこと、そして物事の本質を着実に学び取っていると確信しています。残り数ヶ月、これまで培ってきた価値観や考え方を軸に、みどだからできる「人と一緒の生き方」を実践し、また伝えてもらいたいと思います。そして存分に暮らしを楽しんでいきましょう!


 1月みど研修報告

 1月をふり返ると、3学期の目標として書いた「一緒に生きる」ということが、まだまだ実感として掴めないと感じます。このことは、私の課題の核心部分なのだと思います。
私はまだまだ人と向き合うということができていません。こどもの様子や状態についても、相当意識して自分ではやっと少し捉えられるくらいです。けれども、自分にない感性はここから磨くしかないと思って、周りにいる人の話を聴きながら、そのときそのときに見方を学びながら、その子のことを知るということを重ねていこうと思います。

 今回ぬまにふり返りをしていただいく中で、心に残った言葉があります。
「だいだらぼっちのこどもと向き合うとき『この子は絶対聴いてくれる』と思うから言う。ここで出会ったこどもたちは、そういう絶対的な安心感や信じる気持ちをくれた。」
「隣にいる人を気にかけたり向き合ったりすることは、家族の中でも当たり前にあること」
 だいだらぼっちで暮らせる残された時間はあと30日です。もう1ヶ月後には、目の前にいるこどもたちと一緒には暮らせません。自分で覚悟を据えて、相手を信じて本気で人と向き合おうと思います。具体的には、「自分の違和感を逃さずに、話をする」、「相手の声に耳を傾け、相手の声を引き出す」、「自分が大事だと思うことを、相手の眼を見て丁寧に話す」ということをしていきたいと思います。

 また、日々起こることを見つめながら、ここで生きる人たちの姿を見ながら、「ここで大事にされていることは何なのか」ということを、だいだらぼっちで行われている教育を、自分の中に少しでも落とし込めればと思います。


研修担当ぬまのふりかえり 

スタッフ・ぬま 「1月は、こどもやスタッフとの何気ない会話が増えました」。振り返りの際に彼女が話した最初の一言でした。12月に立てた1月の彼女の目標は「自分から人と話す場をつくる」というものでした。この部分については、意識をもって行動にできたようです。
 みどにとって、“場をつくること”は、相手の話を聴き自分の思うことを伝えるための土台を準備することなのでしょう。「こういう人になりたい、だから自分はこうする」。自分の課題を見つめ、乗り越えるための道筋を捉えている姿は、凛々しく頼もしいです。
 3月というゴールが見えている中で、今回振り返りを通して彼女とやりたいことがありました。それは、“まとめの準備”をすることでした。この一年間で何を得たのか、一番大事だと思ってつかんだものは何なのか、それを彼女自身が見つけて気づくこと・分かることで、自分の中に落とし込まれます。根強い学びをこの一年間のだいだらぼっちの暮らしで得ているはずです。その作業を惜しまず、真剣に探して見つけてほしいと思います。
 今回、その“まとめの準備”をするにあたり、手助けになればという考えで、彼女に論文を手渡しました。それは、GWの代表の辻が執筆しただいだらぼっちの活動をまとめたものです。後日、みどから論文を読んだ感想を聞きました。「日々目の前のことに精一杯になっていたけど、一歩引いてだいだらぼっちを大きくみたときに、だいだらぼっちの方針や大事にしていることに対して、そうだそうだと納得し思い出すかのように読みました。自分が思っていたことを言葉にしてもらったようで、読んですっきりしました」と話してくれました。そして、「暮らしを自分の手でつくる実感をここでは養えて、また支えあいの関係づくりを学べるのがだいだらぼっちだと思います。」と話してくれました。少し離れたところから、この一年間を振り返り、この活動の意義や価値、自分が学んだことを、みどの言葉で綴ってほしいと思います。
 「この一年間で得たものはこれです!」と自信をもって話すみどの姿を期待しています。そうして自分で気づいて創り上げたものは、次のステージに立ったときに必ず力になるはずです!がんばれ、みど〜☆


 2月みど研修報告

 2月は教員ワークショップに出させていただいて、自分のなりたい教師像を改めて考えました。そしてその中で、私は「こどもと日々の一歩を一緒に歩む存在でありたい」と改めて思いました。
“「一緒に生きる」というのはどういうことなのだろう――”
私はまだその意味を探している段階にあります。

けれども、実際にこどもと日々を歩くということができていたのかと考えると、“一緒に生きる”という目標を見続けられずにいたときがあったと思います。大切なのは関わる時間の長さではなく、その内容なのだとも思います。でも、その瞬間に一緒にいることでその子と交わせる言葉があり、共有できる時間があります。現場にはこどもを目の前にして関わる以外にも、こどもとつながる大事な仕事がたくさんあります。その中で、実際に関わりを持つ時間をできるだけ得るためには、自分がそれを実現する方法を見つけるしかありません。この状況をつくっているのは自分自身、変えていくのも自分自身です。学校現場に出ても同じ状況があると思います。このことは、今後も課題として取り組みたいです。

 私は、残された時間、そしてこれからも、一緒に生きる者として、起こっていることをしっかり自分の目で捉え、その場で自分が感じたこと、そのときに言えることはしっかり語っていきたいと思います。そして、自分の“芯”を確認して、それを曲げずに、自分の言ったことに対する責任と自分の間違いを背負う覚悟を持って人前に立ちたいと思います。




研修担当しんのふりかえり 

スタッフ・しん もうすぐ一年の締めくくり。そんなみどに2月の自分は何点かを聞いてみた。30点とのことでした。
 みどにはゴール(なりたい自分・ありたい自分)があります。それはとても素晴らしいことです。しかし一方でイメージがしっかりとあればあるほど、自分とのギャップに苦しむことになります。特に2月は「先生になりたい人のためのワークショップ」に参加し、「こんな先生になりたいという姿が見えた」と話していました。しかし、近づくための「次の一歩」がわからないとも言っています。
 自己評価をすると人は大抵低く点数をつけるものである。残りの70点、出来なかったことから自分の弱点や「ありたい自分」を見つけることもできるでしょう。しかし「なれないこと」「できないこと」ばかりを見てしまうと自分の良さや本来の持ち味を失ってしまうこともあります。私がみどに伝えたのは、現状のみどを認めること、そして今が100点だと思うことです。理想を追い求めれば、低い点数をつけざるを得ない。特に自分に対して厳しい人はなおさらです。そうではなく、足りない自分をなげくよりも、少しでも前に出た自分、できるようになった自分を認め、積み重ねていくことの方が成長につながることもあるのです。
 冬のキャンプでは、プログラムディレクターという立場でこどもたちの前に立ち、キャンプを進行する役割を担いました。本人にしてみると、ここに来る前の自分では考えられないことだということ。役割を与えられ、恐る恐るではあるが挑戦したことで、「やればなんとかなる!」という自信をもったそうです。また日々の生活では、みどを頼るこどもたちの姿もたくさん見られました。自分の弱さを認めることは、逆に強みを発見することでもあります。この11ヶ月で得たことを足がかりに次のステージへ飛び立って欲しいと思います。
 2009年度のだいだらぼっちの締めくくりまで残り数日。来年度は臨時採用の教師としてがんばるとのこと。「やればなんとかなる!」その気持ちでがんばれ!みど!


 3月みど研修報告

 だいだらぼっちで暮らした時間は、私の人生の中でも本当に大きな1年間でした。
こどもと一緒に暮らす中で、「人はこうやって大きくなっていくのだ」ということを自分自身とも重ね合わせながら日々感じ、「こどもは尊い1つの人生を持つ1人の人間」だということを感じました。そして、ここで生きる人たちと暮らす中で、「大人もこどもも、不完全で、様々な経験を積みながら、失敗から学んで成長していく“同じ人間”で、一緒に生きていく仲間なんだな」ということを感じました。人の生き様に本当にたくさん触れさせてもらった1年でした。人と一緒に生きるということがどういうことかも、ここで教わったように思います。
また、ここで暮らす中で、たくさんの人に支えてもらって自分は今生きているんだということを感じるようになりました。周りで支え応援してくれる人たちや、これまで支え育ててくれた親、友人、恩師をはじめとするたくさんの人たちに深い感謝を感じます。これからもずっとこういった人たちのおかげで自分がいるのだということに立ち返り、見つめていかなければと思います。

大きな1年間というのは、自分にとってはとても厳しい1年間でもありました。だいだらぼっちは逃げ場のない、人間まるごとを見られ試される場所でした。ここで大人がこどもに語りかけている言葉を聴いて、自分自身できていないことばかりで、いつも自分に言われていると感じました。自分自身が実践することを努力するところからのスタートでした。ここへ来たときは何に対しても、「自分がやっていいのだろうか。自分がやるよりも他の人がやった方がうまくいく。自分がやって迷惑をかけるくらいならやらない方がいい。」という思いがありました。でも、ここの方たちがこんな自分にも本当に何度もチャンスをくださって、そんな風に考える自分は何をしているのだろう思いました。失敗してもいいのだと、自分のすべきことは最大限の力を尽くしてチャレンジをし、失敗から学ぶことなのだと、ここへ来て初めてわかりました。何事も自分次第なのだということがやっとわかりました。
また、自分の中には「教師になるために、今いるここが自分の挑戦の場であり、どんなことがあってもここで諦めるわけにはいかない」という思いがいつもありました。この場所だから、常に課題と向き合い、挑戦し続けることができたのだと思います。
ここでの1年間という時を経て、やっと「自分がやらないと何も事態は変わらない。“できない”という枠を作っているのは自分自身。経験を積んでできるようになるしかない。自分がいる状況は自分がしたことの結果のすべて。自分にできることはそのときの精一杯の答えを出して、それを積み重ねていくこと。」ということがわかりました。人生の中でも自分から加わっていかないと始まらないのだと思いました。

来年度は、地元兵庫県で小学校の教師として学校現場に出ようという思いでいます。今は臨時講師に応募している段階で、具体的な動きはまだ決まっていないのですが、1人の教師として、責任をすべて負い、こどもたちと最後まで向き合い続けるという覚悟は固めています。

この1年間皆様には本当にお世話になりました。こんな未熟な私を受け入れ見守っていただき、またいろいろな面で支えていただき、ありがとうございました。だいだらぼっちでの1年間に心より感謝します。本当にありがとうございました。


研修担当しんのふりかえり 

スタッフ・しん 迷いながら悩みながらの一年間みどお疲れ様でした!みどはその後兵庫の臨時採用で小学校で働くことが決まったそうです。おめでとうございます!
 みどの言う「人間まるごと見られる場所」という表現は、きっとみど自身の自分に対する厳しさ故の言葉のように感じます。いつも精一杯がんばっているのに、足りない自分に自信を失っているみどを見て、私はもったいないといつも見ていました。100%の自分、理想の自分に近づこうとすることは決して悪いことではありません。でもそこに近づくためには、小さな進歩を自分自身で認めてあげなければいけないのです。自分に厳しいみどにはそれが難しかったようでした。
 それも1年が経ちやっと俯瞰して物事が見えたことで、それを肯定できる余裕が生まれたように思います。これからいよいよ学校という教育現場に立ちます。「こどもは尊い1つの人生を持つ1人の人間」ということ、この答えを導き出したみどの教室はきっと厳しさもありながら温かさに包まれていることでしょう。
 「担任に決まりました」というみどの電話越しの声は、自信とこれからの未来に向けた希望にあふれていました。遠く離れても仲間です。何か悩むことがあればまた話を聞こう。がんばれみど!


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