次世代を担う教師を育てる一年間の教師・指導者育成プロジェクト

【事業報告】
2008年度指導者育成プロジェクト参加者 森久哲
〜1年間実習生もーりぃの学びのコラム〜
4月の研修報告 研修担当だーっのふりかえり

5月の研修報告研修担当けんちきのふりかえり

6月の研修報告研修担当しんのふりかえり

7月の研修報告研修担当だーっのふりかえり

8月の研修報告研修担当しんのふりかえり

9月の研修報告研修担当ぬまのふりかえり

10月の研修報告研修担当なおみちのふりかえり 

11月の研修報告研修担当にっきのふりかえり

12月の研修報告研修担当のりのふりかえり

1月の研修報告研修担当みけのふりかえり

2月の研修報告研修担当けんちきのふりかえり

3月の研修報告研修担当しんのふりかえり
 

 4月研修報告

 2008年度の指導者育成プロジェクトの参加者の森 久哲です。
奈良県で生まれ、大学生活を北海道の釧路で過ごし、その後2年間の中学校教師として釧路の公立中学校で働いていました。
 大学では、いろんな方々との出会いのなかで、“教え、学ぶ”という学びの原点や、日常の当たり前の中の学びを深めること、その他、多くの仲間と、北海道のフリースクールでの企画・授業実践、道東(北海道の東の地域)の地域理解の一環としての川探検を行ってきました。
さらに道東に多い僻地小規模校での各行事への参加を通して地域の方々触れ合う中で地域と学校について考え学んできました。
 伝える難しさ、何かを作り上げる大変さを実感しながら、でも、それ以上に仲間と子ども達と作り上げる面白さ、楽しさを感じながら過ごした4年間でした。
大学卒業後、釧路市内の公立中学校で、臨時教員で家庭科の教師として一年間、特別支援学級の担任として一年間、同中学校で働いてきました。
教師生活は、2年という少ない期間ですが、改めて子ども達に伝える難しさ、支える難しさを実感しました。しかし、子ども達と一緒に創ることや考えること、悩むこと、話すこと、笑うことは本当に楽しく、また多くの同僚の先生方と出会い、刺激され、影響され、学んでいけることもとても楽しく充実した毎日でした。
 学校をやめ、グリーンウッドに来ようと思ったきっかけは、一言で言うと“もっと自分を深めたい”ということです。
教師という職業は、各教科を教える以外にも人としての生き方を見せてゆく職業だと思います。これから社会に出てこれからの時代を担ってゆく子ども達の身近な大人の一人として、がんばって働いている大人の姿を見せてゆくことが大切だと思います。
 そんな中で、私は、自分の経験したことしか語れないし伝えることが出来ません。でも、経験したことや苦労したことなら、きっと伝わるはず、だから色々経験してみたい、一生懸命やってみたいと思い学校の現場を一度離れることに決めました。
子ども達と過ごした2年間が最高だったから、もっと何か出来るのではないか、教育という分野で生きていくなら、もっといろんなことをしてみたいと思ったからです。
 そんなとき、たまたまインターネットで出会ったのがこのグリーンウッドの育成プロジェクトです。
 インターネットで見た内容は、子ども達と1年間生活を一緒につくり、考えていくというものでした。
たまたま見つけたその団体に何かの縁を感じ、即このプロジェクトに応募することを決めました。子ども達と学校現場よりも深くかかわることの出来るこの場所での経験は必ず現場に帰ったときに活きてくると感じました。
 育成プロジェクトに参加させていただけることがきまり、不安と緊張の中、3月の終わりに長野県へとやってきました。
 NPOグリーンウッド自然体験教育センターでの仕事と学校での仕事の違いは、すぐに肌で感じることとができました。
 学校の現場と、こことの違い、子ども達と関係が深くなるスピードがはやい。もちろん子ども達を一緒にいる時間が多いこともあると思いますが、寝食を共にして生活していることが大きな意味を持っていると思います。
 学校現場ではあまり実感がなかった、仕事一つ一つが繋がっていてそして、最終的に利益を生み出していく当たり前の社会の仕組み、学校現場では、何が実際に利益を生み出しているのかどのようにつながり管理されているのかが見えにくくなっていると思います。もちろん教育という仕事内容が見えにくくしているということもありますが。
その他にも社会人として当たり前のビジネスマナーや電話対応も研修や実際に多くの人たちに触れることによって学ぶことができました。
 社会でお互いが気持ちよく仕事が出来るように、そんなビジネスにおけるマナー。社会で働き生きてゆくうえでは、必ず身に着けなければいけない最低限のことだと実感しました。
 グリーンウッドでは、1年間の“暮らしの学校”のほかにも夏のキャンプや冬のキャンプその他多くの企画や講演、講座を開催しています。それらを成功させるために日々それらの準備を行っています。
 企画当日の仕事を2と考えると、その準備には8の仕事をこなし、これらの企画やキャンプに参加者を集め成功させているのです。ここの生活をはじめ改めて準備の大切さを実感しました。
 何もかもが始めての四月でしたが、1年間のこの指導者育成プロジェクトに参加できることになったので、多くのことを貪欲に、積極的にチャレンジして自分の中にしっかりと蓄えてゆきたいと思います。


研修担当だーっのふりかえり 
 4月は仕事の基礎を学ぶ月でした。こどもたちとの生活は当然として、人として責任を持って仕事をすることを伝えました。私たちグリーンウッドの考える教育は、大人の背中を重要視しています。仕事に対する熱意、責任を全うする姿勢、そのプロ意識がこどもに伝わり、学びの環境を作っていきます。今回、もーりーにはビジネスマナーの研修を行い、社会人としての自覚についても伝えていきました。報告、連絡、相談、名刺の渡し方、あいさつの方法、電話対応、会議の進め方などなど。もーりーは学校現場ではこのような研修はなかったと言っていました。もちろん、学校現場ではビジネスマナーは必要ないかもしれません。しかし、マナーは社会共通です。これを知っている先生と知らない先生とは大きな違いがあると思います。なぜならば、マナーは倫理です。道徳でありモラルとも言い換えられます。人として当たり前のこと、ものの良し悪しを語れずに、こどもたちに道徳など伝えられるはずがありません。このようなことで、グリーンウッドではマナー研修を重要視しております。
 研修後、もーりーは電話対応も戸惑っていました。緊張しながらも電話をとっていました。これはとても大切な学びの階段を登っています。たかが電話、されど電話。コミュニケーションの基本がここにあります。この経験がもーりーの力になり、こどもだけでなく、大人としての倫理観を考えられるようになるでしょう。
4月は仕事の基礎、考え方を学びました。仕事の基礎はスポーツ、勉強、全ての基礎力になります。この力が身につくと、こどもたちとの対応、気づきなども加速していきます。もーりーにとって民間の会社を知る機会、そしてこの4月が先生になるための一生の財産になるでしょう。ここでしかできないことを着実に体験しています。


 5月研修報告

 4月があっという間に過ぎ、ようやくこのグリーンウッドの暮らしにも慣れてきました。
5月に入り、とても多くの人たちを出会う機会がありました。
 5月の始めに行われた、ゴールデンウィーク合宿。この合宿は2泊3日で保護者の方や、OB,OGなど多くの人に来てもらい、大勢でしかできない作業を手伝ってもらおう。そして顔を覚えてもらって仲良くなろうという目的で行われました。
 この合宿にはのべ約100人の方がグリーンウッドに集結し同じ時間をすごしました。
 色々な方々と話しをする機会がありました。いろいろな職業の保護者の方、元スタッフの方いろいろな思いや考えにふれ、自分の考えを再確認することが出来たり、新しい考えに共感たりして、出会いの大切さや楽しさを感じました。
 こんなゴールデンウィーク合宿でこのグリーンウッドが多くの方々の力で成り立っていて、何より多くの方々に愛されている場所だということを感じました。
 ゴールデンウィーク合宿を行うにあたって、子ども達と係りを担当して当日まで計画を進めてきました。進めてゆく中で、子ども達の考えを活かしつつ、サポートしていく難しさを改めて感じました。
 月末にも多くの方々がグリーンウッドにこられ、毎回毎回とてもよい刺激を受けることができました。
 多くの人達と出会い話す中で、今まで自分を深めたい、もっとでっかい人になりたいと思っていた、そんな考えから、今は少し変り、自分はこの社会に何が出来るのだろう?自分が今まで経験してきたことをどう活かすことが出来るのだろうか?と考えるようになりました。
 自分が多くのことを経験するだけでは、ただの自己満足で終わってしまう。自分の経験、学びとは、誰かのために、社会のために使ってこそはじめて意味があることなのだろうと思います。
 いかに社会と関係をつくって生きてゆくか、社会に貢献していきてゆくか、自分には何が出来るのだろう。
 自分の得意なこと、武器、伝えられること、どんどん増やしてゆきたい。きっと自分にしかできないこと、場所があるはずだから。


研修担当けんちきのふりかえり 
4月には仕事の基礎、グリーンウッドの生活の基礎を学んだ、もーりーに5月からは重要な仕事を任せることにしました。それはだいだらぼっちの「食」に関することでした。
家庭科の先生だった経験や料理を作ることが好きな彼の特性が活かせる仕事はこれだとスタッフ達と話し合って責任を持ってもらうことに決めました。

子ども達の栄養バランス、食の安全、地元の野菜の活用、もちろんお財布の中身も気にしながら…、そういったことを含めた食材の発注に関する業務が一つ。
山賊キャンプで使う畑の管理者としての業務が一つ。
人にとって大事な「食」に関する業務、そこから見えてくるものがたくさんあるにちがいありません。さっそく子どものために体にやさしく、おいしい手作りのおやつ作りを始めたりと、もーりーの工夫やパーソナリティが生活の中でも発揮されてきました。
これからも楽しみにしながらサポートしていきたいと思っています。

5月はだいだらぼっちの親御さんやOB・OGが100名近く集まるGW合宿、田植え作業、キャンプの受付業務、天竜川総合学習館かわらんべキャンプへのヘルプなどたくさんの人との出会いがあったり、責任ある業務の担当を持ったり、初めてのものづくりも経験したりしました。
自分はそうでしたが、この時期いろんな価値観にぶつかりながら自分の新たな価値観を生み出していきました。
もーりーも5月はいろんな価値観にぶつかった事でしょう。
自分を成長させるチャンスにたくさん出会えることは本当に幸せなことで、この場所で研修することの醍醐味だと感じます。

私どもの一年間の指導者育成プロジェクトの特徴はその人に合わせた仕事を任せることです。責任があるからこそ真剣に働き、仕事を全うすること、社会の中の一員であることを自覚するきっかけになるのです。そして、真剣に立ち向かえば立ち向かうほど今まで気が付いていなかった自分の能力を開花させるきっかけになります。それが武器になり、自信になり、人の魅力になっていくのです。
さらに、多くの方と話ができるので視野を拡げられます。ここでの暮らし全てが成長のサイクルになっているのです。


 6月研修報告

  グリーンウッドに来て早いものでもう2ヶ月が過ぎ、3ヶ月がたとうとしています。
 自分がやりたいこと、やらなければならないことがだんだん見えてきた6月です。
 指導者育成プロジェクトということで、毎月担当のスタッフの方がいて、そのスタッフの方と相談して、色々出来ることにチャレンジしたり、仕事を任せてもらったりという生活をしています。
 今は、家庭科の先生をしていた自分の知識と経験を活かし、“暮らしの学校だいだらぼっち”の食品の発注をやらせてもらっています。今はまだ、発注をすることに精一杯ですが、今後、栄養や旬など様々な視点から育ち盛りの子ども達がより良い食事を作っていけるような発注と食に関しての必要な知識もさりげなく入れて進めていければと考えています。
 自分の力を発揮できる仕事を任せてもらえることはとても嬉しいことで、やりがいのあることです。
 6月は、大きなチャレンジ、経験が特に多くあった月でした。
「世の中にはまだまだ、楽しいことであふれている。それも身近で見えないところに。」そんなことを肌で感じことになりました。
 そのチャレンジの一つに川の研修があります。気候も暖かくなり川や海など水辺で遊べる楽しい季節になって来ました。しかし、毎年水難事故のニュースを耳にします。私自身も北海道の川で活動してきましたが、大きな川や流れの速い川での活動は危険性から行ってきませんでした。しかし、グリーンウッドの川のスペシャリストとも言える方々と大きな川や、激流の川で活動することによって、何が危険か、どういった場所を避けるべきなのか、また、どういった場所が安全でどういった活動が出来るのかという体験を通して自分の川への見方を変えることができました。
 また、キャンプなどの野外活動を企画運営する上での考え方や心構えの研修を通して、野外活動を行うプロとして、安全に子ども達のチャレンジを最大限に活かせるように場を
つくるためにどういった点に細心の注意を払いながら、運営しているのかということに触れることができました。
 その他に印象的な活動として、山仕事講習というものがありました。これは人の手を加え、山を豊かな山へとつくりあげてゆくための基本的な考え方や、方法、作業のための道具(ナタ・ノコ)、機械(チェーンソー)などの使い方の講習で山を密接に関わり生きるグリーンウッドにとってとても大切なスキルの一つです。又山仕事を通して関わる地域もとても面白く感じました。でもただ単純に山に入り、木を選び木を倒し理想の山へと進めてゆく作業がとても面白く、人も自然の一部であり、共に生きてゆくことが当たり前なことなのだと感じさせてくれました。
 このどんどんと広がってゆく楽しい視点を将来一つでも多く伝えていきたい。この一年しっかりと楽しもう。


研修担当しんのふりかえり 
もーりーの6月を振り返っての一言は「実践」の月。
6月は川の研修やキャンプの講習、山仕事講習と、やること学ぶことが一気にレベルアップしました。
特に川とキャンプの講習は、この後はじまる「山賊キャンプ」に参加するにあたって非常に重要なものとなってきます。
『習っただけ』、『やっただけ』では全く意味がありせん。特にキャンプでは実際にこどもたちを川に連れて行くサポートを行うことになります。こどもたちの安全を守ること、キャンプでこどもたちが思う存分楽しめること、そのために自分自身のスキルをあげていかなければなりません。
また山仕事もチェーンソーを持って山に入り、木を切りにいきます。これはだいだらぼっちのこどもたちが焚く、
登り窯の薪となります。急な斜面で、足場も不安定なところでの作業をするために基本をしっかりと押さえていないと
自分の身が危険にさらされてしまいます。
しかしスキルだけを学んでいるわけではないのです。川や山に身を沈めて、その雄大で恐ろしい自然と対峙することは人としていかに自然と付き合うのか、さらにはその恩恵への感謝を学ぶ機会でもあるのです。

 一方だいだらぼっちでの生活では、だいだらぼっちのこどもたちとの関係も少しずつできあがり、一人一人の個性もなんとなく見えてきたところのようです。しかし今度は言わなければいけないこと叱らなければならないことを見逃してしまっていることもあるとのことでした。

 このプロジェクトの肝はなんといっても一年間という長さにあります。
研修、講習は日本全国をさがせばいくらでも見つかります。
しかしそれらを実践レベルまで教えてくれるところはまず、ありません。
さらに言えば実践を試せるところはないのです。
このプロジェクトでは、一年間の長さのなかで、基本を学び、そして実践し、さらにはその後のフィードバックまであるのです。
顕著なのは、こどもたちの関係です。短いキャンプでは、「こどもにどこまで言えばいいかわからない・・・」
というところで終わってしまいます。しかしプロジェクトでは実践し、失敗してもとりかえすことが出来る場があるのです。

一年間が学びの場。膨大な学びをいかに自分の中で咀嚼し、アウトプットしていくかこれからのもーりーが楽しみです。


 7月研修報告

 多くの仲間と生活する暮らしの中で、薪やものづくりの暮らしの中で、真剣に生きることから学び取る大切なことは、どんなことよりも大切なことだと思います。
 今は何でも手に入る時代です。お店やインターネットでは商品が飛び交っています。でも物をつくること、食べものを加工することってとっても手間がかかることです。でもとっても楽しいことなのです。
 グリーンウッドに来てから色々なものをつくるのに挑戦してきました。食器や箸、いすにスプーン。庭の果物でのジャム作りや1から作るおやつ。意外と何でもつくれます。
 つくるときに感じる道具のすごさ、道具に詰まったいっぱいの知恵。昔の人ってすごい。
自分でつくったからわかること。わかる言葉「もったいない」手作りのものってなんだかすごく優しい感じがします。そんなことが当たり前のグリーンウッドってすごい。
 
 7月の始めに、夏のキャンプに始めてくるボランティアの方々の研修会がありました。そこで多くのボランティアさんに出会いました。研修会に参加して改めてグリーンウッドの大きさを感じました。
 約1100人の小中学生に野外活動の場を提供しているだけでなく、約300人の若者たちにも学びの場を提供しているのです。
 これからを担ってゆく子ども達だけでなく、近い未来をつくってゆく人たちに学べる場を提供してゆくことはとても大切なことだと思います。
 ボランティア自らが楽しみ考え悩み涙する場を企画しサポートするグリーンウッドの青少年育成の姿は、自分の中になかった視点でした。実際に多くの考えを持ち集う若者達に触れることはとても楽しく、又一緒に考えたいことも多く見つかりました。
 青少年育成の視点。この視点はとっても重要で、これからの自分の課題の一つとして考えていかなくてはならない部分だと思いました。そして何より、楽しかった。
 グリーンウッドに来て3ヶ月、この3ヶ月で今までにない経験や多くの人との出逢いの中での考え方の変化がありました。そんな中で自分の学び活かしてゆく場の一つがこういった若者との場なのではないかと感じます。
 これから長い夏のキャンプに突入します。多くのはじめてのことや、さまざまな経験が待っていると思います。その一瞬一瞬と出逢いを大切にして、思いっきり楽しんで、考えて悩みたいと思います。


研修担当だーっのふりかえり 
 7月に入り、もーりーはたくさんのやりたいことを実現させていきました。食器、箸、スプーン、ジャム作り、などなど・・・。これらはやろうと思っても、材料、時間がなければできません。当然、やり方もわかりません。この育成プロジェクトにはこのような状況が揃っています。もーりーは実際にチャレンジして大切なことを知ったようです。ここで重要なことは、「箸やスプーンが作れるようになるスキルが身に付いた。」ということではありません。作ることによってわかること。当たり前に使っている箸、その材料は自然の恵みです。そして作ることの苦労。お金を出せば手に入る物もありますが、作り出すことのおもしろさは見えなくなってしまいます。また、物を大事にしなさいと言いますが、そのことを理解している人はどれだけいるでしょうか?先生となり教壇に立って指導する時に、
実体験のある話にはこどもたちは興味津々になります。こどもの教育体験者なら誰でも知っていると思いますが、経験値の重要性は計り知れません。なぜならばこどもたちの目が変って話を聞くようになるからです。

 もーりーは青少年の教育にも触れました。人間の成長には流れがあります。幼児から小学校、中学、高校、大学、社会・・・。私どもの活動は、こどもだけでなく青少年にも及びます。さらにおじいさん、おばあさんまでもつながっています。こどもの教育にはあらゆる層のつながりが必要です。キャンプでは、こどもたちは青少年のボランティアと共に過ごし学びます。逆に青少年もこどもたちから多くのことを学びます。互いに学び合っているのです。社会はそんなものです。色々な人が集まり社会になります。つまり、こどもたちの教育も多くの層の人と触れることが必要なのです。もーりーは青少年の教育の重要性にも気が付きました。広い視点で教育について考えられるきっかけになったということです。キャンプが終わる9月からはさらに多くの方、広い層がグリーンウッドの活動に関わります。その面白さを今以上に実感していくでしょう。後半も楽しみですね!


 8月研修報告

 夏キャンプが終わりました。振り返ると1ヶ月半という長い期間でしたが、あっという間のキャンプでした。
 26年の人生の中で、こんなに長い期間キャンプに没頭したことなど到底あるはずもなく、少しずつキャンプ色にそまっていく自分がとてもたのしみでした。
 キャンプが終わるころには、すっかり見た目にもこんがり焼け、中身もキャンプ一色に染まり、いい意味でも悪い意味でも多少のことぐらいでは気にしないようになっていました。
今回は、12期間中、10コース分に出させてもらうという大変幸せな状況でした。体力的には過酷な部分もありましたが、子ども達が来るとそんなことも忘れてしまっている自分に、自分の中での子ども達の大きさや、子ども達から元気やエネルギーを分けてもらっているということを実感しました。
それぞれのキャンプは当然ながら1コースごとにまったく違う雰囲気で、それぞれのコースで得るものがあり、失敗がありました。
 そんななか長い期間参加することから見えてくるものもあり、細部への気配りや各チェックの甘さなど自分の弱い部分の再確認や課題を意識することが出来たり、自分の武器にしたい熱く周りを巻き込んだりということも何度もキャンプをこなすうちに確実に大きくなってきたと実感しました。
 8月おそらく人生でもっとも人と出逢い、その出逢いに感謝した月でした。子ども達はもちろんのこと、多くの相談員との出逢いもとても楽しく、それぞれ色々な考えを持ちながらこのキャンプに臨み、それぞれ何かを学び取ってゆく姿をみて、この山賊キャンプの社会的な大きな役割を改めて実感し、この場に携われることの素晴らしさを感じました。キャンプの一瞬一瞬を作り上げた仲間って時間にしたら本当に短い時間なのに、とても強い絆がうまれたように思います。ただの偶然ということでは終わらない、まさに“縁”を感じました。
この山賊キャンプという場を通して私自身も多くのことを学ぶことができました。
 1ヶ月半山賊キャンプをやりぬいたことは、今自分自身の大きな自信となっています。
 山賊キャンプで活動している子どもたちのきらきら輝く姿を見て、子どものうちにこういった経験は必ず必要なものだということを大きく感じました。
 大きくみた今後の自分の課題としては、こういった要素を働く場所でいかに活かしていくか、いかに行っていくかということを常に頭において長期的に考えていきたいです。


研修担当しんのふりかえり 
 8月は1100人のこどもと300人のボランティアが参加する「山賊キャンプ」本番です。
 山賊キャンプは「食う寝る遊ぶ働く」という暮らすことがすべてといってもいい、シンプルなキャンプです。
 しかしシンプルであるがゆえに奥が深い。それは関わるこども、大人によって大きくキャンプは変わります。また天候やアクシデントなど、さらに様々な要因が絡み合って進んでいく、誰も予想できないキャンプとなるからです。
 ホームシックやケガに始まり、突然の雨の対応など、予測できないことが参加者に降りかかります。
 特に今年はゲリラ雷雨と呼ばれる、集中豪雨が頻発し、キャンプの現場を悩ませました。
 ご飯作りができない、川遊びもできない、雨のストレスでこどもたちが元気をなくしている・・・。
 そんな緊張する状態でも、我々スタッフが求められるのは、「平気平気!」「むしろ雨を楽しもう!」という前向きな姿勢です。前に立つ大人が元気をなくしたり、後ろ向きな発言や態度を見せてしまったら、キャンプはどんどんマイナスに引き込まれてしまうのです。また山賊キャンプは、こどもたちにそんな突発的な出来事も前向きに捉えれて楽しめる力を持ってもらいたいと考えてキャンプをやっております。
 今回もーりぃはそんなこどもたちの前に立ち、雰囲気を作る役割を担いました。日々のトラブルに対して、腰をすえた対応を迫られるなかで、当初は戸惑う姿も見られました。しかし日を追い、様々なトラブルを乗り越えることで、「どうにかなる!」「大変なときこそ楽しもう!」という姿勢が溢れ出てきました。それはまさに1ヵ月半、こどもと向き合い、抗えない自然と対峙して得られた力だと思います。1ヶ月半という期間と、1100人のこどもという数は、そのまま自信へとつながるのです。
 「困難は人を成長させる」キャンプを終えてから、口癖のように話すもーりぃは、これからどんなことも前向きに、そして楽しんで超えられるように思えました。
 夏キャンプを終えて、だいだらぼっちのこどもたちもそれぞれ帰ってきました。
 インプットしたものをアウトプットすることのほうが難しい作業です。夏キャンプで自分が得た学びを以下にだいだらぼっちのこどもたちへ還元できるのか。まだまだもーりぃの学びは続きます。


 9月研修報告

 グリーンウッドに来てもう6ヶ月が経ちました。この指導者育成プロジェクトも折り返し地点となりました。この9月も“先生になりたい人のワークショップ”や“教員フォーラム”“想い出会”と大きな企画が多くまさにあっという間に過ぎていってしまいました。
 時間の流れが早く感じるということはそれだけ充実した時間を過ごせていたのだと思います。
多くの出逢いと、学びがあった夏のキャンプが終わって、一週間たったときに以前から楽しみにしていた“先生になりたい人のワークショップ”に参加させていただきました。
 川のアクティビティーを中心に学びや教育の本質を考えるという企画でした。参加者は私を含め9人でそのほとんどが大学生でした。この9人とGWスタッフ3名、計12人で行われた4泊5日のプログラムは、創造していたものを超える面白さと、とても多くのエネルギーをもらえる場でした。はじめて会った9人が4泊5日を終えるころには、「このワークショップで考え深め、熱く語ったエネルギーを、この9人でいろいろな場所で伝染させてゆこう」と誓い、確かに全員が何かを持ってもとの生活へと帰りました。
 川でのアクティビティーを通して、チャレンジする大切さ、仲間の大切さ、仲間と分かち合う喜びなど文章ではなかなか表すことが出来ない感情を実感しました。まさにやらなければわからない。やったからわかることがそこにはありました。今回実感したことは、様々な教育活動だけでなく、これから生きていくうえでもっとも重要になってくることだと思いました。たった5日間でも最高の仲間ができる。自分をさらけだし、お互いを認め支え、共感しあう。こんな仲間作りが今の自分のこれから向かうであろう公教育での現場でやってみたいことの一つとなっています。
 ワークショップのあとすぐに、教員フォーラムがありました。現役の小学校・幼稚園の先生や、将来先生を目指す人たちが集い教員になっての苦労ややりがい、先生になるに当たっての不安などを語りあいました。
2泊3日という短い期間でのフォーラムでしたが、多く語り合うなかで、先生という職業の素晴らしさや可能性、やりがいを再確認でき、私ももう一度現場にもどりやってみたいという気持ちがとても大きくなりました。そしてまた多くの仲間に出会え、語れたことで、エネルギーをもらい次へと繋げるため意欲を持つことができました。
 今回ワークショップ、フォーラムと通して参加させていただき、こういった場の大切さを感じました。
 どんな職場でも、環境でも、くじけるときはあると思います。そのくじけたときにこそ、熱さを取り戻し、また目標に向かって歩き出せるためのエネルギー補充の場所が必要だと感じました。
 この場作りは、今後の自分の夢であり課題の一つになっています。
純粋に夢を語り、熱さを補充して各職場に戻りその熱さを伝染させる、この熱さの補充を定期的に出来るようなネットワークを今後作っていきたいと考えています。

 9月のもう一つの大きな行事として、名古屋、東京で行われた夏の山賊キャンプの想い出会がありました。そんな想い出会に向け、私は、写真のスライドと想い出ムービーを担当して作ることになりました。
 以前より、ムービー製作は経験がありましたが、これだけ大きな規模での製作ははじめてでした。そんな中で、ただつくるだけではなく、グリーンウッドとして伝えたいことと見てくれる人たちが期待していることをうまくバランスをとって作っていくことが大切で、より多くの人たちに伝わるように、より多くの人たちにわかってもらえるように。伝える難しさや伝わる楽しさを感じました。
 多くの人の中で生きる楽しさ喜び、難しさをこれからも感じながら生きて生きたいです。


研修担当ぬまのふりかえり 
 9月は、「教員ワークショップ」「教員フォーラム」「山賊キャンプ想い出会」など、さまざまな事業に参加していただきました。
もーりぃの振り返りにもあるように、今回のワークショップとフォーラムを通して、語り合う場の重要性を一番に感じたようです。彼は、「様々な立場の人が集い語り合うことで、視点が広がる、仲間ができる、そして元気(熱)をもらえる」と話していました。人と人が集うことで得られた元気(熱)は、自分の原動力に変わります。その熱を冷めさせたくないけれども、熱は冷めやすい。だからこそ、語り合う場が要るのだと話していました。いろんな人と出会って語る場をつくるために、“ネットワークづくりをしたい”。それが、今後の目標だそうです。
人と人がつながること、ネットワークがあること。そこから、大きな力が生まれるのではないかと思います。そのことを実感したことは、とても尊いことです。何が力になるのか、どうしたら良い方向へ変えられるのか。やはり根底にあるのは、“人の想い”。そこが出発点だと思います。
 もーりぃですが、これらの事業に参加し終えて、月末に休みをとり、以前住んでいた北海道釧路市へ半年振りに出かけてきました。そして、お世話になった学校の先生方や後輩たちに会い、半年間の自分の学びを自慢してきたそうです(笑)。今の自分の気持ちが前へ向いていること、自信をもててきてることを、感じたそうです。
前向きな気持ちがあれば、学びえることも多いと思います。この先体験することも、前向きな気持ちでもって、学びにかえれると思います。


 10月研修報告

 あわただしい9月があっという間に終わり、気が付けば折り返し地点を通りすぎてしまいました。
今回の前半は少し今後10年ぐらいで考える夢を書きたいと思います。この夢は間違いなくこの育成プロジェクトを行うことで出てきた夢なので。

 9月の終わりから10月のはじめまで心の故郷釧路に顔を出しました。半年振りに仲間に会い、少し変わったところや相変わらずに触れ懐かしく暖かくなると同時に、近況報告や夢を語り又熱さを充電できた旅でした。又、帰りには東京で1日買い物に出かけました。東京のネットカフェで泊まり、帰りは最終の飯田行きのバスで帰ったのですが、東京の何でもそろう物質の豊かさと、人々の混沌を感じました。釧路にもなく、泰阜にもない、空間。朝、昼、夜関係なく街は人通りがあり、高い場所から眺める風景は、見渡す限りビル。こんなにも人がいる。
 同じ空間にいる人たちでコミュニケーションを交わすことは、地域で生きるとても重要な要素だと言えます。同じ地域で住む人達同士、協力し助け合い生きてゆくことは当たり前に行われてきたことで、そこで生まれた知恵や技術や心粋は伝統文化と言われます。
 今の東京に代表される都市地域で生きるには、こういった伝統文化を必要とせずに共通した都市システムを知ることや、共通のツールを使いこなすことが重要になっている気がします。つまり地域性がどんどんと薄くなって来ているような気がします。そんな中で育っていく子ども達はどんな子ども達なのだろう?ふと疑問に思いました。 もっとも大きな都市“東京”。私自身「子どもはどこに行っても、変わらないなぁ。」昔、学生時代に行ったアラスカの小学校で感じたことです。釧路とアメリカ全く違う文化で育った子ども達に触れたときに、多少の違いはあるけれど、ガキ大将がいて楽しそうに遊んで、笑っている子ども達を見て感じました。
 そんな考えがありながらも、自分の中で、東京の子ども達を見てみたいという気持ちが出てきました。
都市部では、多くの先生が志半ばにして教師という道をあきらめています。その原因を肌で感じてみたい。
自ら困難な道を行くからこそ、大きくなれる「ピンチはチャンス」この言葉をいつも胸においてやってみたいという気持ちでいます。
 色々書きましたが、出逢い多きグリーンウッドのおかげで今また多くの仲間ができました。もちろん東京にもかけがえのない仲間がいます。そんな仲間達がいるからこそ、いま東京で新たに先生の道を行ってみたいという気持ちも出てきました。そしてもう一つやってみたいことは、ネットワークをつくることです。ネットワークとは、人の輪、仲間です。
仲間がいると言うことは、とても大きなことで、エネルギーになります。夢を語ること、話すこと、こういったことを定期的に行い、お互いがエネルギーを補充して又それぞれの場所で熱く仕事が出来るように、そんなネットワークがあれば、つらいことも、笑って乗り切れるようになると思います。ゆっくりでも、そんな単純に夢を語り合える場が広がればもっともっと人生楽しくなるような気がします。
 それでは具体的な10月の振り返りに入りたいと思います。
10月行ったことは、
・ ちょっと旅 ・近所の農家さんから野菜を買う ・ハロウィンパーティ ・穴窯準備・ 稲刈り ・あんじゃね自然学校 ・山だし ・冬キャンプ事務 ・ケチャップ作り・ だいだらぼっちでの日常 ・村めぐり ・村民運動会 ・祭準備
想い出会、ワークショップ、フォーラムとだいだらぼっち以外での活動が多かった9月に比べて、だいだらぼっちでの活動が多くあった月だといえます。
 その中でも感じるものが大きかった2つについて書きたいと思います。
まずひとつですが、泰阜村の面白さが改めて実感できました。これは、あんじゃね学校や近所の農家さんとの付き合い、村めぐり部を通して、泰阜村に触れる機会が多かったことで感じることができました。
泰阜村の豊かな自然はもちろんのこと、特に村に住む方々とのふれあい、出会うことで新しい考え方や、こだわりの生き方を知ることができました。村、地域の資源とは自然環境だけでなく、むしろそこに住む人たちや昔ながらの知恵、生き様こそがこの地域唯一の資源なのだと実感しました。
こういった人の資源は、自然や遺跡などに見られるものよりも見えにくく実際にあったり話したりしなければならない部分があります。しかし、どんな地域にもあるものです。地域の人にふれることが本当の意味での地域を理解することにつながると感じました。
 二つ目に、日常の生活“だいだらぼっち”での生活の重要性です。
私自身、自分にあまり自信がありません。子供との接し方にも、日常の生活にも。子ども達と接するときにもどこか一歩引いてしまっている自分がいます。それは、子ども達との関係が崩れてしまうことが怖いから。踏み込む一歩が大切なことはわかっているつもりだけれど、どこか踏み出せない自分がいます。
けれど、子ども達だけに限らず、一定以上の関係を作るには、意見をぶつけて話し合うことが大切、“言いたいことを言い合える仲”になることが大切なことです。
 こういった関係作りは、まさに日々の暮らしに直結していることで、毎日毎日の積み重ねがとても大切になってきます。1年間という長い期間ともに生活する家族としてありのままの自分を出しぶつかってゆくことが必要だと思います。
 つまりありのままの自分をしっかりと深め学んでゆくことが必要となってきます。それは、毎日しっかりと意識し、生活することが大切だと考えています。
これから残りの時間、まずはこの踏み出す勇気をテーマにしてしっかいと意識し生活したいと思います。


研修担当なおみちのふりかえり 
 ここで半年を過ごしたもーりぃが手に入れてきたものはたくさんあると思いますが、1つは「人とつながる」ことでの心地よさや励みだったのだろうと思います。この半年で出会った人――地域の宝を作ってきた泰阜の人、山賊キャンプで出会った育つ意欲に溢れた人、東京で感じた関わる術や意欲を持てずに苦しむ人、ワークショップで出会った同じ夢を持つ人・・・たくさんの出会いから感じるものがあったのでしょう。
 もーりぃは持ち前の安定感と懐の深さで、子ども達からも村の方からも絶大な信頼を得てきています。だいだらぼっちの現場に入る相談員とも違い、利害関係を持たず子ども達と同じ目線で過ごせるもーりぃは、子ども達にとって気の置けない近しい関係でいるといえます。子ども達と外で体を動かしたり、ギターを弾きながらみんなと歌ったり、得意の料理で腕をふるったり・・・楽しい仲間として、憧れのお兄さんとしての存在感を発揮しています。
 しかし、もーりぃ自身が感じているように「一定以上の関係を作る」ためにはこの“気のいいお兄さん”の域は超えなければなりません。教育の視点を持って子ども達と深く関わっていくのならば、自分の信念をしっかり持ち伝えることや子ども達の内面に深く目を向けること・・・様々なことが必要だと思いますが、それは近くにいても一歩引いて見ているだけの人にはできないことです。
 だいだらぼっちでの日常から私が感じることは、自分が一人の人間として子ども大人問わず相手を一人の人として尊び真剣に向き合うことが、私たち教育に携わる者に、今求められている役割ではないかということです。子どもの力を信じて叱ってくれる大人や、気持ちを安心して通わせ合える友達の存在が薄くなっている現状の社会の中で、その本当の「つながり」の心地よさを「かかわり向き合う」作業を通して、体や心で感じてもらう必要があると思うからです。
相手への愛情があれば、必ず真剣に向き合うことになります。意見がぶつかったり、話し合えない状態になったりすることもありますが、相手を信じる力があれば時間がかかっても必ずお互いを理解する努力をするものです。(そう見えないくらい態度が悪くても・・・。)それが誰か(社会)とかかわって生きる喜びになり、強さになると思います。


 11月研修報告

11月の主な活動としては、
・ 穴窯 ・祭の準備 ・祭 ・食育、村めぐりについての報告書作り ・ だいだらぼっちの日常でした。

  11月前半は、初めての薪釜“穴窯”の窯焚きとそれが終わるとほぼだいだらぼっちで11月末に行われた祭の準備が中心の月でした。
 穴窯は大学時代にやったことのある火起こしを取り入れ、だいだら初の試みとして、一本の棒と板で火をつけるもみぎりというやり方で火入れを行うことになりました。
 本番では、子ども達、大人一丸となって、熱を維持しさらに上げてゆくために、リレーで棒をまわし続け、45分ほどたって、ひとつの小さな火種を作ることができました。その火種を大切に育て無事に火をつけ窯に火を入れることができました。45分と時間がかかってはしまいましたが、火がついたときのみんなとの一体感は忘れることのできない感動がありました。ともに苦労した体験はほんとに大きな感動を与えてくれます。そんな感動から始まった、窯焚きも4時間のローテーションというものでしたが、窯の様子を見ながら予想して実行して失敗、成功を繰り返しながら温度を調節していくことは時間を忘れるほど楽しいものでした。まさにこれが学びの原点のような気がしました。
 次に2つの報告書の作成を行いましたが、この2つの報告書の作成を通して、文章を作ることの難しさを感じました。今までの自分がいかに、具体的に物事を捉えていないかを実感しました。読み手にとってわかりやすい文章を書くには、自分の中でしっかりと考え深めている必要があるということ、昔からこの深めてゆく作業が課題だった私にとってはしっかりと克服するべき課題を再確認できたいい機会となりました。報告書を作るという作業を行うことで、自分なりに‘だいだらぼっち’について時間をかけて考えられたことはとてもよい学びとなりました。
 そして、11月、子ども達がほとんどの時間を費やして準備をした祭がありました。私も食事係等の係の担当として、子ども達と一緒に準備をしていました。子ども達との話し合いや、食材の発注やメニュー調整、当日のご飯作りなどの仕事の中で、余裕を持って仕事を行うことや、きっちりと確かな仕事をすること。仕事として当たり前のことをできていない自分を再認識し、もう一度気を引き締めることきっかけとなりました。さらに、自分の前々からの課題であるしっかりと自分なりの発言をすることがうまくできずにいました。
 なぜ意見を言うことをためらってしまうのか、しっかりと見つめ根本的なところから考えてゆくことが大切でこれからの自分を変えてゆくきっかけとなると感じています。
 残り少ない時間を有効に使ってゆくためにも一日一日を大切にしてゆきたいと思います。


研修担当にっきのふりかえり 
 11月はだいだらぼっちの活動として祭り、穴釜という大きなイベントがある月でした。その月のもーりぃのふりかえりを見ると“再確認”という言葉が見られます。
1年通しいろいろなイベントがグリーンウッドにはありますが、11月においてはだいだらぼっちの活動に集中していました。

● 子どもたちと接すること
● 子どもたちの学びを共に実感できる場にいること(共同生活の場)
● 仕事として明文化する事

以上の3点がもーりぃの学びに直結しました。そこから4月からの7ヶ月の生活を振り返ることもできたと思います。
 10月末から準備し、11月頭に行った穴釜では、もーりぃの大学時代の経験を活かし、こどもたちにレクチャーを行い、穴釜焚きのスタートをきる火入れを行いました。
本番当日、事前のレクチャーやアドバイスをもとにしてこどもたちが代わるがわる挑戦していきました。「一時は本当に着くのかな?」と思わせるぐらい時間はかかったものの無事火をつけることが出来ました。
私も立ち会いその場で感じた事でもありますが、今までの生活で子どもたちとの信頼関係を築く事ができたからこそ、こどもたちがあきらめずもーりぃを信頼し続けることができ、火起こしが行われかかった時間に相当するぐらいの歓喜の笑顔がどの子どもからも出てきて一体感を感じたのは印象的でした。
 また11月は、だいだらの食についてだいだら祭りの食事担当、食育に関する報告書の作成において学びがあったようです。 だいだらぼっちの生活において、現代社会において薄れがちな子ども自身が自分達で食事を作る、多い時は40人少なくても25人程度の大人数で食卓を囲む、自分達で田んぼや畑を管理し自給していくという生活の特徴を持っています。その中でもーりぃの経験を活かしこどもたちにできる事は何かということを食育という視点においても考えていったようです。報告書にするという作業において漠然としていたものを明文化させ自分自身に落としこむことが出来たのではないでしょうか。
 だいだら祭りにおいては、こどもたちとの食事作り、食材の発注などを行う食事担当を通して、フードマネージメントを行いました。MAX150人分の食材の準備においては入念な段取りをとり行うことが必要です。だいだら祭りに参加する方への食事が足りない・・・なんて訳にはいかず失敗する事はできません。スタッフのサポートを受け行えたようですが仕事をすることの基本、段取り、正確な仕事を求められ課題も再認識できたと思います。
 最後に、残り4ヶ月育成プロジェクトにおいて何をしたいか、できる事は何かという基本を確認しました。こどもと一緒に生活していく上で大切にしたいこと、育成プロジェクトに参加した当初の目標に立ち戻り残りの生活を送っていく事によって生活を充実させていくことができるでしょう。一年間を有意義に過ごす方法は自分自身の気持ちの持ち方で大きく変わるのです。
与えられた仕事を責任持って行うことと同時に自分ができる事、こどもたちに対してできることは何か常に考えて生活していく。経験・学びを積み重ねていくもーりぃの活躍が楽しみです。


 12月研修報告

12月の主な活動としては、
・ 炭焼き ・霜月祭 ・キャンプ準備 ・冬キャンプ ・だいだら説明会準備 ・ だいだらぼっちの日常でした。

 まず始めに行った炭焼きでは、一緒に焼いてくれる人を募集して、当日は地域の方や、飯田の方など4名の方が参加されていました。その炭焼きを通して、年配の方々の知恵や経験の豊富さに驚き、改めてこういった方々との触れ合う機会の大切さを実感しました。
 また、毎月さまざまことを行ってきましたが、こういった各企画に相談員やサポートといった立場で参加する際、主催を明確に意識して活動することの重要性を学びました。
 多くのスタッフがいるグリーンウッドの中で、各企画を行っている際に何かあったときに最終的に誰の決定で動くのかを明確にすることがとても大切になってくるのです。
 主催をしっかりと意識することで、そこに参加する自分の動きもおのずと明確になってくると思います。
 だいだらぼっちでの生活も9ヶ月が過ぎようとしていますが、10月ごろから見えている課題を自分なりに意識しながら生活を行っていますが、どういう場面で発言するか、待つかを考えながら戸惑いながらの生活が続いています。
12月は、今までの振り返りを通して、各スタッフ方々のメッセージや意図をしっかりと読み解くことを意識するようになり、ただなんとなく生活をしてきた今までの自分を反省する機会となりました。ともに生活する仲間として、しっかりと自分の背中を見せるということを考えていきたいと思います。ただ、子ども達に背中を見せることを意図するのではなく、あくまでも、生活、暮らしを豊かにすることを考え、実践することや、ともに生活する仲間と楽しく過ごすことを考え実践することを日々の生活で出すことが、子ども達にいい背中を見せることにつながってゆくのだと感じました。
今後の生活で、自分なりによりよい生活と仲間と楽しく暮らすという本質を大切にしていきたいです。
 もうひとつ12月での大きな出来事がキャンプです。夏キャンプとは違い、だいだらぼっちの施設で行うキャンプ、期間も4本と夏に比べてとても短い期間でのキャンプでした。年内中は主にFとして本部スタッフとして関わっていました。夏と違いゆったりとした雰囲気でまさに暮らすことと遊ぶことをみんなでやるというようなキャンプでした。
 そんな年末を子ども達を含めた大勢の仲間たちと過ごせたことはとても大きな喜びで大きな幸せの感じるキャンプでした。多くの人と関われていること、楽しさを共有できること、一緒に笑えること、暮らせること、本当に幸せな時間でした。 最近、よく思うこと。やっぱり、“人”っていいな。


研修担当のりのふりかえり 
 『バランス感覚を磨く』 〜炭焼き、キャンプなどの運営者として

 12月には色々なイベントがありましたが、NPOグリーンウッドが主催として行うものは当然主催者としての安全。円滑に事業を遂行する責任が発生します。
 企業においては命令系統である上司と部下がしっかりしています。ここグリーンウッドは普段の生活においてはみんな一つ屋根の下に住む同じ家族の一員です。けれども、いち事業体として事業を回す際には、責任を全うするためにも、自分の役割や立場をしっかりと認識していくことも大切になってきます。みんながそれぞれの思いだけで動いてしまっては事故がおこるのです。
 NPOグリーンウッドの家族経営的な『柔』の部分と事業体としての『鋼』を学ぶことが、バランス感覚のある指導者になるためにも重要な学びとなったのではないでしょうか。

『本質はどこにあるのか』〜1月の「暮らしの学校だいだらぼっち説明会」にむけての準備より〜

 説明会という仲間を探す大事な会をだいだらぼっちではこどもたちが企画・運営しますが、その企画・運営の過程においてこどもたちは、「どのようにだいだらぼっちのよさを伝えれば、仲間の心に届いて、来年一緒にすごしてくれるのか?」ということを一生懸命考えます。
 そこで、大人は同じ1年を過ごす仲間として、共に説明会を作り上げ、一方で大人としてこどもたちの企画があがるのをじっくり待ちながらも、よりよい物が出来上がるようサポートするのです。
 言うのは簡単ですが、何かを作り上げようとする際に大人たちが最も悩む場面のひとつです。子どもの気持ちを尊重しつつ、よりよいものを作るためには一人の仲間として意見を戦わせる。
「どこまでが大人の役割なのか?どこまで口を出すのか?どこまで待つのか?」
 もーりぃもこの部分でとても悩んだようです。答えはなかなかでないようでしたが、それこそがもーりぃにとっても、子どもたちにとっても大きな学びだったのではないかと思います。だいだらぼっちで学ぶことは企画運営のノウハウではありません。色々なことを仲間と共に創りあげることを通して、人と人が関わって生きていくことの難しさと喜びを感じ、そこから、自分らしく生きていくことや周りに思いやりを持つことなどを学ぶのです。
 どうやって関わっていくのが、自分らしくそしてみんなにとってもよいことなのか?そう悩むもーりぃの後姿こそが子どもたちにとっても、学びになったではないかと思います。
「子どもが説明会をやること」「大人が後姿を見せるということ」あらゆる場面において、本質をしっかり見つけることがこれから数ヶ月の生活の中で大事に成ってくるのではないかと思います。がんばってください。


 1月研修報告

1月の大きな行事としては、
○ 冬キャンプ ○ 説明会 ○そのほか日々のだいだらの生活があった。

 新年1月1日は、ここ長野の泰阜村からはじまりました。
だいだらぼっちの母屋にはスタッフ、スタッフの家族、冬の山賊キャンプ「おとしとりコース」の子どもと相談員さん達が集まり約100人近い人数が集まり、前日の大晦日からおとしとりパーティーを行っていました。
年越しのキャンプは、今まで、年越しは仲間か家族か一人か…、という近い存在としかやったことがない自分にとっては、驚きの企画でした。
年越しを家族のもとの離れ、キャンプに来る子ども達、相談員さん。どんな雰囲気なのか、まったく想像もつきませんでしたが、皆でお節料理をつくり、除夜の鐘を皆でつきにいって、初詣、特別なことは何もいらない。皆で、まさに大家族のように過ごすこと。その場はとてもあったかな泰阜村の“おとしとり”がありました。
皆でできる、みんなで過ごせる温かさがそこにはありました。
そんな新年を迎え、新年2日目に冬の山賊キャンプで初めての長老をやらせてもらうこととなりました。
 一つのキャンプを運営していく責任者として、のぞんだキャンプでは、その大きな責任とプレッシャーに小さくなっている自分がいました。
 子どもたちが作る山賊キャンプ、決まった形がない山賊キャンプでは、長老の色が大きく出ます。あたりまえのことですがそのキャンプの長老によって、子どもによって、相談員さんによって大きく変わってきます。自分が長老としてどんなキャンプにしたいのか、何を子どもたちに持って帰ってもらうのか?しっかりと想いを持ってのぞんだはずのキャンプですが、実際には、子どもたちの前で話す言葉も、相談員さんの前で語る言葉も、うまく自分の想いを感じてもらうには至らなかったのです。もちろん、言葉だけが伝えるツールではありません。自分の出す空気、行動、姿勢、そういったものから良くも悪くも伝わっていってしまうものだと思います。
ただ自分の考えを言葉にすることはとっても大切なことだと実感しました。考えて来たことを言葉にしようとしたときに、言葉にならない。語れない。このとき本当に自分はこのキャンプをどうしたいのか?何を大切にしているのか?ということを深く考えていない自分に気付きました。どうすれば自分の考えを深めていけるのか?を考えた時に、恥ずかしい話ですが、キャンプの前に考えているようでは全く話にならないということに気がつきました。
キャンプの子どもたちに伝えたいこと、大切にしたいこと。山賊キャンプ=暮らし。つまり、日々の暮らしの中で、一日一日の中で大切にしたいことをしっかりと考えて生活することが、キャンプで話す言葉になってくるのだと感じました。そうして日々大切にしていることは、言葉にしたときの重みになって出てきます。
そう考え自分の日々に立ち返った時、だいだらぼっちでの子ども達、スタッフの皆さんとの日々が自分にはあることに気付きました。こんなに充実した日々がある。だからGWのスタッフは語る言葉に重みがある。それは、日々子ども達とぶつかりながら、暮らしを面白く作っていく生活にあるのだと実感しました。
そんな生活の中に自分もいる。しっかりと日常を意識しないともったいない。毎日の意識の積み重ねが言葉になり、無意識になったとき、生き方につながるのだと思います。
生きるとはまさに一日一日の積み重ね。意識をあらたに一日を大切にすることから始めたいと思います。

研修担当みけのふりかえり 
 もーりぃとこの一ヶ月を振り返ったとき、真っ先に出てきたのが「意識する」という言葉でした。

 冬キャンプで初めて「長老」という責任ある立場を任されたとき、もーりぃにはこどもたちに伝えたい自分の「想い」がありました。しかし、伝えたいものが伝えられなかったのです。それは、伝えたいものが何か、自分自身ではっきりと「意識」していなかったということでした。
一日一日、一つ一つを大切に、「意識して」暮らしていくことはたやすいことではありません。が、意識しようとしているか、していないかで、大きな違いが生まれてくるはずです。
 何気なく過ごしている日常は、気づかないうちに過ぎていってしまいます。「暮らしは学びの宝庫である」とは、わたしたちグリーンウッドの持つ考え方ですが、もーりぃはまさしくこのことを実感したのです。
大役を任されたもーりぃは、ぶつかった壁によりそのことに気づきました。
実は、この月、もーりぃにはもうひとつやりたいことがありました。だいだらぼっちのこどもたちに、伝えたいと思っていることがあったのです。でも、それを実現することはできませんでした。
それもやはり「意識」が足りなかったということに繋がっています。
忙しくて、他にもたくさんすることがあって時間がなかった、という言葉で片付けてしまうこともできたのですが、もーりぃはそうしませんでした。自分の言葉を「確かなもの」にしてからでないと伝えられないと思ったのです。
もう一度、自分の持つものを再認識し、日々の暮らしからの学びをそこに落とし込み、自分の確かな言葉とすることにまずは取り組むことにしたのです。
もーりぃは実現できなかったそのことを実現すべく、新たな気持ちで日々を過ごしています。
自分の想いを「確かなもの」にして、こどもたちに伝えるために。

 もーりぃと振り返って私自身ももう一度気持ちを新たにすることができました。私にとっても学びなのです。
日々繰り広げられる暮らしは、常に私たちに何かを気づかせてくれる何かを持っています。
それに気づいたもーりぃ。これからの日々はもーりぃにたくさんの宝物を授けてくれるはずです。
私たちも、もーりぃに負けないようにまだまだ学んでいきたいと思います。
もーりぃ、一緒に日々を大切に学んでいきましょうね!


 2月研修報告

2月はいい意味でとても忙しく充実した月でした。

○ 登り窯 ○ あんじゃね研修会 ○ 賄い ○ ワークショップ ○ 山仕事
○ スキー ○ あんじゃね自然学校 ○ ふるさとレストラン

ほか日々のだいだらの生活がありました。
 2月初めから行った、5日間焚き続きる登り窯。子ども達の力を合わせて焚く登り窯では、それぞれの想い、考えを合わせて焚き上げとなりました。自然と団結してゆく光景は、登り窯という場のすごさやそこに携われたことがしあわてでした。

 あんじゃね研修会では、2人の講師のかたを迎え「食育」「森の幼稚園」というテーマについての研修会でした。
 「食育」という自分のテーマについても新しい視点、新しい可能性に気づかせていただいた研修会でした。「食育」とは、様々なとらえ方があると思いますが、その人その人の“食”を考えること、あったかな食を感じること。そして、ほかの人のあったかな食を知ることも“食育”の姿なのだと思います。
 そののちすぐに、グリーンウッドに来たお客様がいらしたときに、食事を賄う機会がありました。
食べて喜んでくれる顔や声を聞いた時のなんとも言えない幸せな感覚は、一番身近な、人のためにできることの一つなのだと感じました。あったかな食を賄うことで、感じてもらうことが“食育”の第一歩だと思いました。
そのほか各週、山仕事もしていました。初めて間伐し、それによって明るく変わってゆく山を見て今までに経験したことのない面白さを感じました。木の倒す方向を考え、協力して一本の木を切り倒し、山から出す。機械や道具がないととてもできないような作業を、昔の人はどうやっていたのだろう。何もないところから試みた昔の人たちの知恵や工夫のすごさを感じることもできました。
そして大きく印象に残っているワークショップでは、初めてあった仲間たちと自分の想いを語る。様々な仲間の想いを聞くこともとてもいい学びとなりますが、今までの自分自身の考えについて、しっかりを時間をとり深めることができることがとても良い学びとなりました。
2月全体としては、反省すべき点も多々あります。日々の生活をしっかりと生きること、まだ漠然と考えていたことですが、具体的にどうやって日々を充実させるのか、思うだけではだめで、充実させるように、自分の中にシステムを作っていかなければならないと感じました。やりたいことをただ漠然と考えるだけでなく、しっかりと期日を設け、そこに向かってどのようにしてゆけばよいのかをしっかりと決めておくこと。10年ごと、1年ごと、1か月ごと1週間ごと1日ごとにしっかりと目標を設けそれをやり遂げてゆく。こうした具体的な目標計画の積み重ねが結果となり、夢へと一歩ずつ近づいてゆける方法なのだと思います。
今後の人生をしっかりとゆっくりと見据え、一日一日の目標を意識することにチャレンジしていきたいと思います。夢へ、理想へと近付くために。

研修担当けんちきのふりかえり 
2月のもーりぃはいろんなことに挑戦して、いろんな事を得たようです。

前回私がが担当した5月のときのもーりぃと比べて、感じたのは彼の言葉が多くの実践を経たことで、魂がこもってきたことでしょうか。秋にあったワークショップと今回のワークショップではもーりぃ自身の考え方や伝え方が変化し、また新しいものを得たようです。
常に実践の場である、グリーンウッドの生活の中で彼自身がいろんな部分を鍛えられたと感じました。

また、もーりぃは地域の人とのつながりが出てきました。地域の方の夕食に誘われ、シシ鍋を囲んだり、太鼓を教えてもらったり、ちょっとした時に食材を分けてもらえたりと、やすおかライフを満喫していました。非常に素晴らしいことです。

今月、もーりぃには、細かいスパンで段取りや目標設定をやってもらい、実行に移すことを意識してもらいました。自分が目指すもの・やりたいことは何か?そのためにはどのようなことをクリアーすればよいか?いつまでにやるのか?彼の中から答えを出していけるように話をしました。その繰り返しを行ったことで、いろいろと気づくことがあったでしょう。

その中でも実行に移せないものもありました。そこでなぜ、自分ができなかったのか?どうすればその原因が取り除けるのか?失敗にも向きあいながら話を重ねました。
形にできないままではなく、どんどんと自分のやりたいことを形にしていってほしいものです。あと残りは約1ヶ月、まとめに向けて頑張ってほしいです。


 3月研修報告

月の行事としては、
○ 森のようちえん ○引き継ぎ ○ 球技大会 ○ 団結式

とうとう早いもので最後の月、3月となってしまいました。だいだらぼっちの子ども達とも、自分の学びに関しても、とりあえず一区切りつけることになります。
この3月を振り返るとまず感じることは、どの月にもまして、早いと感じる月でした。
月のほとんどの時間を引き継ぎの準備に費やし練習する子ども達としっかりと向き合い、まずは係りの仕事を楽しくまっとうすることが目標でした。
 一緒にやる難しさ、子ども達と一緒にやれた達成感はどうやって作るのか。やりすぎないことで、自分自身が子どもたちと同じレベルで話せていないことに気づいたり、またやりすぎることで、子ども達の活躍の場を奪い、子ども達のやっている感覚を離れさせたりしてしまっている。そんなこと考えながら準備、本番を迎えました。
 多くの想いが渦巻く引き継ぎでは、子ども、保護者、スタッフ、それぞれの数年間の想いが交わされ、ともに過ごさなければわからない。この一年過ごしたからわかるなんとも言えない感情がこみあげてきました。感極まり、この一年を改めて振り返った時、一年前不安を抱え悩みながらもここにきて本当によかった。

 この一年、様々なことを経験し、多くの人に出逢い、自分の価値観、考えかたが大きく変わったことを実感しています。このグリーンウッドには、とても熱い志を持った人々が集い夢を語り、実現している場です。そんな中に身を置いてみると、なんでもできる気になります。そのやりたい、夢を実現したい、理想に近づきたいと思うことが自分を突き動かす大切な原動力となると思います。
 あとは、しっかりと理想を見据え、実現するためにはどのようなことをしていけばよいのか、少しずつ、一歩ずつ近づいていけるように歩き続けることが重要なのです。
 この一年“どう生きるか”ということについて一番考えた年だったと思います。多くの熱く生きる生き方の手本を目の前に、自分もこうありたいと思いながら、未熟な自分の考えを見つめなおしたり、掘り下げたりと物事の本質的な部分を見つめることをする機会が多くありました。
 間違いなく今後の人生がとてもいい意味で変わりました。一日一日を当たり前のように大切にし、夢・理想をしっかりと見据え、小さくても一歩ずつ歩き続けたい。
 この一年間の指導者育成プロジェクトに参加して本当によかった。一年間本当にありがとうございました。


研修担当しんのふりかえり 
 一年のふりかえりに

 もーりぃの一年のまとめとして出した言葉は「どう生きるか?」でした。これは一年間のプロジェクトの象徴となる言葉のように感じました。
 19人のこどもと一年間を共に過ごすこと、1100人のこどもとのキャンプを通じて、方法やスキルももちろん学んだことと思います。それは一過性の講座や授業では決して得られない、経験を通じた、生きた学びです。しかし、それよりも大切なのは、技術に頼ったこどもや生徒への言葉がけや対応の仕方ではなく、自分自身が「どう生きるか」を考え、体言していくこと。それこそが、こどもたちに自分の想いや考えを伝えられることなのだという答えに、もーりぃは行き着いたのだと思います。
 一年間、もーりぃはたくさん悩んだことでしょう。その悩みのなかで、もーりぃは自分ができる精一杯を常にチャレンジしてきました。食育に力を入れて、手作りおやつをこどもたちに出したり、こどもたちと映画作りにチャレンジしたり、もーりぃがいなければおきなかった様々な出来事を見れば、こどもたちにとって、いかに大きな存在だったのかがわかります。これは一年間のだいだらぼっちでの生活で「いかに生きるか」をこどもたちにもーりぃ自身の行動で見せてきた結果だったように思います。
 だいだらぼっちは特殊な場所です。一年間こどもたちと寝食を共にすること、全国から来るこどもたちとキャンプをすること、自分たちの使う食器を手作りしたり、畑や田んぼで野菜やお米を作ったり、突然、泰阜村の達人から鹿の解体を教わったり、普通の生活ではありえないことばかりです。しかしだいだらぼっちで考えたことが「ここでしかできない」というものになっては、全く意味がありません。ここでの学びをどう活かしていくのか?学んだことをこどもたちにどう伝えていくのか?これからが本当の勝負です。
 きっとこれからも迷いと悩みが降りかかるでしょう。しかし迷いの中で、その時一番最善と思われる「答えを出す」ということを一年間し続けてきたもーりぃは、きっとどんな状況も乗り越えられると思います。それこそが一年間の強みなのですから。
これからもがんばれもーりぃ!



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〒399−1801  長野県下伊那郡泰阜村6342-2
TEL:0260-25-2172 FAX:0260-25-2850
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